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感想メモ:「感性」のマーケティング

「感性」のマーケティング 心と行動を読み解き、顧客をつかむ (PHPビジネス新書)
「感性」のマーケティング 心と行動を読み解き、顧客をつかむ (PHPビジネス新書)
  • 発売元: PHP研究所
  • 価格: ¥ 840
  • 発売日: 2006/11/18
  • おすすめ度 4.0

★★★★★

 マーケティングは相手が人であるため、機能や価格だけで売れるかどうかが決まるものではない。人の「感性」を意識して訴えかけていくことで、価格競争だけでは説明できない結果を出すことができる、という本。

 いわゆるマーケティングでは、価格や機能などで競合に対して優位性を出し、セグメント化した顧客に対し広告を打っていく、というような手法をとる。しかしここでは顧客一人一人が人間であり、価格や機能以外のもの(例えば雰囲気や音など)に対しても影響を受ける存在であるという考え方は、あまりなされない。

 しかし顧客はあくまで人間である。人の感性に響くようなモノづくり、サービスを考えることで、価格競争を抜け出すことも可能となる。Appleのuser experience designは良い例だろう。

 ビジネスに関わる全ての人にオススメできる。良著。★5つ。


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感想メモ:ヤバい経済学

ヤバい経済学 [増補改訂版]
ヤバい経済学 [増補改訂版]
  • 発売元: 東洋経済新報社
  • 価格: ¥ 2,100
  • 発売日: 2007/04/27
  • おすすめ度 4.5

★★★★★

 アメリカで170万部販売のベストセラーの増補改訂版。原題は「Freakonomics」。

 「経済学」となっているが、対象がいわゆる「経済学」の範疇に留まっていないことから、経済学に興味がない人にもおもしろく読める内容となっている。

 例えば、相撲の千秋楽での勝率の不自然な偏りや、不動産広告の意味、犯罪率の低下には何が効いているのか、勉強ができる子の親はどんな人で何をしているか、白人と黒人の名前の変化の傾向、子どもにとっての銃とプールの危険性、などなど。読後の生活にも影響を与える本かもしれない。

 原題の「Freakonomics」と「ヤバい」の雰囲気の違いが気になるところだが、良著であることに変わりはない。オススメの★5つ。
 ブログはこちら→Opinion – Freakonomics Blog – NYTimes.com


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感想メモ:アイデアのつくり方

アイデアのつくり方
アイデアのつくり方
  • 発売元: ティビーエス・ブリタニカ
  • 価格: ¥ 816
  • 発売日: 1988/03

★★★★★

 アイデアを作り出すための方法について書かれた、非常に薄い本。全部で100ページくらいで、しかも解説が1/4くらいあるので本編はもっと薄い。実質 60ページくらい。ビックリ。しかし内容的に薄いわけでは全くなく、むしろ無駄がそぎ落とされまくりエッセンスが凝縮された感じだ。「アイデアのヒント」と合わせてオススメ。

 この本のエッセンスの一つは「アイデアは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」という原理。人は、自ら勝手に「これはこれにしか使わない」と制約をつけてしまっている。この制約を外し、いかに異なるものの関連性を見つけ出せるか、ということだろう。

 もう一つのエッセンスは、アイデアを生み出す5つのステップについて。それは

  1. 資料収集
  2. 情報の咀嚼
  3. 寝かせる
  4. アイデアを思いつく
  5. アイデアを鍛える

 の5つ。アイデアの部品となるパーツ(情報)をできる限り集め、考え抜き、あとは一旦忘れて無意識に任せるというもの。

 「アイデアは既存の要素の新しい組み合わせ」とは頭の片隅に留めておいてよいことだと思うし、5つのステップも知っておいて損はない。無意識に新しい組み合わせを思いつく過程には、睡眠中の脳の活動も関わっているのではないかと思った。オススメの★5つ。

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感想メモ:イノベーションのジレンマ—技術革新が巨大企業を滅ぼすとき

イノベーションのジレンマ—技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)
イノベーションのジレンマ—技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)
  • 発売元: 翔泳社
  • 価格: ¥ 2,100
  • 発売日: 2001/07

★★★★★

 社会人なら読むべき 技術屋なら絶対読むべき

 企業に勤める人なら読んでおいて損はない有名本。顧客ニーズに応えるためにがんばって性能向上を目指して突っ走っていると、いつの間にか性能が顧客のニーズを追い越してしまい、性能では劣るが別の価値がある安価な技術に対抗できず、足下をすくわれてしまう、という感じの話。PS3とWii、というとわかりやすいか。

