2009年3月アーカイブ

予防接種

 予防接種を子供に受けさせない保護者がいるというのは知っていて、子供への輸血を拒否するような極端な主義主張の人に限ったことだと長らく思っていたのですが、調べてみるとそう簡単な話ではないようです。

 まず、子供の予防接種は任意であり、受けなくても何ら罰則などはありません。逆に予防接種を受けたために何らかの健康被害があった場合、救済制度はありますが、基本的には接種をさせた親の責任ということになっています。
 しかしそのような記述は、予防接種の接種票はもとより、手引きの冊子その他にも記載されておらず、普通に過ごしていると、接種させなくてもよいという選択肢があることに、気づくようにはなっていません。そうした情報は、接種率の低下を招くものとして、知らしめない方針であることが、まず不信感を招きます。

 そもそもなぜ日本が任意接種になったのかといえば、1989年に導入されたMMRワクチンで死亡を含む1000人を超す健康被害が発生し、集団訴訟で国が敗訴したからなんだそうです。予防接種は必ずしも安全なものではないし、予防接種の普及によって、ターゲットとしている病気の罹患率が下がれば下がるほど、予防接種の副作用による健康被害の確率も考慮に値するようになってきます。

 私は、個々の母親が予防接種の対象となっている病気の危険度や接種の必要性を検討をする必要性はないと思っていて、エライ人がちゃんと考えて「こうやってね」というガイドラインが信頼に値するものであれば、ハイハイと受けておけばいいものだと思うのですが、現状でそうなっていると私には判断できませんでした。

 例えばポリオは、野生種による感染は日本では1980年を最後に起こっておらず、根絶宣言済みであるにも関わらず、予防接種を原因とするポリオが年に多くて数件とはいえ発生しており、本末転倒な状況にあります。

 逆にHibワクチンは、現在行政から接種が勧められていませんが、この接種によって、毎年500人程度の罹患があり、死亡率5%、20%に麻痺を含む重篤な後遺症を残す危険な病気をほぼ制圧することができるそうです。アジアでHibワクチンの予防接種を実施していない国は、去年まで北朝鮮と日本だけという驚くべき状況でした。

 また、予防接種を原因とした健康被害に対する救済制度も、調べた限りにおいては、決して十分なものとはいえないようです。

 要するに、厚生労働省は微妙なお役所なので、ある程度は自衛しないといけませんよ、という意味で予防接種に対する警戒心があるのは、当然なことかと思いました。
 

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