感想メモ:犯罪者はどこに目をつけているか

★★★★☆

防犯についての話、というだけならさほど珍しくはない。
しかしこの本の特徴は、窃盗のプロが語る、
対象とする町、家、人の選び方や、
手口などが書かれていること。

防犯対策になる、と思っているものでも、
プロに狙われればほとんど役に立たないことがある、
ということは知っておいた方がよいかもしれない。

その結果、「被害者、あるいは被害家屋の塀の手前
およそ5メートル」で、明らかな変化が
生じることがわかった。(p35)
獲物の手前20メートルで、
犯罪者は三つの点に注意しながら意思決定を行う。
①接近成=うまくいい獲物に近づける=実行できる(近づけた)、
②逃走性=うまく逃げることができる(逃げることができた)、
③直感=目的を達成するのにいいイメージがある(あった)、(p41)
では、どんな人が狙われやすいのか…
①襲うだけの価値があるもの
②無防備であるもの
③体力がないもの
④心理的強度が弱いもの
⑤孤立しているもの
⑥襲いやすい環境下にいる者…(p58)
また、すれ違う瞬間には、相手との間が
「相手の身長×0.8」は空くように
心がけて歩かねばならない。(p75)
「この町でやる」という品定めの決め手となるのも、
駅前と町中の落書き、ゴミ(汚れて剥げかけた
ポスターは落書きやゴミに等しい)、
放置自転車の三大汚れだという。(p94)

結局の所、近所付き合いの濃密さ、
町並みや家の周囲の乱れ具合、
狙われやすい場所は通らない、
といった地道な対策こそが、
防犯の近道であるようだ。

つい先が気になって、
一気に読んでしまいました。
興味深かったです。


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

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