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感想メモ:どの子ものびる運動神経 小学生編

どの子ものびる運動神経 小学生編
どの子ものびる運動神経 小学生編
  • 発売元: かもがわ出版
  • 価格: ¥ 1,995
  • 発売日: 2003/08

★★★☆☆

運動神経は遺伝ではなく、運動習得のやり方でかなり左右される。
それには12歳までに色々な運動をすることが大事。
では、どのような教え方でどんな運動をすればいいのか?

「走る、跳ぶ、投げる」などの基本動作と、
「すばしっこさ」「たくみさ」を伸ばす運動をすると良い。
前半が理論、後半が運動の紹介という構成。

最近の子供はボールを投げられても捕ることができず、
ぶつかるのを見ていたり、逃げてしまったりする子も多いらしい。
放っておけば勝手に覚えてくる環境は少なくなったのであれば、
教えてあげないとできないのは当たり前だろう。

CDで映像も付いているので、指導者編と合わせて観るとよいだろう。
オススメ度は★3つです。

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感想メモ:どの子ものびる運動神経 指導者編

どの子ものびる運動神経 指導者編
どの子ものびる運動神経 指導者編
  • 発売元: かもがわ出版
  • 価格: ¥ 1,890
  • 発売日: 2004/07

★★★☆☆

前半が指導者としての心構え、精神面の教え方、立ち方、歩き方。
後半は身体ほぐしの理論と実際。
二人の著者がそれぞれ受け持ったようで、内容は別個な感じ。

前半は参考になる部分が多い。
特にインナーゲームは、精神集中の方法としておもしろい。

逆に、細かいことはあれこれ意識せずに、
ただボールがバウンドするのを「バウンス」、
ラケットに当たる瞬間を「ヒット」と声を出して数えるだけで、
驚くほど簡単にボールは相手コートに飛んでいくというのが彼の主張だ。
ところがグリップ、バックスイング、インパクトのタイミングなどを
細かく教えているのに、どういうわけだかあまり上手にならないのである。

これはつまり、複雑な複数の動きを瞬時にこなす運動をするときは、
なるべく気にすることは少なくすることが必要ということ。
ただ、ここまでやってもいいとは知らなかった。

本の後半は、様々な体操の紹介が主。
全部をこなすのはムリそうで、
どう適用するかは指導者に委ねられている状態。

おもしろそうなトピックはいくつか見られるのだが、
全般的に説明が不足している感がするのが残念。
オススメ度は★3つです。

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感想メモ:天才! 成功する人々の法則

天才!  成功する人々の法則
天才! 成功する人々の法則
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 1,785
  • 発売日: 2009/05/13

★★★★★

天才を天才たらしめているものとは?

それは、才能と超人的な努力、だけではないのかもしれない。

  • NHLの選手に1月生まれが多く、日本のプロ野球やサッカー選手に
    4月生まれが多いのは、偶然なのか?
  • アメリカの大富豪のうち何人もが、数年という狭い範囲に
    生まれているのは、偶然なのか?
  • ユダヤ人のビジネス成功者の家系を遡ると
    同じような職業が現れるのは境遇が多いのは、偶然なのか?
  • IQが130を超える人たちの中で、成功する人としない人を
    明確に分けるパラメータとは?
  • アジア系の人が数学に強いのは、遺伝ではない?

いずれも「環境」というものが、天才と言われる人たちにも
大きく影響している事を示している。
つまり、同じぐらいの才能を持っていても、
生まれてきた環境が違うだけでアウトプットは変わってしまう!

それでは逆に、生まれ育った環境ですべてがきまってしまうのか?

