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感想メモ:奇跡の経営 一週間毎日が週末発想のススメ

リカルド・セムラー
総合法令出版 2006-01-24
¥ 1,890

★★★★☆

衝撃的な本だった。

管理は人のモチベーションを下げる。
自主性、主体性こそが最大のパフォーマンスを発揮する鍵である、
という理屈はわかっていた。

しかしそれは理屈上の話であって、
小さい組織では実現できても、
数千人規模の組織では難しいだろうと思っていた。

しかし、グループ社員数千人、
年商数億ドルという単位で、
そういった経営が既に実現していたとは!

しかも、その会社はブラジルにある。
ラテン系で、日本人よりもはるかに
自分の欲求に忠実な民族というイメージ。

ならば、異常な真面目さと勤勉さを誇る日本でも、
できるはずじゃないか!

大切な週末を、仕事に侵食されるのとはまったく逆で、
貴重な遊びの時間やプライベートな時間、家族との時間を、
平日の仕事の時間に持ち込むのです。
それをわたしは「一週間毎日が週末発想」と呼んでいます。(p13)
仕事に対して抱いている従来のイメージ
「単純な繰り返し作業、退屈、激務」を、
「仕事=心から楽しく、幸せと自由なもの」に
代えるだけのこと。(p16)
  • 組織階層がなく、公式の組織図が存在しません
  • ビジネスプランもなければ企業戦略、短期計画、長期計画といったものもありません。
  • 会社のゴールやミッションステートメント(企業理念)、長期予算がありません
    (中略)
  • 人事部がありません
  • キャリアプラン、職務記述書、雇用契約書がありません
  • 誰もレポートや経費の承認をする人はいません
  • 作業員を監視・監督していません
自分が「やりたい」という意欲が持てない仕事は、
はじめからするものではない!(p92)
「コントロール」は、学習する人の興味を奪ってしまう。(p150)
「直観」、「幸運」、「失敗」、「セレンディピティー」
これらの四つは、ビジネス上最も大切なコンセプトです。
しかしながら、ほとんどの会社では、
「コントロール」という壁が障害となり、
これら四つとかけ離れた経営をしています。(p339)

コントロールしない。
責任をもった大人として扱う。

それが、自発的な組織作りの鍵であると読んだ。

とてもおもしろかった!

リカルド・セムラー
総合法令出版 2006-01-24
¥ 1,890


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感想メモ:世界一の庭師の仕事術

★★★★★

その世界ではトップの大会である、
英国の国際ガーデニングショーである
「チェルシー・フラワーショー」で、
3年連続世界一の快挙を成し遂げた、著者の石原氏。

そのキャリアは、実は路上販売の花屋から始まっている。
そこから長崎一の花屋に成長し、東京へも進出し、
何億もの負債を抱えて撤退。

その状態で借金を返しつつも、
出場だけで何千万もかかるというという、
チェルシー・フラワーショーに初出場…

もう、まさに波乱万丈。
その半生を読むだけでも、引き込まれる。

本の最後1/3は、経営者としての心構えや
今後のビジョンについて書かれているのだが、
これがまたすばらしい。

ぼくの残りの人生をすべて賭けて、
花と緑での町おこしに取り組んでいきたい。
やっと本当の意味でのぼくの仕事が見つかったと、
五一歳にして思っています。

これが、全力で走り、走り、走り続け、
「たどり着いた場所」なのだろうか。

以下、メモした部分。

すべては自分からノックすることです。

会いたい人に会うことによって、
その人の話が聞けるだけでも、世界が変わります。
一日のなかに、小さなご褒美を入れながら、
プラス発想で毎日を過ごす。
今日一日をプラスにしていく練習をするのです。

正直ここまでおもしろい本だとは期待しておらず、
いい意味で裏切られました。ありがたいことです。
オススメ度は★5つです。

石原氏、チェルシー・フラワーショー2012でも
ゴールドメダルを取っているようです!すごい!
Satoyama Life at RHS Chelsea Flower Show 2012 / RHS Gardening


