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感想メモ:日本はなぜアジアの国々から愛されるのか

★★★★☆

日本は、自分の国のことをキライな人が多いという、
世界的に見るとおかしな国だ。
これは、自然とそうなったわけではなく、
そういう意図の元に作られた教育の賜物である。

それが、いい影響をもたらしているのであれば、
別にいいかとも思わなくもないが、
そうとも思えない。

特に、日本は世界から好かれている国であり、
嫌っているのは中国と韓国と北朝鮮ぐらいのものだ。
これはBBCにより世界的な調査からもわかる。
日本は常に好かれている国の上位なのだ。

こういうことを知らずに、
日本はアジアから嫌われている、
と誤った理解をしているのはよろしくない。

この本では、アジアの支援の現場で活躍している著者が、
その国の人々と触れ合った体験を通して、
日本という国がどう見られているのかを語っている。

科学的にきちんと証明できるだけでも、
日本の歴史は1500年ぐらいあるんですよ。
それでも世界一なんです。だからもう堂々と胸を張って、
「われわれは世界一歴史を持った国家である、その国民である」
といったほうがいいですよ。(p6)

ベリリュー島の村人に言い伝えられていることがある。
「強風が吹いたら日本人が造った建物へ逃げ込め」

多くの日本人は、パラオをスキューバ・ダイビングのできる
リゾート地としてしか思っていないような気がする…
日本の子供たちにも、パラオの人々が
「日本を愛している々と伝えていきたい。(p74)

セロトニントランスポーター遺伝子は
別名「不安遺伝子」と呼ばれ、
それを最も持っているのが日本民族。
日本人は約80%、アメリカ約44%、南アフリカ約28%…(p139)

日本に対して好意を持ってくれている国があり、
けれども日本では、そのことがほとんど知られていない、
というのはとても残念なことだ。

子供には、「世界的に見れば普通」というレベルの、
健全な愛国心を持って欲しい。

感想メモ:逃げるお金に続け

邱 永漢
グラフ社 2011-05
¥ 1,365

★★★☆☆

邱永漢氏のサイト上でのコラム「もしもしQさんQさんよ」
( http://www.1101.com/Q/index.html )のうち、
2009年11月から2010年2月分の内容を書籍化したもの。
なんと34冊目!

時系列に並んでおり、当時の経済状況や、
その当時の考えが書かれている。

事業家でもある邱永漢氏。
中国とでの新規ビジネス立ち上げのストーリーなど、
興味深い話が多い。

経験豊富な氏の言葉は、
経験豊富な商売のセンスに基づいていて、
なるほどなー、と思わさせられる。

さし当たり必要なことは、財布の紐をしっかり
締めなおす人たちにお金を使わせることです。
そのためには「お金を使ったら税金を負けてやる」
という政策を打ち出すのが一番効果があります。(p33)

世界で通用するのは、日本人のサービス精神であって、
日本料理ではありません。(p65)

邱永漢氏は2012年に亡くなられた。
ご冥福をお祈りします。

邱 永漢
グラフ社 2011-05
¥ 1,365

感想メモ:「最高の授業」を世界の果てまで届けよう

★★★★★

トップの教師による映像授業を、
優秀な先生の数が足りない途上国に持って行く。

アイデアとして思いつく人はいるかもしれないが、
実際に実行できる人が、一体何人いるだろうか?

行動すれば、事前に想定しなかったような、
様々な問題が起こる。
それでも、二十代の歳の若者たちが、
力を合わせて、ものすごい行動力で突破していく。

当然、楽しいだけではない。
恐怖も、プレッシャーもあるだろう。
それでも力強く乗り越えていく、
エネルギーはどこから来るのだろうか?

それは、こういうことなのだろう。

魂に一度ともった火は、消えることなく、
他の人の心にも明かりをともしていく。(p4)

心に火がついた人というのは、
勝手に進んでいける。止まれない。

そしてその「心に火を付けるもの」に出会うには、
待っているのではなく、探し続けなければいけない。
って、スティーブ・ジョブズが言ってた。

読んでいるだけで、その熱が伝わってくる、
熱い本だった。オススメ!

感想メモ:「世界金融危機」のカラクリ

★★★★☆

アメリカ、イギリス、フランスは、
対外純資産残高がマイナス、つまり借金が多い。
特にアメリカは世界一のマイナス。
にも関わらず、国としての所得収支はプラスなのだそうだ。

世界一借金漬けのアメリカが、
世界一のカネ貸しの日本より、
金利などをたくさん稼いでいるのです。(p40)

なぜ?

アメリカという国は、政府が国債で海外から資金を集め、
民間企業がそれを対外直接投資に回しているという感じです。
…日本は対外直接投資に消極的な国だといえます。(p55)

直接投資によって高い利益率で海外ビジネスができるからこそ、
アメリカは所得収支の黒字を維持・拡大できたのです。(p66)

アメリカの主要な稼ぎどころは、
一般的なイメージである証券投資ではなく、
海外ビジネスこそがメインエンジン、
ということであるようだ。

借金の問題で言えば、日本に関してはどうなのだろうか?