著者はそうは言っていない。
教育によって「生まれてきた環境」という運命に近いものをも
切り開いていくことができるのだ、と示している。

私たち一般人は、「天才」という言葉を聞くと、
イコール才能、と思考停止におちいってしまいがちだ。
しかし環境や社会的な背景が与える影響というのは
思いのほか大きいものなのだとわかった。

1万時間という時間の壁を越えられる適性があれば、
案外「天才」はできてしまうのかもしれない。

子供にプラスの影響を与える環境とはどういうものなのか?
何を与えることができるのか?そんな視点で読むこともできる。
オススメ度は★5つ!おもしろい本でした。
Amazonのページにある著者のインタビュー動画もおもしろいです。
すごい賢そう。

同じような視座を与えてくれる本として、
ヤバい経済学、銃・病原菌・鉄を連想した。

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感想メモ:「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト

「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト (光文社新書)
「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト (光文社新書)
  • 発売元: 光文社
  • 価格: ¥ 777
  • 発売日: 2010/01/16
  • 発売日: 2010/01/16

★★★☆☆

はじめての課長の教科書」の酒井穰氏による
人材育成についての本。
何のために、誰を、いつ、どのように、誰が、
どうやって育てるのか。効果はどう測定するのか。
というような内容。

大意を理解するのも大事だが、
随所に現れるフレームワークが参考になる。

  • 組織には学習能力という観点から見て、
    「積極的学習者(全体の10%)」
    「消極的学習者(全体の60%)」
    「学習拒否者(全体の30%)」
    の3種類の人材がいる
  • 「伸びる人材の共通点」
    ○素直であること
    ○好奇心旺盛であること
    ○忍耐があり、あきらめないこと
    ○準備を怠らないこと
    ○几帳面であること
    ○気配りができること
    ○夢を持ち、目標を高く設定することができる人
  • ケラーのARCSモデル
    Attension
    Relevance
    Confidence
    Satisfaction

他、メモしたのは以下の点。

  • しっかりと認識したいのは、
    「社会貢献のための企業活動」ではなくて、
    「営利活動を通した社会貢献」という、
    口を開けば必ず「お金のにおい」がする
    民間企業ならではのリアリティーです。
  • 企業における人材育成の目的は
    企業理念の浸透にこそある
  • 人材の維持・管理において
    明るさと社交性に代わるような武器はありません。

一度読んで終わりというよりも、
人材育成について考えるときに、
読み返して参考にするという使い方が良いと思う。

オススメ度は★3つ。

「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト (光文社新書)
「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト (光文社新書)
  • 発売元: 光文社
  • 価格: ¥ 777
  • 発売日: 2010/01/16

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感想メモ:夢を絶対に実現させる方法!

夢を絶対に実現させる方法! (DVD付) (日経ベンチャーDVD BOOKS)
夢を絶対に実現させる方法! (DVD付) (日経ベンチャーDVD BOOKS)
  • 発売元: 日経BP社
  • 価格: ¥ 2,394 (5% OFF)
  • 発売日: 2005/09/08

★★★★★

公立高校である松虫中学陸上部の指導で、7年間で13回の日本一を輩出。
しかも一日の練習時間は90分というから驚きだ。
社会人への講演も多い、カリスマ体育教師の原田隆史氏の講演DVD付きの本。

20年の教師生活3万人のデータから彼が導き出したものは、
生活指導と目標設定だった。
生活が全ての基本であり、そこで手を抜いていると
目標達成へのエネルギーが出てこないというのだ。

おー、と思ったのは以下の部分。

  • 「成功者は、席に成功を鮮やかにイメージする。努力は、その後。」
  • 心を指導しようにも、心は目に見えない。
    目に見えないものは指導できない。だから、心を文字で表現させる。
    書いて書いて書きまくって、成功した自分の姿を、しっかり心に刻み込む。
    だから、真面目になる。素直になる。一生懸命になる。
  • ノウハウが同じで差が出るのは、仕事以外。
    家庭も含めた生活の質なんです。
  • つまり、奉仕活動とは「態度教育」。
    家庭で言うところの「躾」なんです。
  • 人間が「自分のために」と思って出せる力は、あまり強くない。
    「あの人のために!」と思ったときにこそ、ここ一番の爆発的な底力が出る。

本としては、ページ数も少なく、
原田氏の他の著作のまとめという感じ。
しかし、講演DVDがすばらしい。
こちらだけでもこの値段の価値があるのではないか。
本で読むのと映像で話しているのを見聞きするのでは、
伝わる情報の密度が異なると感じた。

気づいたこととして原田氏は、説明している内容に対して
「おもろいな〜」と度々言っている。
心底好きなんだな、と感じると同時に、
教育というものへの熱意も感じた。

コミュニケーション:
7秒で1つのことを伝える
笑顔と幸せ感とともに
スピーチ:
うまくなるには、話す内容を書く
そして読む、書く、読む、書くを繰り返す
そのうち立派に話せるようになる

以上、オススメ度は文句なしの★5つ。
特にDVDはオススメ!