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感想メモ:史上最高のセミナー

マイク・リットマン,ジェイソン・オーマン,ジム・ローン,マーク・ビクター・ハンセン,ジェイ・コンラッド・レビンソン,ジャック・キャンフィールド,ロバート・アレン,シャロン・レクター,マイケル・ガーバー,河本 隆行
きこ書房 2006-10-07
¥ 1,890

★★★★☆

ジム・ローン、ロバート・アレン、マイケル・ガーバー、
そうそうたる面々が、ラジオ番組に出演し、
その成功の秘訣などについてインタビューを受けた内容を
本に再現したもの。

おもしろいのは、分野もやり方も異なる人たちから、
ビジネスに対して異なる内容を語るのだが、
根本的な心構えなどについては、
共通する言葉が発せられるところ。

彼らのいずれにも、
ナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」は評価が高く、
いわゆるマスターマインドは必須と言う人が多い。
実現したいことは紙に書く、視覚化するという人も多かった。

以下、メモした部分のまとめ。
メモが多いのは良い本である証。

アイデア自体を愛していなければ、
維持し続けることはできないだろう。
だから、情熱を持てるアイデアでなくてはいけない。(p127)

・実行について

視覚化は計画立案にとって欠くことのできない要素なんだ。

自分が、実際に何らかの行動を実行しているところをみることだ。(p140)
何かを実際に行動に移すためには、
まずそれを書面に書き表すことだ。(p390)
人生とは一つのことを連鎖的に学ぶことであり、
それを実行するための唯一の方法が
自分自身で学ぶことなんだよ。(p383)

・リスクについて

自尊心のレベルを高く持つことだ。
そうすれば、進んでリスクを冒すことが
できるからだよ。

自尊心は拒絶を乗り越えるための自信をくれるんだよ。(p154)
わたしたちはリスクを冒さなければならない。

いつもしていることをし続ければ、
いつも得ているものしか手に入らない
ということなんだよ。(p158)

・マーケティングについて

真のマーケティングとは、
顧客が望むものが何であれ、
その実現に手を貸すための機会なんだよ。(p380)

やはり一流の人の話を聞くのは(読むのは)おもしろい。
個人的にはロバート・アレンの話が興味深かった。
名前を知らなかったけれども、おもしろそうな人もいたので、
その人の本も読んでみようかな。
オススメ度は★4つです。良い本でした。

マイク・リットマン,ジェイソン・オーマン,ジム・ローン,マーク・ビクター・ハンセン,ジェイ・コンラッド・レビンソン,ジャック・キャンフィールド,ロバート・アレン,シャロン・レクター,マイケル・ガーバー,河本 隆行
きこ書房 2006-10-07
¥ 1,890


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感想メモ:インナーワーク

★★★★★

自分が持つ能力を十分に発揮し、夢中になって働く。
そんな「ワークフリー」の状態を実現するためには?

  • あなたはなぜ働くのだろうか?
  • どんな風に働きたいのだろうか?
  • 自分の人生のハンドルは、自分で握っているか…?

日頃考えない、というより
考えないようにしている質問に、
向き合わざるを得ない。

「セルフ1」と「セルフ2」

「インナー」シリーズの話のベースとなるのがこの考え方。
以前の著作である「インナーゲーム」は、
テニスコーチとしての気付きから、
「セルフ1」と「セルフ2」という考え方を提唱している。

簡単に言うと、
「コーチが生徒に技術を教える」
という一般的なやり方ではなく、
「生徒に質問し、気付かせ、能力を引き出す」
というスタイルの方が、高い成果が得られた
のだ。

詳細はこちらを参照のこと。
感想メモ:インナーゲーム

この考え方は、スポーツだけでなく仕事にも適用できる。
他人に対しても、自分自身に対しても。
というのがこの本の内容だ。

興味深い話が多かった。
以下、引用ばかりになってしまうが、
面白かったフレームワーク的なものを紹介していく。


ACTトライアングル(知覚、選択、信頼)

1. 知覚する(Awareness)
良い/悪いの判断を交えない
「悪いところを直そう」とするのではなく、
あることに気をつけてみるだけ。
例えば、1~10の10段階評価をしてみる。
直そうとしなくても、知覚するだけでも結果が改善する!

