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感想メモ:天才ハッカー安部響子と五分間の相棒

★★★☆☆

ねずみ小僧的ハッキング集団を描いた、
サイバーミステリーもののライトノベル。

サイバー犯罪をするには、匿名性の確保が第一。
相当周到に準備をしないと、
簡単に個人が特定できてしまうのが、
SNS全盛の現代社会。

うわー、確かにこうされたらこうなるなー、
でもお話でしょ?とか思っていたが、
巻末の用語説明を読んだところ、
現実に起きている内容も
多分に含まれていたという。
恐ろしい・・・

ラノベなので、気軽にさーっと読める。
作者さんは、他にもサイバーミステリーものを
書いているらしい。おもしろかったので、
他のも読んでみようかなと。

ちなみに、天才ハッカーの安部さんのキャラクターは、
なんとなくビブリア古書堂の栞子さんを連想させられた。

感想メモ:One World

喜多川 泰
サンマーク出版 2014-10-22
¥ 1,512

★★★★☆

さわやかな読了感だった。

それぞれの登場人物が作り上げる、
7つのショートストーリー。
一つ一つ長くはないが、
それぞれの人生が変わる、
きっかけとなった出会いを描いている。

人の心に火を灯すのは、
人や言葉との出会い。

偉業を成し遂げた人の話を聞くと、
大きく影響を受けた、運命の出会いが
あったりする。

だからこそ、人に触れ、本を読む。
そういった準備をしていきたいし、
人にそうしたきっかけを与えられるように、
なれるといいなと感じた。

「自分の時間を
誰かの喜びに変えることが、
働くということだよ」

自分にできることを増やしたり
深めたりする努力を続けること。
そして、幸せにできる人の数を
一人でもいいから増やそうと
努力することだ。
それこそがまさに
仕事の醍醐味と言える

自分も知らない間に、
他の人に影響を与えているのかもしれない。

袖触れ合うのも他生の縁。
One World。

さすが喜多川さん、
いつもながらステキな本でした。

喜多川 泰
サンマーク出版 2014-10-22
¥ 1,512

感想メモ:仕事は輝く

犬飼ターボ
飛鳥新社 2014-07-24
¥ 1,300

★★★☆☆

「仕事がつまらん」
社会人なら誰しも、一度や二度は
こう感じたことはあるだろう。

そんな人に、物語形式で、
仕事がつまらないと感じたときの、
仕事への取り組み方のヒントを教えてくれる。

著者は、「成功小説」というジャンルで
執筆を残している、犬飼ターボ氏。
個人的に、犬飼氏の本では、
「オレンジレッスン」が記憶に残っている。

心に残ったのは、以下の部分。

仕事でやりがいを感じながら結果を出すために、
絶対に外せない3点セットがあります。
セルフイメージ、カスタマー、ミッションの3つです。
簡単に言うと「どんな私」が「誰」に対して
「何」をするかという定義です。

「自分は専門家だ」と思うとそれだけで
仕事中の集中力が高まり、
通勤時間などでも自主的に
スキルアップすることが
当然だと思うようになります。

ほとんどの人が、
失敗を自分のせいにして、自らを責め、
それが改善を苦しく難しくさせています。
楽に結果を出している人は自分責めをしません。

本のサイズもコンパクトで、
ページ数も少なく、楽に読める。

確かに、仕事つまんねーとか言ってるときに、
500ページとかある本を読む人は
少ないかものかもしれない。

仕事だるー、という人にオススメです。

犬飼ターボ
飛鳥新社 2014-07-24
¥ 1,300

感想メモ:元ドイツ情報局員が明かす心に入り込む技術

レオ・マルティン
阪急コミュニケーションズ 2012-07-26
¥ 1,680

★★★★★

ここで語られる技術とは、犯罪組織の中にスパイを育成し、
その犯罪組織を壊滅に導くような情報を引き出す技術、
というとても難しそうなもの。

スパイ映画によくあるように、相手組織に潜入し、
相手を拘束して脅したり、というのは
リスクが高い下策なのだそうだ。

ではどうするのか?

