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感想メモ:生きている意味

★★★☆☆

タイトルからは、「生きている意味」を問う、
哲学的な本なのかという印象を受ける。

しかしどちらかというと、サブタイトルの
「老年期の空白はこう埋める」
の方が、内容をよく表しているように思える。

人生を10年単位というスパンで考えたときに、
いつ頃に、何を準備する必要があるのか。
そういった内容について、邱永漢氏が書いたコラムを
まとめたもの。

豊かな社会になればなるほど、
人はお金に執着するが、その半面、
生きがいのほうがお金よりもさらに重視
されるようになる(p41)

別途収入として考えられるのは、
(一)不動産賃貸による家賃収入、
(ニ)株式からの配当金、(三)預金、債券の金利、
(四)株式の売買益、(五)アルバイトによる副収入、
(六)講演料、その他雑収入、といったところ(p44)

仕事が面白いか、面白くないかは、
それにかけた時間を短く感じたか、それとも長く感じたか、
によって測定することができる(p53)

退職後の人生設計など、
読んでみてなるほどなぁと思った。
読み終わって驚いたのだが、出版が1992年。
10年どころじゃなくて20年前!

株価や地価、為替レートといった数字は違うものの、
大まかな部分は違和感なし。
さすが、邱永漢氏…

感想メモ:竹田和平の強運道

★★★★☆

日本一の個人投資家と言われる竹田和平氏。

戦後の焼け野原から数々の事業を興し、
投資を続け、日本一に到達したという、
その実績を支えてきた信念は、
どのようなものなのだろうか?

人を許すと思うのではなく、
むしろ、自分を許す。(p185)

とくにむずかしいことを考えなくても、
わくわくさえしていれば、
ちゃんと自分の目標は見えてきます。(p185)

自分を犠牲にして他人に尽くすこととは違います。
自分のできる範囲で、思いやりを与えてあげればいい。
まずはそこからです。(p201)

自分の体調や限界をよく知ったうえで、ビジネスに臨むー
健康だと、つい見落としがちになりますが、
経営者の責任をまっとうするうえで、
これほど大切なことはないのかもしれません。(p61)

顧客のことを考えるのはもちろんだが、
その前に、自らの動機の部分から見つめ直し、
自分を整える、ということを重視しているように感じた。

さすがだなぁ、と思わされる部分が多かった。
色々な分野の、達人の頭の中を知ることができる。

本はありがたいなぁ。

感想メモ:前代未聞!?不動産投資を「30万円以下」で始めて小金持ちになろう!

★★★☆☆

地方の中古物件を、初期投資をできるだけ抑えて取得する。
リフォームもできる限り自分で手配することで、
一般的な発注よりもかなり価格を抑える。

確かにここで書かれていることを実行できれば、
リスクをかなり抑えて不動産投資ができるだろう。

ただ、かなりの知識と行動力がある人でないと、
このモデルでやり切るのは厳しいように思われた。
自分がやれと言われても、ちょっと自信ないです。

逆に言えば、ある程度の知識と経験がある人であれば、
有効なのではないかと思われる。
素人なのでわかりませんが。

オススメ度は★3つです。
不動産投資をしている/考えている人であれば、★+1です。


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感想メモ:黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 究極の資産運用編

黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 究極の資産運用編
黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 究極の資産運用編
  • 発売元: ダイヤモンド社
  • 価格: ¥ 1,995
  • 発売日: 2008/07/26

★★★★☆

日本経済は震災のダメージは避けられず、
投資は海外の方がいいのかな~、
などと考えている人もいるのでは。

この本は、そういったこれから海外投資を考えている人を対象に、
海外に口座を作るメリットデメリット、
ETFを中心にしたポートフォリオの組み方など、
実践的な情報が満載。

知識として勉強するもよし、
実際に一歩踏み出してみるもよし。
黄金の扉が開けるのかもしれないし、
開けないかもしれない。

為替リスクに対して中立でいたいのであれば、
この通過バスケットが理想的なポートフォリオになるでしょう。
ETFとはExchanged Traded Fundsの略で、
株式市場に上場された投資信託のことです。
ADRはAmerican Depositary Receiptsの略で、「米国預託証券」のことです。
ADRは海外(アメリカ以外)
株式をアメリカ人投資家がドル建てで取引できるようにした仕組みで、
バンクオブニューヨークなどの信託銀行が現物株式を預託し、
それを担保に証券(Receipt)を発行します。
GDRはGlobal Depositary Receiptsの略で、
ADR以外の世界の預託証券を総称しますが、
その多くはロンドン市場に上場されています。
REIT(上場不動産信託)はReal Estate Investment Trustsの略で、
不動産から得られるキャッシュフロー(賃料)を証券化し、
株式市場に上場したものです。

略語って正式名称知らないよね。

まぁ、やってみるのが一番の勉強。
転ぶときは、なるべく痛い思いをしないように
転びたいものですな。

オススメ度は、★4つです。
投資に興味がある人には特にオススメ。
ちなみに、著者グループである「海外投資を楽しむ会」はこちら。
AIC:海外投資を楽しむ会

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感想メモ:デューデリジェンスのプロが教える 企業分析力養成講座

デューデリジェンスのプロが教える 企業分析力養成講座
デューデリジェンスのプロが教える 企業分析力養成講座
  • 発売元: 日本実業出版社
  • 価格: ¥ 1,890
  • 発売日: 2008/10/09