2. 生徒に習得の選択権を残す(Choice)
生徒が、答えを与えられるのではなく、
学習と変化の主導権は自分が握っている、という自覚。

3. セルフ2を信じる(Trust)
持って生まれた能力を信じる。
ものごとを習得する際の主役は
コーチではなく生徒本人の内側の能力。

質の高い集中をするために

熱中し、時間も忘れて没頭するような集中状態。
子供の頃はしばしばそうなっていた記憶があるが、
大人になると少なくなっているような気がする。
あの集中力を取り戻すにはどうすればいい?

  • セルフ1の声には耳を貸さず、黙っていてもらう
  • セルフ1の気をそらす
  • 強制しない。集中は興味から生まれる
  • 評価や批評をしない
  • 必要十分な安全性(安心感)と必要十分なチャレンジ性(困難さ)

PLEトライアングル

  • Performance 能力発揮
  • Learning 学習
  • Enjoyment 歓喜

これらは対立するものではなく、
相互依存の関係にあるという。
そして、仕事に対して両立させるべきだと。

しかし残念ながら、業務において
従業員の歓喜を求める企業は多くない。

働くとは、自分の本質であるセルフ2の欲求のままに
「能力を発揮し」「学習し」「歓びを体験する」
ことだと再定義できれば、ワーク・フリーへ大きなステップになる。
その瞬間その瞬間に歓びを感じることが私のプライオリティだ。

楽しんで仕事したときほど結果も良いし、
周囲に対する貢献度も高い。
この「利己的」は、個人と会社両方の「利」のためなのだ。
仕事での歓びの質を高めるための第一段階は、
ただ単にその現状に目を向けることで十分だ。

楽しい方が良い仕事ができる。
きっとその通りだ。
それを測る方法が、エンジョイチャート

仕事中の心の状態  各状態の時間の比率(%)を記録してみる。
歓喜(8~10)
中間(4~7)
悲惨(1~3)

あれ・・・?歓喜がない・・・

動く能力モビリティ

1.自分にモビリティを認めよう。モビリティは誰もがすでに持っている
2.自分がどこに行きたいのか、最も明確な絵を描こう
3.自分の変化の中で変化する意欲を持とう
4.自分の目的をクリアに保とう
5.自分の動きと方向をシンクロさせよう

動く自由。
誰も束縛していないにも関わらず、
動く前からあきらめてはいるのはなぜだろうか?
あるいは、動けるという可能性について、
考えることすらないのはなぜだろうか?

インナーワークの第一のステップは、
自分が運転する車は「動く」ことが
できるのだと認識することだ。
2番目のステップは、その車は
「自分の車」であることを理解することだ。

可能性を閉じているのは自分自身だと
気付く事なのだろう。

STOPツール

  • STEP BACK
  • THINK
  • ORGANIZE YOUR THOUGHTS, AND
  • PROCEED

目的地を決めずに走り始めるのは、
汗はかけるが目的地に近づけたかはわからない。

例え数秒でも、何かを始める前にショートSTOPを取り、
それが本当にやるべきことかを考える。
これだけでも効果がある。

コーチング

・「入れ替わり」の技術
生徒の立場に立って考える。
生徒が「考えること、感じること、望むこと」を想像してみる。

だいたい、欠点を指摘されることは望んでおらず、
コーチが言ったことを上手くできるようにしてしまう。
その緊張がパフォーマンスを阻害しているとしたら?

・3つの対話
知覚のための対話:オープンな知覚ができるように
選択のための対話:義務よりも主体性を持てるように
信頼のための対話:内側の障害を取り除けるように

ハンドルを握るのは本人。コーチは助手席。

・コントロール

今コントロールしているのは何か
今までコントロールしようとしていたのは何か
コントロールしなかったものの内で、今後できるものは何か

・フィードバック
査定ではない。事実がどうなったかを質問するだけ。

「教える」とは知識を伝えることで、
長い時間を必要とします。
コーチングはそうした足し算ではなく、むしろ引き算です。
目標に向かう際に必要となるものを除去する作業です。

全く知らずに読んだのだが、
このガウェインのインナーゲームの考え方が、
コーチングの源流である
ようだ!