相手は、裏切りには極度に厳しい犯罪組織の一員。
相手が自分の判断に基づき、リスクを追ってでも
情報を提供するに値すると思わせる必要がある。

そのための秘訣は、
「短期間で相手と深い信頼関係を築く」
ことなのだそうだ。

この本の目標は、人と知り合い、信頼を築き、
人間関係のレベルでポイントを得るのは、
本当はとてもたやすいことだと知ってもらうことにある。(p39)

用心深い犯罪者を相手に、自ら情報を出させるようなレベルでの
信頼関係を築く?どうやって??

架空のケースを元に、その方法が書かれているが、読んでいて驚いた。
それは、その方法が、ものすごく奇抜だ、ということではなく、
逆に、あまりにも正攻法だったからだ。

例えば、以下のようなことなのだが、
本の題名を読まなければ、自己啓発の本だと言われて疑う人は、
ほとんどいないだろう。

  • 周囲の人たちに対する自分の考え方をチェックする。
  • 相手を値踏みするような態度や低く評価する態度を改める。
  • 相手に対するネガティブな考えを持ち出さない。
  • 調和した人格であるよう心がける。
  • 接する人すべてについて、よい特性を見るようにする。
  • 平静さを保つ。何を個人的に受け止め、何を個人的に受け止めないか(こちらの方が重要)、自分で決定する。
  • 感情となるものの引き金となるものを知ること。
  • 自分の人生でうまくいったことがらに焦点を当てる。
  • 成功日誌をつける。

人は感じとったことの確証を得ようとする傾向を持つ。
先入観と符合することを目にすれば、
それを過大評価して、先入観が正しかったと錯覚する。(p66)

  • 過ちを犯したらすぐ認め、二度と繰り返さない。
  • 謝罪は一度だけ、真心を込めて真剣にする。
  • 自分の行為を正当化しない。
  • 相手の行動を理解するために、相手の立場を受け入れる。(p82)

安心感、愛情、称賛ーこれが、誰もが望む基本的な欲求だ。(p89)

情報員は、あるがままの相手を受け入れる。
また、人とその行動を切り離して考える。
相手が自分の望まない行動を取ったとしても、
相手への好意をなくす必要はない。(p217)

この本に書かれている内容は、人間関係の原理やノウハウを学ぶ、
ということところに留まらない。なぜなら、

「人生の成功の鍵は人の信頼を得ること」(p300)

だからだ。

予想を超えたすばらしい本でした。★5つです!

レオ・マルティン
阪急コミュニケーションズ 2012-07-26
¥ 1,680

感想メモ:天地明察

冲方 丁
角川書店(角川グループパブリッシング) 2009-12-01
¥ 1,890

★★★★☆

「暦」の話だということは知っていたが、
一体その素材でどうおもしろい話になるのか、
想像がつかなかった。

しかし読んでみたところ、期待は良い方に裏切られた。
おもしろかった!

内容は、確かに暦の話。
しかし焦点は、暦を作る人物たちのストーリーであり、
登場人物たちを魅力的に描く作者の力量が優れている、
ということになるのだろう。

関孝和、水戸光圀など、(名前は)よく知られている人物が
描かれているが、どこまで本当なのか?という疑問は残る。
しかし、小説なのだから、味付けしてあるのは当然。
史実は別にあると注意しつつ、楽しむのがよいだろう。

(と思ったら、こんなところがありました。
ここが違うよ『天地明察』:参考文献の著者から(0/前口上) )

冲方丁は、かなり前に「マルドゥック・スクランブル」を読んのだが、
全くタイプが異なっていて、これまた良い意味でビックリ。

今後も期待!