★★★☆☆

デューデリジェンス(企業精査)と、バリュエーション(企業価値評価)からなる。
9つの視点とは、以下のもの。

社会動向、マクロ経済、資本市場
市場構造、収益構造(P/L)、資本価値(B/S)
競争構造、事業構造、資本政策

覚え切れなさそうだが、それぞれの視点について1社ずつ、
計9社の分析が紹介されている。
まぁ、それでも覚え切れない気がするが。

また、その分析の間にキャッシュフローやB/S、P/Lなどの
見方についても書かれているので、勉強したことがある人は
復習がてら、ない人も知識として読める。

P/Lの順序が分配を受ける順番を表している

仕入れ先、従業員、債権者、税金、役員、株主、ということ。
また、プロは、P/L、B/Sではなくキャッシュフローを重視するそうだ。

多くの人は、財務分析というと、P/Lを見て、次にB/Sを見て、
時間があまったらC/Fを見る、という感じではないか。
ところが企業分析のプロは全く逆の順序で分析する。

つまり企業にとって大事なのは、
利益と資産のバランスであり、
少ない資産でたくさん利益を出している企業が、
結果としてたくさんのキャッシュを稼ぐことになるのだ。

このように、企業の栄枯盛衰をキャッシュフローマトリクスで見ると、
右下の投資期から始まって、ぐるっと反時計回りに進み、
左下よ破綻期で終わるということになるのである。

利益は会計というルールに基づいた評価で、
キャッシュフローは事実だということらしい。

というように、知っている起業に対する
プロによる分析のやり方を見るのはおもしろい。
勉強になりました。オススメ度は★3つです。

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感想メモ:お金持ちになれる人

お金持ちになれる人 (ちくまプリマー新書)
お金持ちになれる人 (ちくまプリマー新書)
  • 発売元: 筑摩書房
  • 価格: ¥ 756
  • 発売日: 2005/07

★★★☆☆

著者は、400冊以上の著作を持ち、お金に関する本も多い邱永漢氏。
どういう人がお金持ちになるのか?
お金を増やすにはどういう方法があるのか?
と言った内容。

「貯蓄十両、儲け百両、見切り千両、無欲万両」

起業家である著者だけに甘い言葉はなく、
実用という視点からの内容が多い。
また、株式投資や不動産投資についての説明は
簡潔でわかりやすい。

不動産というように、土地だけは動かすことのできない位置にあるので、
「一にロケーション、二にロケーション、三にロケーション」と
考えてきたからです。
一つの銘柄を買う時に一ぺんに買ってしまわないで、
二回か三回に分けて仕入れをします。
売る場合にも同じことが言えます。
すぐに私は、成長株かどうかを決める基準は
何かということに気がつきました。
第一は時の流れであり、第二は業種であり、第三は社長の器です。
「株の儲けは知恵が一〇%で、あとは全てガマン料である」

日本は、お金についての教育が
全くといっていいほどなされていない。
それどころか、お金はいやしいもので、
ガツガツするのはみっともない、
お金持ちはケチで薄情、といった固定観念がある。

しかしお金はあった方がいいのは確かだし、
なくなると困るののも確かなので、
知識を持っておいた方がいいのはまちがいない。
ということでオススメ度は★3つです。

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感想メモ:ロバート・アレンの実践億万長者入門

ロバート・アレンの実践億万長者入門 ― 生涯続く無限の富を得る方法
ロバート・アレンの実践億万長者入門 ― 生涯続く無限の富を得る方法
  • 発売元: フォレスト出版
  • 価格: ¥ 1,890
  • 発売日: 2002/02

★★★★☆

あなたも億万長者に?

 日頃あまり教えてもらえない、お金についての知識を学べる本。

 前半はマネースキルの紹介。
例えば、レシートを管理して支出をしっかり管理するとか、
衝動買いしないコツとか、結構細かい話が多い。

 お金は勝手に貯まるということはほとんど期待できない。
「金持ちほどケチ」という通り、支出のコントロールなど、
細かい努力の積み重ねなくして億万長者にはなれないのだろうと理解した。

 後半は稼ぎ方の紹介。主に、株、不動産、ネットビジネス。
当然ながら金融危機を想定していない話なので、
前者2つについては、ダメージを受けた人も多いだろう。

 ちなみに神田昌典氏監訳。彼はこの9〜11章を実行したところ、
とても収入が増えたと語っている。
ちなみに9〜11章はネットビジネスのところ。
この本のポイントはここかもしれない。

 日頃あまり真剣に考えていないので、身が引き締まる思いがした。
2002年の本なので、現在の状況にアップデートされた本があったら読んでみたい。
★4つ。

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感想メモ:まぐれ—投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか

まぐれ—投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか
まぐれ—投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか
  • 発売元: ダイヤモンド社
  • 価格: ¥ 2,100
  • 発売日: 2008/02/01

★★★★☆

 人間はランダム性を正しく認識できないということを、投資を舞台に語っている本。「行動経済学入門」と重なる部分が多いが、「投資家のほとんどの成功は運による要素が多いが、実力と勘違いしている場合が多い」と容赦ない。

 著者によれば、ある状況で高いパフォーマンスを出す投資家は、状況に過剰適応している可能性が高く、大暴落などの状況では、全てを吹き飛ばすような大損をすることになる。日頃は高いリターンを得られないが、堅実な運用をしている人の方が長い目で見れば大きなリターンを得る(ロバストネスのトレードオフ)。果たして、投資の世界には前者のような人たちがほとんどだったということが、今回の金融危機で証明されたことになる。

 著者はというと、ロングのオプションしか取らないという変わったスタンスである。彼のアドバイスに従った投資家は、今回の金融危機でも非常に高いパフォーマンスを上げたということで注目を浴びた。
「ブラックスワン」の助言、プラス50%超の運用成績生む−大暴落でも – Bloomberg.com

 難点は、読みにくいこと。「目次で内容がわかるような本は嫌いだ」と語る通り、目次を見ても内容がわからない。意図的なのだろう。

 投資に興味がある人には★5つ。ない人には★3つ。「The Black Swan」という続編あり。

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