インナーゲーム – Wikipedia
現代の倫理道徳 Q&A<2002-44>

コーチングの技術を表面的に知るだけでも意味はあるだろうが、
その技術がどういった背景から生まれてきたのか、
セルフ1とセルフ2の考え方を知っておくだけでも、
理解の深さが全く異なるはずだ。


久々に、かなり時間をかけてじっくりと読んだ本だった。
最初はとっつきにくいかもしれないが、
読み進めるに連れて、どんどんおもしろくなってくる、
深い本でした。

「働く」ということについての様々な気付きを
数多く与えてくれる本でした。
オススメ度は★5つです!


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感想メモ:人材は「不良社員」からさがせ

人材は「不良社員」からさがせ -奇跡を生む「燃える集団」の秘密 (講談社プラスアルファ文庫)
人材は「不良社員」からさがせ -奇跡を生む「燃える集団」の秘密 (講談社プラスアルファ文庫)
  • 著者: 天外 伺朗
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 700
  • 発売日: 2011/10/21

★★★☆☆

1.チームメンバーの能力が突然飛躍的に向上し、
スーパーマンに変身する。
2.アイディアな湯水のように湧いてくる。
3.どんなに困難な状況に遭遇しても、
怯むことなく果敢に挑戦し、正面から突破するか、
わき道を見つけて解決してしまう。
4.どうしても必要な人に、絶妙なタイミングでめぐり合うなど、
「運」を味方につけてしまう。

こういう状態を文中では「燃える集団」と名付けている。

そんな組織になればいいよなぁ〜、と思う。
一方、こういった「燃える組織」の対局にあるのが、大企業病
確かに、管理の色彩が強まった組織では、
燃える集団には成りえない感じはする。

それには、メンバーが外的報酬ではなく、
内的報酬に基づいて動いていることが必要条件で、
管理されてトップダウンで落ちてくる仕事を、
内的報酬としてやれる人は多くないだろうからだ。

大企業病の根本原因が、社員が身の保身を考え、
上ばかり見て仕事をしてしまうからだ、
と思い当たったからだ。

著者は元ソニーの天外氏。
元気があったころのソニーでの体験から、
技術開発部門が大企業病になったら、
成果なんて出るわけがないでしょ、
というのが主張と読まれた。

そして大企業病になると、管理の色合いが強まり、
そんな状態ではイキのいい人材はグレる
(「不良社員」になる)か、
いなくなるかになってしまう、とのこと。

本書は元々1988年に出版された本だそうだが、
特に古さは感じられない。
組織とか人を活かすかという内容が、
最新技術で解決できるようなものではないからだろう。
オススメ度は★3つです。

人材は「不良社員」からさがせ -奇跡を生む「燃える集団」の秘密 (講談社プラスアルファ文庫)
人材は「不良社員」からさがせ -奇跡を生む「燃える集団」の秘密 (講談社プラスアルファ文庫)
  • 著者: 天外 伺朗
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 700
  • 発売日: 2011/10/21

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感想メモ:母さんのコロッケ

母さんのコロッケ ~懸命に命をつなぐ、ひとつの家族の物語~
母さんのコロッケ ~懸命に命をつなぐ、ひとつの家族の物語~
  • 著者: 喜多川 泰
  • 発売元: 大和書房
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2011/09/09

★★★★★

日頃は目の前のことに追われて、
「自分は何者なのか」
なんてことを意識することはない。

だからといって、それが望ましいのかと言えば、
そんなことはなく、むしろ望ましくないだろう。

自分は何者なのか?
何のために生きているのか?
何をしたいのか?

そんなことを、家族をさかのぼり、
自分のルーツを確認することで考え直す、
よいきっかけを与えてくれる。

どの世代が読んでも楽しめるとは思うが、
最も響くのは、子どもがいるが、まだ小さい、
という三十台前後の世代だろう。

タイトルからは、
泣きながらコロッケを食べたらしょっぱかった、
みたいなシーンが出てきそうだが、
そんなことはないので安心して欲しい。
って心配してないか。
ともあれ、オススメ度は★5つです。

