感想メモ:ダンナ様はFBI

田中 ミエ
幻冬舎 2008-12
¥ 1,470

★★★★☆

FBIの現場で働いていた人と結婚した人が、
ダンナ様の異常な(日本人から見ると)危機管理能力を発揮した
ステキな日常生活について語っている。

それだけでもおもしろそうなのだが、
更におもしろかったのが、このダンナ様からの
日本人の奥さんの仕事に関するアドバイス。

FBIでの経験を元に語られているそのアドバイスは、
lifehack的なことではなく、人間の深層心理を
突いたものであることが多い。

なぜ、生活感の漂う人間に仕事を頼みたくないかわかるかい?
それは精神的にゆとりがないと判断され、すでにその人の能力が
限界まで使われていることが分かるからだ。(p125)

ビジネスのスキンシップのコツはスピードだと言った。
瞬時に、すばやく、短く、さっと触る、軽く叩く。
握手は、素早く手を差し出し、深く強く握り、ぐっと力を込めて
相手の手を確認して話す。ためらいなくやること。(p163)

知っている人にだけ挨拶するな、とも言った。
エレベーターで、ビルの入り口で、隣り合ったりすれ違ったりしたら、
見知らぬ人でも笑顔を向けよ。挨拶は、トレーニングで磨かれるから…(p165)

ということで、おもしろいだけでなく、ためになる。
という一冊で二度おいしい本でした。

流派は違うが、元ドイツ情報局員が明かす心に入り込む技術
共通する部分も感じられた。
特に、ターゲットとのファーストコンタクトから、
信頼関係を築いていくまでの、計算された演出に驚かされた。

どちらの本もオススメです!

田中 ミエ
幻冬舎 2008-12
¥ 1,470