 レビューはネット上にたくさんあるので、ここにはこれ以上書かない。この辺りを読むといいと思う。

Life is beautiful: 図解、イノベーションのジレンマ
イノベーションのジレンマ (クレイトン・クリステンセン) : tokuriki.com


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感想メモ:プロフェッショナルの条件

プロフェッショナルの条件—いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))
プロフェッショナルの条件—いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))
  • 発売元: ダイヤモンド社
  • 価格: ¥ 1,890
  • 発売日: 2000/07

★★★★★

 ドラッカーの本は、読むときの自分のレベルによって印象が変わる。
昔はあまり心に響かなかったが、最近読むと「今ドラッカーが良いこと言った!」と思うようになってきた。

 本書はドラッカーの著作の総集編「はじめて読むドラッカー」シリーズ3部作の1冊目である(自己実現編]プロフェッショナルの条件、[マネジメント編]チェンジ・リ−ダーの条件、[社会編]イノベーターの条件)。

 本書は、個人が仕事をしていく上で、職業によらず「どう成果を上げるか」について書いているのだが、「自分の強みを知る」「時間を管理する」「重要なことに集中する」など、昨今のライフハック本に書かれていることは大概書かれていることに驚いた。

 社会人ならば読んでおいて損はないし、これから社会人になる学生も、目を通しておいて損はない。オススメ。★5つ。


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感想メモ:「残業ゼロ」の仕事力

「残業ゼロ」の仕事力
「残業ゼロ」の仕事力
  • 発売元: 日本能率協会マネジメント 出版情報事業
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2007/12/22

★★★★☆

 衝撃的なタイトルだが、トリンプを19期連続の増収増益に導いたという実績に裏打ちされている。以下のような内容だった。

  • 残業を前提条件とするから効率が下がる
  • 欧米に比べ日本のホワイトカラーの仕事の効率は低い
  • 効率を上げる余地は絶対にある!仕事のスピードは努力すれば必ず上がる
  • 自分でデッドラインを切ることでスピードを意識する
  • 「会社にとって正しいこと」を優先
  • まずやってみる、結果に修正をかけていく
  • 小さな失敗は問題としない。最後に成功すればいい
  • 良いことはためらいなくパクる
  • 出来た時間は自分の人生のために投資する
  • 仕事は結果を出すゲーム。のめりこまずに冷静に引いて見る

 単純作業以外の仕事の効率は、工夫次第で数倍以上にできる可能性があると思う。著者は奥さんがフランス人であるということも残業0という考え方に大きな影響を与えているようだが、日本は「長く働く=美徳」とする風潮が根強く、法律で休暇取得が義務づけられているヨーロッパとは背景が異なる。

 社長自らがこのパラダイム転換を果たそうとしても何年もかかるというのに、従業員が勝手にパラダイム転換を起こしても、「なんだアイツは」的な目で見られるリスクは高い。まずは少しでも効率を上げる余地がないか、自分のやり方を見直す機会とするのが良いだろう。


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感想メモ:セイラー教授の行動経済学入門

セイラー教授の行動経済学入門
セイラー教授の行動経済学入門
  • 発売元: ダイヤモンド社
  • 価格: ¥ 1,890
  • 発売日: 2007/10/27

★★★★★

 おもしろい。

 古典的な経済学では「人は全ての選択肢を考慮し、その中から最適なものを選択する」という無理な前提の元に組み立てられている。しかし現実の人間は、そんなに賢い存在ではない。とすると、その前提から導き出される古典的な経済学の理論というのは、本当に確かなものなのだろうか?

 例えば、人は必要以上に現状維持を好むし(現状維持バイアス)、理論的な最適な行動以上に損を避けようとする(損失回避)。あるいは、期待値の最大化とはほど遠い行動を取ってしまう(ギャンブル)。そしてその根本的な原因こそが、人間が理性的な計算よりも心理的な判断に拠って行動する生き物だから、ということなのである。

 古典的な経済学では心理的な要素を重要視しないのに対し、行動経済学では人間の心理的な要素を取り入れることで、既存の経済学の前提に修正を加えようとするのが、この行動経済学である。私には、その試みは非常にまっとうであるように思えるのだ。★5つ。 オススメ。


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感想メモ:ウケる技術

ウケる技術
ウケる技術
  • 発売元: オーエス出版社
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2003/07/19

★★★★☆

 読むだけでもおもしろいのだが、実践すると使えることに気付く、二度おいしい本。紹介されている6の戦略と38の技術を身に付けねば!などと身構える必要は全くなく、おもしろいと思ったところだけ記憶に留めれば良し。