政府の借金と、対外的な借金では、
後者の方が深刻だということがベースだ。

日本は世界一の対外純資産残高を誇っています。
日本は、対外純資産残高のマイナスがひどいギリシャなどと
並べて論じられるような国ではありません。(p95)

他にも

  • ユーロ圏内でドイツが独り勝ちしている理由
  • PIIGSの問題となっているのは何か
  • ユーロ圏内でも為替レートが存在している
  • 日本が貿易収支の赤字を維持すべきである理由

など、興味深いトピックが詰まっていた。
会計の知識がないと、ちょっとつらいかもしれないが、
読めればかなりおもしろい本でした。

感想メモ:ダンナ様はFBI

田中 ミエ
幻冬舎 2008-12
¥ 1,470

★★★★☆

FBIの現場で働いていた人と結婚した人が、
ダンナ様の異常な(日本人から見ると)危機管理能力を発揮した
ステキな日常生活について語っている。

それだけでもおもしろそうなのだが、
更におもしろかったのが、このダンナ様からの
日本人の奥さんの仕事に関するアドバイス。

FBIでの経験を元に語られているそのアドバイスは、
lifehack的なことではなく、人間の深層心理を
突いたものであることが多い。

なぜ、生活感の漂う人間に仕事を頼みたくないかわかるかい?
それは精神的にゆとりがないと判断され、すでにその人の能力が
限界まで使われていることが分かるからだ。(p125)

ビジネスのスキンシップのコツはスピードだと言った。
瞬時に、すばやく、短く、さっと触る、軽く叩く。
握手は、素早く手を差し出し、深く強く握り、ぐっと力を込めて
相手の手を確認して話す。ためらいなくやること。(p163)

知っている人にだけ挨拶するな、とも言った。
エレベーターで、ビルの入り口で、隣り合ったりすれ違ったりしたら、
見知らぬ人でも笑顔を向けよ。挨拶は、トレーニングで磨かれるから…(p165)

ということで、おもしろいだけでなく、ためになる。
という一冊で二度おいしい本でした。

流派は違うが、元ドイツ情報局員が明かす心に入り込む技術
共通する部分も感じられた。
特に、ターゲットとのファーストコンタクトから、
信頼関係を築いていくまでの、計算された演出に驚かされた。

どちらの本もオススメです!

田中 ミエ
幻冬舎 2008-12
¥ 1,470

感想メモ:ハーバード白熱日本史教室

★★★★★

タイトルから「ハーバード白熱教室」の二番煎じ?と
想像される方がいるのも自然なことだろう。
しかしその予想は、いい意味で裏切られた。

著者は、1980年生まれの若さでありながら、
ハーバード大学で日本史を教えている、北川智子さん。
その講義は、学生からの絶大な支持を受けているそうだ。

しかし北川さんの大学での専攻は、数学と生命科学。
なんで?どうしてそうなった???

内容は、ハーバードで教鞭を取るに至ったストーリー、
ハーバードで教えている講義の内容、
ハーバードの講義のシステムなど。
北川さんが教える日本史も興味深いし、
本の構成もわかりやすい。

講義の内容については、本書を読んでもらうとして、
私の印象に残ったのは、北川さんの、講義に取り組む姿勢。
そして、人生に対するスタンスのようなもの。

必死すぎて、何をどう教えたかよく覚えていない。
とにかく知っていることをしゃべり、
学生の質問と興味の向く方向へ授業をもっていった。
楽しむことに徹した。(p41)
楽しむことを忘れたくなかった。
笑う余裕も忘れたくなかった。
このクラスのオリジナリティーは、
私という人間の面白さにあると信じて教室の演壇に立った。
その自信だけは絶対に失ってはいけないと、いつも誓った。(p50)

ハーバードで、世界一賢い学生たちに対して講義をするということは、
相当プレッシャーがかかることと予想される。
しかしそこに、悲壮感はない。
教えることの意義、使命感を、常に第一に置いているからなのだろう。

私は、日本という国が、世界に誇る文化や慣習を持つ、
素晴らしい国だと信じている。
しかし、経済の状況や中国の台頭などから、
世界の日本への注目度は下がってきている。

しかしそれは日本の価値が下がっているというよりも
プレゼンテーションの問題であり、
世界に貢献できる日本の価値はいっぱいある。

そんな中、ハーバードという世界の頭脳が集まる場所で
これだけの評価を受けつつ日本について教えるということは、
ものすごく価値がある。
これはもう、国としてバックアップすべきじゃないかしら?