喜多川さんの★5つ率はすごいですなぁ。
喜多川さんの本が未読の人は、
下の「関連」を参考に、
ぜひとも他の本を読んでみることをオススメします。

母さんのコロッケ ~懸命に命をつなぐ、ひとつの家族の物語~
母さんのコロッケ ~懸命に命をつなぐ、ひとつの家族の物語~
  • 著者: 喜多川 泰
  • 発売元: 大和書房
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2011/09/09

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感想メモ:パンツを脱ぐ勇気

パンツを脱ぐ勇気
パンツを脱ぐ勇気
  • 著者: 児玉教仁
  • 発売元: ダイヤモンド社
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2011/07/23

★★★★☆

熱い熱いハーバード留学記

何かに、全身全霊をかけて燃えるように取り組む。
という体験は、人生においてそれほど多くない。
もしそういう体験から遠ざかっているなぁ、
と思うのであれば、この本はオススメだ。

内容は、著者のハーバードMBA在学時代のエピソード。
ハーバードMBAというと、お金持ちのエリートが、
ビジネスについてスマートに議論している、
というような印象がある。

しかし著者のハーバード体験記は、もっと熱く、泥臭い
もちろん勉強に明け暮れる日常ではなく、
そういう部分を取り出しているからなのだろうが、
それでもすごい。

そして、文章はかなり濃い。
が、その文章も、熱気を引き立たせる、
良い味付けになっている印象だ。

ハーバードの学生を日本へ案内する
「ジャパントリップ」の内容や、
料理の素人なのに、バッファローウイングの
調理コンテストに挑戦する所など、
よくやるなぁ、と感心させられる。

この熱さ、私が連想したのは、
裸でも生きるの山口絵里子さんだった。
情熱というかなんというか。
なんなんでしょうか。

真剣に生きる、ということについて
考えさせられ、刺激を受ける一冊だった。
オススメ度は★4つです。良い本でした。

パンツを脱ぐ勇気
パンツを脱ぐ勇気
  • 著者: 児玉教仁
  • 発売元: ダイヤモンド社
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2011/07/23

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感想メモ:ブレイン・ルール

ブレイン・ルール [DVD付き]
ブレイン・ルール [DVD付き]
  • 著者: ジョン メディナ
  • 発売元: 日本放送出版協会
  • 価格: ¥ 2,205
  • 発売日: 2009/05

★★★★★

脳科学は、ホットな研究分野だ。
まだまだわかっていないことが多く、それだけに、
色々なことが明らかになってきている真っ最中だ。

この本は、最近のトピックを含め、
脳についての基本的なルールを
12個にまとめている。(ちょっと多い)

人間がマルチタスクが苦手なのは、
脳の仕組みがそうなっているからだ。
根性でどうこうできる話ではない。

なので、タスクの管理はチェックリストに任せ、
作業は一つずつに集中するなどして、
脳の特徴に沿った対策を取った方がいい。

というように、
「知っていると日常生活で活かせる脳科学」
という感じ。
次の目次を読むだけでも、価値があるだろう。

  1. 運動―運動で脳力がアップする
  2. サバイバル―人間の脳も進化をとげた
  3. 配線―脳は人それぞれに配線が異なる
  4. 注意―人は退屈なことには注意を向けない
  5. 短期記憶―繰り返しておぼえる
  6. 長期記憶―おぼえてなお繰り返す
  7. 睡眠―たっぷり眠ればよく考えられる
  8. ストレス―ストレス脳はふだんどおりに学べない
  9. 感覚の統合―より多くの感覚を刺激する
  10. 視覚―視覚はどんな感覚も打ち負かす
  11. ジェンダー―男性と女性の脳はちがう
  12. 探検―人はみな生まれながらのたくましい探検家

また、訳者のコメントに書かれているように、
DVDが内容を良くまとめているので、
そちらを先に見ると良いでしょう。

著者は研究者であって役者ではないそうだが、
とても芸達者で感心した。多芸だなぁ。

DVDで★1つUPして、オススメ度は★5つです。
おもしろかったです!

