おくび

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「おくびにも出さない」の「おくび」が「げっぷ」の意味だということは、 一般によく知られている。 しかし、なぜ「おくび」が「げっぷ」なのか、ということまではあまり知られていない。

1890年代初頭。
明治維新後、日本が海外文化をどん欲に取り入れようとしていた時代。 神戸に一人のアメリカ人の船乗りがいた。 船乗り一般の例にもれず大柄で、日焼けした肌に頑強な肉体を持った、 陽気で気さくな若者だった。

彼は生来の人なつっこさで、 船乗り仲間たちの間ではもちろん、 日本人の間でも親しまれた存在だった。

彼はその体躯に見合った大食漢で、 よく食べ、よくしゃべり、そしてよく飲んだ。 そしてひとしきり食事を済ませた後には、必ず一つ、大きな大きなげっぷをした。 皆それを知っており、彼がげっぷをするときには彼の名前を大きな声で呼んだ。

彼の名前は、"Mike Oakbee"(まいく おーくびー)
「おくび」は彼の名から転じたものである。

         民明書房「世界の快男児」より抜粋(ウソ)