予想以上にすばらしい本でした。オススメです。


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感想メモ:プーチン 最後の聖戦

★★★★☆

プーチンがロシアの大統領に返り咲き、
また4年(8年?)プーチンの世界に対する影響力は
大きいままだろう。

ロシア情報といえば、ボロボロになった覇権国家
隷属国家 日本の岐路の著者であり、
ロシア政治経済ジャーナル発行の北野氏。

この本を読めば、プーチンという人間のことがわかり、
ロシアの政治の流れがわかり、
これまで、そして今後の国際情勢についても
理解が深まるだろう。

雑感は以下の通り。
・KGB強い
・インフレ2600%とか厳しすぎる
・資源国うらやましい
・日本はリーダーが変わりすぎるのは良くない

ということで、情報としての質はすばらしい。
ただ、私には後半ちょっと読みにくかったです。
オススメ度は★4つです。


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感想メモ:アジアの子どもたちに学ぶ30のお話

アジアの子どもたちに学ぶ30のお話
アジアの子どもたちに学ぶ30のお話
  • 著者: 池間哲郎
  • 発売元: リサージュ出版
  • 価格: ¥ 1,260
  • 発売日: 2008/10/10

★★★★☆

フィリピンのゴミ捨て場に暮らす少女は、
「私の夢は大人になるまで生きることです」
と語りました。カンボジアの少年は
「一回で良いから、お腹いっぱいご飯を食べてみたい」
と言いました。モンゴルの少年は
「僕が一番ほしいのはお母さんてます。
一度でよいからお母さんに抱かれてみたい」
と泣いていました。

風邪であっけなく失われてまう命。
マイナス30度の寒さをしのぐため、
汚水だらけのマンホールの中で暮らす子供たち。
ゴミ捨て場で傷だらけになりながら働く3歳の子供。

明日命を失うという心配をすることもなく
生きていける環境にあるということは、
日頃意識に上ることもない。

そんなときこそ、この本を読むといい。
生きてるだけでありがたい。
そう思い出させてくれる。

私が最も訴えたいのは、
「真剣に生きよう!」
という事です。

「真剣に生きる」
というフレーズが強く心に残った本でした。
オススメ度は★4つです。

アジアの子どもたちに学ぶ30のお話
アジアの子どもたちに学ぶ30のお話
  • 著者: 池間哲郎
  • 発売元: リサージュ出版
  • 価格: ¥ 1,260
  • 発売日: 2008/10/10

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感想メモ:黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 究極の資産運用編

黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 究極の資産運用編
黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 究極の資産運用編
  • 発売元: ダイヤモンド社
  • 価格: ¥ 1,995
  • 発売日: 2008/07/26

★★★★☆

日本経済は震災のダメージは避けられず、
投資は海外の方がいいのかな~、
などと考えている人もいるのでは。

この本は、そういったこれから海外投資を考えている人を対象に、
海外に口座を作るメリットデメリット、
ETFを中心にしたポートフォリオの組み方など、
実践的な情報が満載。

知識として勉強するもよし、
実際に一歩踏み出してみるもよし。
黄金の扉が開けるのかもしれないし、
開けないかもしれない。

為替リスクに対して中立でいたいのであれば、
この通過バスケットが理想的なポートフォリオになるでしょう。
ETFとはExchanged Traded Fundsの略で、
株式市場に上場された投資信託のことです。
ADRはAmerican Depositary Receiptsの略で、「米国預託証券」のことです。
ADRは海外(アメリカ以外)
株式をアメリカ人投資家がドル建てで取引できるようにした仕組みで、
バンクオブニューヨークなどの信託銀行が現物株式を預託し、
それを担保に証券(Receipt)を発行します。
GDRはGlobal Depositary Receiptsの略で、
ADR以外の世界の預託証券を総称しますが、
その多くはロンドン市場に上場されています。
REIT(上場不動産信託)はReal Estate Investment Trustsの略で、
不動産から得られるキャッシュフロー(賃料)を証券化し、
株式市場に上場したものです。

略語って正式名称知らないよね。

まぁ、やってみるのが一番の勉強。
転ぶときは、なるべく痛い思いをしないように
転びたいものですな。

オススメ度は、★4つです。
投資に興味がある人には特にオススメ。
ちなみに、著者グループである「海外投資を楽しむ会」はこちら。
AIC:海外投資を楽しむ会

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感想メモ:鷲の人、龍の人、桜の人 米中日のビジネス行動原理

鷲の人、龍の人、桜の人 米中日のビジネス行動原理 (集英社新書)
鷲の人、龍の人、桜の人 米中日のビジネス行動原理 (集英社新書)
  • 発売元: 集英社
  • 価格: ¥ 714
  • 発売日: 2007/02/16

★★★★☆

日本の中で生きているだけでも、
アメリカ、中国に関するニュースは日々入ってくる。

その中で、彼らの行動原理は何なのか?
ということについてわかっているといないのとでは、
理解も随分と変わってくる。
日本人の感覚としてはありえないことでも、
彼らの感覚からすると当たり前だったりするからだ。

もちろんアメリカ人や中国人にも個体差はあるのだが、
そこにはある程度目をつぶって、理解しやすいように
タイプ化されている。
わかりやすく読めるだろう。

いくつかその例を挙げてみる。

アメリカ人は「わける人」
日本人は「合わせる人」
中国人は「はしょる人」
  • アメリカ人:基準(スタンダード)を自由に決めて守らせる
  • 中国人:一対一の関係で仲間(圏子)をつくる
  • 日本人:働く「場」のいうことをきく

これらを踏まえた上で、和風の良いところを磨きつつ、
中国やアメリカの良いところを取り入れてミックスするのが
今後日本人が世界で活躍していく道だろう、という結論は頷ける。

オススメ度は★4つ。良い本でした。

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