みんなの味方

 「みんなの味方」というのは、たいていヒーローである。 ア○パ○マ○とか忍者ハット○君とか。 しかしちょっと考えてみると、「みんなの味方」などという存在は、 それほど「頼れるナイスガイ」的な存在ではないことがわかる。 どういうことか、ちょっとシミュレートしてみよう。

「ひろしのバカー!」

「そうだそうだ!ひろしは本当にバカだな!」

「おいちょっと待てよ。いきなりバカはないだろ!なんなんだよまったく!」

「そうだよ!泣いてばっかりじゃひろしだって何もわからないよ!」

「ひろし、あんたあたしに黙ってドーナツ食べたでしょう!」

「そうだよ!黙って食べちゃうなんてひどいにもほどがあるよ!」

「それは・・・食べちゃいけないなんて言わなかっただろ!腹が減ってたんだよ!」

「そうそう!お腹減ってたんだからしょうがないじゃない!ね!」

「何よあんた、食べちゃダメって言われなければ何でも食べるの!意地汚いわねぇ!」

「そうだよ!禁止されなきゃ食べるなんて最低だよ!」

「っていうかさっきからお前誰だよどっちの味方だよ」

「ボクかい?ボクはみんなの味方さ!」

「帰れ」「帰れ」