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感想メモ:手紙屋 蛍雪篇

手紙屋 蛍雪篇〜私の受験勉強を変えた十通の手紙〜
手紙屋 蛍雪篇〜私の受験勉強を変えた十通の手紙〜
  • 発売元: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2007/12/28

★★★★★

喜多川泰氏の「手紙屋」の続編。
さすが喜多川氏。いい本だ。

「手紙屋」は、就職活動に悩んでいる大学生が主人公だった。
この「蛍雪」編は、受験勉強に悩んでいる女子高生が主人公だ。
塾の経営者である喜多川氏らしく、学生たちに向けたメッセージが伝わってくる。

勉強は、つまるところモチベーションである。
なぜなら、最良の結果を出すためには、それだけの努力が必要で、
その努力を支えるものがモチベーションだからである。

いい大学に行って、いい会社に入って・・・というお題目をリアルに感じ、
長い受験勉強のモチベーションとできる人はどれくらいいるのだろうか。

途上国の人たちは勉強の激しさが違うというのも、
それだけのモチベーションを持っているからだ。
自分が勉強して10人の家族を養っていくんだ、という考えの人と、
自分が勉強をしなくても困るのは自分、という考えの人では
モチベーションに差が出るのは当然だろう。

だから、私は先進国の恵まれた環境の人は、
モチベーションで途上国の人に勝つことは難しいと考えていた。

しかしこの本は、その「勉強」のモチベーションについての認識を
新たにしてくれるものだった。
ハングリーな環境になくても、強いモチベーションを持てる可能性が
あるのだと思えた。

自分が受験勉強の前にこの本を読んでいたら、
受験勉強の結果は、そして大学での生活は
どう変わっていただろう?と思った。
そして、読んでおきたかった、とも。
まぁ出版されてなかったからムリなんだけど。

勉強は生きている限り続くもの。
学生以外の人にもオススメ。★5つ。

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感想メモ:強育論

強育論-The art of teaching  without  teaching-
強育論-The art of teaching without teaching-
  • 発売元: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2004/03/17

★★★☆☆

「合格パズル」など独特の指導方針の宮本氏が語る教育論

 勉強は、ほめられるとか、何か買ってもらうとかの外的な報酬ではなく、
考えること自体を楽しむという、内的な報酬づけが望ましい、
というのは同意できる。

 子供を他の子供と比べて「できが悪い」などと言うのは、
自分の遺伝子が入っている以上天に唾することだし、絶対に慎むべき、
という意見にも同意できる。

 しかし。何か違和感がある。

 原因を考えてみたのだが、おそらく以下の点だろう。ある部分では
「学習は成長するためにするもので、受験に目標を置くのはまちがい」
と書かれている。しかし、中学受験を終えた生徒のその後については
「現役で慶応に受かった」
「一浪で東工大に入った」
などと学校名を重視している部分が見られた。
大学受験こそ、目標に置くのはまちがえているはずなのに・・・
という思いが違和感の正体と感じた。
大学受験こそ、成功しなかったときのダメージは大きいのだから、
大人が結果にフォーカスするのは危険なのではないだろうか。

ただ、中学受験生でかなり実績を残している人なので、
その指導方針は確かに有効なのだろう。
しかし、しっくりいかない感じが残った。

理由は、喜多川氏の「聡明舎」の方針に共感しているからだと思い至った。
どういう塾を選ぶかは人それぞれなので、色々な形があっていいのだろう。
そんなわけで私の★3つ。

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感想メモ:探究する力

探究する力
探究する力
  • 発売元: 知の探究社
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2009/02/15

★★★★☆

TCS(Tokyo Community School:http://tokyocs.org/)のお話。
学校の勉強は、やらされている感があった。
まぁ、実際にやらされている訳なのだが。
しかしやらされていない、自分の興味でする勉強は、実は楽しい。
この感覚に近いほど楽しくなるのだろう。

