画竜点睛を欠く

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電車の中で、一人の老紳士を見かけた。

白髪の紳士である。
年の頃は65歳ほどか。
服装は、上は青いYシャツ。
下は濃いグレーのストライプの入ったスラックス。
腕には高そうな腕時計。
静かに席に座っている。
眠っているようだ。

しかしただ一つ、全体の調和を乱していたのは。
彼の唇に
ピンク色のルージュが引かれていたことだ。

なんでだー。