冲方 丁
角川書店(角川グループパブリッシング) 2009-12-01
¥ 1,890

感想メモ:モルフェウスの領域

海堂 尊
角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-12-16
¥ 1,575

★★★★☆

海堂尊氏「チームバチスタ」シリーズの作品。

今回のテーマはコールド・スリープ。
つまり冷凍睡眠。

ストーリーには触れないが、
「読み進めたいけれど読み終わりたくない」
という思いは、おもしろい本だけが与えてくれる
すてきな感情だ。

海堂氏の作品は、絡まり合っているので、
他の作品で、登場人物たちのその後を
知ることができるのかもしれない。

辻褄合わせから始まった話だそうだが、
とてもおもしろかったです。

「ナイチンゲールの沈黙」「医学のたまご」
を読むと、もっと楽しめそう。

著者インタビューはこちら

海堂 尊
角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-12-16
¥ 1,575

感想メモ:社長のテスト

山崎 将志
日本経済新聞出版社 2012-06-23
¥ 1,575

★★★☆☆

車がつっこんで会社が火事に。

商品は?オフィスは?データは?
顧客対応は?資金繰りは大丈夫?

という事件とその後の展開を、
関係する3人それぞれの立場から描いたビジネス小説。

フィクションではあるが、
つい、自分だったらどうするか、
といった投影をしながら読んでしまう。

見えているものが違うと、
そこから下す判断も全く異なる。
恐いのは情報不足だなぁ、などと感じた。

400P弱のボリュームがある本だが、
気がついたら読み終わっていたので、
読み手を引き込む力がある本だった。

山崎 将志
日本経済新聞出版社 2012-06-23
¥ 1,575


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感想メモ:「また、必ず会おう」と誰もが言った。

喜多川 泰
サンマーク出版 2010-11-18
¥ 1,470

★★★★☆

高校生活での夏休み。
熊本から東京へ日帰りで出てきたが、
夕方の帰りの飛行機に乗り遅れてしまった。
財布の中には3000円ほど。
訪ねる知り合いも泊まるあてもない・・・

そんな状況になったら、どうするだろうか。
「なんでオレがこんな目に・・・」と
途方に暮れるだろうか。
それとも「きっと一生忘れられない体験になる!」
と前向きに考えられるだろうか。

主人公の秋月くんも、始めはモロに前者だった。
しかし、人々との出会いが彼を変えていく。
そんなストーリー。

「手紙屋」の喜多川さんらしく、物語に乗せて、
若者へのメッセージが伝えられている。
もちろん、大人にこそ響くメッセージも
あるわけで、我が身を振り返ったり。

オススメ度は★5つです。
とても良い本でした。

喜多川 泰
サンマーク出版 2010-11-18
¥ 1,470

参考:
「「また、必ず会おう」と誰もが言った」喜多川 泰 – 【本ナビ】本のソムリエの一日一冊ビジネス書評


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感想メモ:ブレイズメス1990

海堂 尊
講談社 2010-07-16
¥ 1,680

★★★☆☆

著者はチーム・バチスタの海堂尊氏。
ブラックペアン1988の2年後を描いた続編。
田口センセではなく、世良先生が主人公。
ブラックペアン1988が未読の人は、
そちらを読んでからの方が良いでしょう。

今回のテーマは、個々の技術というよりも、
医療のあり方という大きなものなのかもしれない。
この世良先生シリーズも、今後どう収束していくのか
楽しみになってきた。

いつもながらの安定したクオリティで、
他の作品を楽しめた人にはオススメ。
オススメ度は★3つです。

海堂 尊
講談社 2010-07-16
¥ 1,680


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感想メモ:アリアドネの弾丸

海堂 尊
宝島社 2010-09-10
¥ 1,500

★★★☆☆

「チーム・バチスタ」の続編である螺鈿迷宮の更に続編。
田口センセイと白鳥氏のコンビが活躍する。
今回もキーとなるのはエー・アイ、MRI。
(オートプシー・イメージング:死亡時画像診断)

楽しく読んでいるだけで、MRIについての
基礎的な知識も身についてしまい、一冊で二度おいしい。

螺鈿迷宮を読んだ人は読むと良いと思います。
まだの人は、螺鈿迷宮を先に読んだ方がよいです。
オススメ度は★3つです。

伏線が色々張られていて、まだ続きが出そうです。

海堂 尊
宝島社 2010-09-10
¥ 1,500


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