TCSは、「探求型」の学習を行う全日制の小学校。
では「探求型」とは何ぞやということだが、
知識詰め込み型の受け身の学習ではなく、
フィールドワークを多用し、生徒達がテーマに沿って自発的に
行動を起こしていく、というもの。

みずみずしい体験を伴った学習であるため、座学の知識とは深さが違う。
その分時間もかかるのだろうが、体験した記憶は容易に消えないので、
長い目で見るとずっと良いコストパフォーマンスなのだと思う。

本の前半は探求型学習の実例紹介、後半は現在の探求型学習に至るまでの
道のりと考え方の紹介となっている。
前半で紹介されている、子供たちのイキイキとした姿がとても印象的だ。

TCSでの学習は、「知りたい」「わかりたい」という内的な欲求を
伴う学習であり、学習の理想の形にかなり近いように思う。
おもしろかった。★4つ。

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感想メモ:つなげる力

つなげる力
つなげる力
  • 発売元: 文藝春秋
  • 価格: ¥ 1,500
  • 発売日: 2008/09/10

★★★★★

・リクルートから中学校の校長になった著者の「つなげる」試みの数々

1.教職を目指す学生ボランティアと放課後や土曜の生徒をつなげる
→ボランティアは現場での継続的な経験が得られる
→学校側はコストを抑えて生徒の成績向上が得られる
→生徒もお兄さんお姉さんと一緒に勉強ができ、成績も上がる

コストを最小限に抑え、かつ全員が満足する仕組みが作られている。

2.学校と学習塾をつなげる

サピックスの教員を平日の夜や土曜に招き、高額な学習塾に通う以外の方法(半額以下)で、
トップ校を目指す機会を生徒に提供する。
→学校でカバー不足になりがちな、できる子のケアの仕組み
→学習塾にも顧客創出機会のメリット

リクルートでも数々の成果を残してきた、優秀なビジネスマンである著者。
こういった人が校長をすると、これだけのことができるのかと非常に感心させられた。

この本を読んで感じたのは以下のことである。

  • 「アイデアは既存の要素の新しい組み合わせ」であることの確認(参考:アイデアのつくり方
  • ただし、新しいアイデアを形にするには、必ず発生する数々の障害をクリアし、現実に回っていく仕組みを考え、実現する能力が必要
  • 「人は、あなたとつながりたいと思うときに動き、そう思わないときには本気では動かない」

本の作りもすばらしい。章毎のまとめの図もわかりやすい。
最終章は学校以外の試みについて書かれているが、
こちらも仕事の進め方としてみると非常に参考になる。

学校改革のストーリーとしても楽しめる他、学ぶべき点も非常に多い。
読み手次第でさまざまな刺激が得られるだろう。

文句なしにオススメの良著。★5つ。

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感想メモ:成功の教科書 熱血!原田塾のすべて

成功の教科書 熱血!原田塾のすべて
成功の教科書 熱血!原田塾のすべて
  • 発売元: 小学館
  • 価格: ¥ 1,260
  • 発売日: 2005/02/26

★★★★☆

 著者は高校の先生で、生徒に目標管理をさせることで、部活で驚異的な結果を残すことに成功している。その手法と考え方を紹介しているという本。なまじ社会人がやっている目標管理よりずっと真剣。結果が出るのも頷ける。

 説明も具体的で参考になる部分が多かった。

・成功すると決める
成功している状態を、より具体的に鮮明にイメージする。そこからの逆算でやることを決める。「目標」は与えられるのではなく「本人にとって本当に価値のある目標」にする。

・目標設定
二週間先から。「最高」「絶対できる」「中間」の3つのレベルで設定。ノルマ(何件達成)にしない。感情を目標にしない。できることを達成し続けることで、自信に繋がり心が強くなる。立派な大きな目標にしすぎない。

・過去の分析
最高の自分と最低の自分を把握し、日々の生活から最高の自分に近づくようにする。成功する人はよく準備し、最高の自分の状態に置くことがうまい人。

・継続するために
目標を目につくところに。他人に伝える。成功イメージを口に出す。元気が出る動作、言葉を決める。達成した自分へのごほうび(利益)を考えておく。物心両方。

・成功する人は「真面目・素直・一生懸命」。

 参考になる部分が多かった。★4つ。

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