ブレイン・ルール [DVD付き]
ブレイン・ルール [DVD付き]
  • 著者: ジョン メディナ
  • 発売元: 日本放送出版協会
  • 価格: ¥ 2,205
  • 発売日: 2009/05

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感想メモ:心を鍛える言葉

心を鍛える言葉 (生活人新書)
心を鍛える言葉 (生活人新書)
  • 発売元: 日本放送出版協会
  • 価格: ¥ 714
  • 発売日: 2005/10

★★★★☆

世界のトップが集まるようなスポーツの舞台は、
元々才能に溢れた選手ばかりが集まる場所。
そんな世界なので、勝敗を分けるのに、
メンタルの部分が占める割合は大きい。

本書では、女子バスケットボールの萩原選手の例が紹介されている。
萩原選手と言うと「勝負強いエース」というイメージだが、
著者の白石氏と出会う前は、そんなことはなかったらしい。

勝負強さとは、作れるものなのだろうか?
答えは「Yes」であるようだ。
そのために、メンタルトレーニングとは、何をするのだろうか?

つきつめると、

  • なぜ自分がそのスポーツをしているのか
  • どれだけ多くの人に支えられて、今ここにいるのか

そういった根っこの所までしっかりと考え抜くことで、
感謝で心がいっぱいになっている状態

この精神状態に入れると、心配や不安など、
余計な雑念が入る余地がなくなり、
いわゆる「zone」とか「flow」とかに入りやすくなるようだ。

つきつめれば「高いパフォーマンスを発揮する精神状態」を作るのが
メンタルトレーニングの目的だ。
この恩恵にあずかれるのは、何もスポーツだけに限らない。
人生のあらゆる場面で活用できる、とても使える技術だ。

が、普通に生きていると流されるのが人間の性。
きちんとコーチのような存在についてもらって、
初めて身につくものであるような気がした。

オススメ度は★4つです。
萩原選手のエピソードは臨場感があり、とても興味深かったです。
スポーツをする人も、見るだけの人も、それ以外の人にもオススメです。

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感想メモ:未来は、えらべる!

未来は、えらべる! バシャール 本田健
未来は、えらべる! バシャール 本田健
  • 発売元: ヴォイス
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2010/03/25

★★★★☆

「ワクワクすることをして生きる。」
確かにできればいいけど、そんなこと言われてもねぇ・・・
と感じてしまう我々の疑問を、本田健氏が代表してバシャールに質問している。

ちなみに二人は、16年前に、本田健氏がバシャールの考え方に触れて
衝撃を受けた、という関係なのだそうだ。

「その瞬間その瞬間において、自分の選べる選択肢の中で、
一番ワクワクするものを選んで下さい」と言っているのです。

そして、ワクワクすることを選ぶのには勇気がいるのでは、
という質問に、バシャールは「勇気は要らない」という。

観念を変えるためには、勇気がいるかもしれませんが、
「これが真実だ」とすでに思っていることを行動に移すのに、勇気はいりません。
ですから、「勇気が必要だ」と感じているうちは、その人は、
その行動を起こすのに必要な考え方をまだ信じていない、
ということになります。
勇気は「進んで行動を起こそう」という「気持ち」にはさせてくれます。
しかし、実際に行動を起こす原動力になっているのは、「確信」です。
ただ、このふたつが非常に短い時間に起きるので、本人は
「自分は勇気を奮いたたせて行動した」と感じるかもしれません。

できるとわかっていることをするのに勇気なんか要らないでしょ?
ということらしい。そして、勇気が必要だと感じている時点では、
その行動を起こすべきではないと。
なぜなら、それは自分ができると確信できていないということだから。

起きたこと自体には意味はありません。
「起きたことにどんな意味を持たせるか」によって、
その出来事から受け取るものが決まるのです。

これはその通り。
マイナスに取ろうと思えば、いくらでも取ることができる。
ポジティブについては、以下の本がオススメ。
ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則

集中して、忘れる。これが実現化の方法です。
自動的に、努力することなしに、毎瞬、毎日、こうすればいいのです。

潜在意識の活用の話だと思われる。

バシャール?宇宙人って?
と思ってしまうのはわかるが、宇宙人が言うことはすべてがいかがわしい、
ということでもない。読んでみて、自分の判断でよいと思ったところを
取り入れていけばいいじゃないか、というのが私の感想。

ワクワクを基準に考える、というのは、
我慢を美徳とする日本人は、触れておいて損はない考え方。
オススメ度は★4つです。おもしろかったです。

関連:


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