感想メモ:自然農法わら一本の革命

福岡 正信
春秋社 1983-05
¥ 1,682

★★★☆☆

不耕起、無肥料、無農薬、無除草の自然農法
それで米や麦、ミカンが作れるという。

結局、田を鋤く必要はなかったんだ、と。
堆肥をやる必要も、化学肥料をやる必要も、
農薬をやる必要もなかったんだ、
という結論になったわけです。

通常の作り方に比べて手間はかからず、
それでいて味はすばらしい。
その秘訣は土。

健全な稲を作る、肥料が要らないような健全な、
しかも肥沃な土を作る、田を鋤かなくても、
自然に土が肥えるような方法さえとっておけば、
そういうものは必要ではなかったんです。

夢のような農法だが、ここにたどり着くまでには
やはり相当の苦労があったようだ。

だが、こんな簡単な方法に絞るまでに、
私は四十年間費やしたのです。

自然と格闘し、人間が良いと思って行ってきたことが、
実はマイナスを積み重ねているだけだった。
そういった事実に直面した著者の言葉は重い。

「人間というものは、何一つ知っているのではない、
物には何一つ価値があるのではない、
どういうことをやったとしても、
それは無益である、無駄である、徒労である。」

食料自給率の低い日本において、
この自然農法はとても大きな可能性を秘めている。
ただ、昭和四十年にはその内容は発表されていたのだそうだ。

大きな可能性を秘めていることと、
世に広まるのこととは、別問題なのだろうか。

「奇跡のリンゴ」を読んでも感じたことだが、
「普通」から外れた茨の道を、切り開いていくことができる、
その理由は何なのだろうか?

農業などのトピックに興味がある人は、
特におもしろくよめるでしょう。
無農薬の農法については
「ニンジンから宇宙へ」奇跡のリンゴもどうぞ。
オススメ度は★3つです。

福岡 正信
春秋社 1983-05
¥ 1,682


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