 おもしろいことで評価が高い友人にこの本を貸したところ、「ガイジン化」(ギャグを放つときはガイジン風にテンションを高く保つ)に深く共感していたのが印象的だった。

 同じことを言ってもウケる人とウケない人がいるように、やはり「ギャグを言うぞ!」という気合いと勢いが重要だと深く信じ込むことこそが勢いを産むのだと、周りを見ていて思う。

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フォトリーディング – 精読からの解放(あなたもいままでの10倍速く本が読める)

「読む速度が10倍になる」というキャッチコピーで知られるフォトリーディングについて興味を持って、
上の本を読んだり自分で試したりしてみたので、一本書いてみる。
ただしかなり説明をはしょっているので、フォトリーディングそのものについて知りたい人は、
最後に挙げる本やサイトなどを参照して欲しい。


・フォトリーディングとは

本、雑誌、新聞、ネット、情報は無限にある一方、我々の時間は有限である。
全てを処理することなどハナからできはしないので、効率良く情報を収集できるとうれしい。

情報収集の目的は、大体の場合文章の内容の把握である。
これを素早く効率良く行うための方法がフォトリーディングで、
そのキモは、実は文章内容の把握は、文章を一文字ずつ全部読まなくても可能だというパラダイムシフトなのだと私は考えている。

やり方については、以下の勝間和代さんの記事にまとめられているので、引用させていただく。
フォトリーディング・セミナーに行ってきました その2

【フォトリーディングのやり方】

予習−本をぱらぱらーーーとながめて、興味あるキーワードや、本当にこの本を読みたいのか、探してみる。

フォトリーディング−−フォトフォーカス(マジカル3Dアイを見るような目つき)で、ページをぼんやりと全体を眺めながら、ページをめくる。目で写真を撮るイメージです。

復習−読み終わった本を、またぱらぱらと眺めて、興味ある質問やキーワードを探す

活性化−この本から質問をしたいことを考えながら、流し読み+拾い読みをして、マインド・マップをまとめる。

この「ぱらぱらと眺める」というのがポイント。

・素早い内容把握に適した読み方

フォトリーディングの文章の読み方は、上にある通り「精読ではなく何回も流し読みする」というやり方である。
パラパラめくる感じだと、当たり前だがものすごく速く読める。
300ページぐらいあっても10分〜15分くらいで読める(1ページ数秒)。
とても「読んでいる」とは言い難いが、それでもこれを何回か繰り返すと、人間大したもので、そこそこ内容が頭に残るのだ。
人間は「これは見た事がある」ということに対しては敏感で、
短い期間に何回も目にすると記憶に定着しやすいからなのだろうか。

本当はもっと詳しいやり方や背景があるので、詳細については本やサイトを参照して欲しい。

・精読の弊害を認識する

本を読んでいて納得したのが「読む本全てを精読する必要はない」ということだった。
確かにそんなことは誰も強制していないし、そんな決まりはない。
にもかかわらず、多くの人が「精読しないことに罪悪感を感じてしまう」という。

例えば以下のようなことには、思い当たる節がある人も多いだろう。
 ・本を読むときに、最初からきっちり読んでいかないと気分が落ち着かない
 ・買った本や雑誌は、全部に目を通さないともったいないと思う
 ・なので、本を読み始めるのがめんどくさい→積ん読へ

しかし現実問題として、通常の精読による読書は時間がかかるため、長い本を一度に読み終わることは難しい。
そうして何週間かかけてようやく一冊読み終わったとしても、その頃には始めの方は忘れてしまっている・・・。
他にも、長い本には読むのに気後れしてしまい心理的な負担が大きくなったりする。

つまり「内容をざっくりと把握したい」というのが目的なのであれば、精読はむしろ弊害が大きい方法なのだ。

個人的には、全ての文章に対してフォトリーディングを使う必要はないと思う。
本には、小説などもやるといいと書いてあるが、私はなんか好かない。

・本を読んでもわかりにくいこと

私は本とネットだけで自習したのだが、いくつか分かりにくいところがあった。
前出の勝間和代さんの記事の「誤解と実際」の部分にズバリ書かれていたので、引用させていただく。
フォトリーディング・セミナーに行ってきました その2

誤解1ーフォートリーディングをすれば、本の内容がすらすらーーーーと頭に入るようになると思っていた
実際ーフォトリーディングは、「滑りをよくする」、すなわちなんとなく知っている、というデジャブ感をつけるためにやるものだった。

誤解2ーフォトリーディングでは「ソフト・フォーカス」といわれる、非常に難しい目の焦点をぼかして行う、精神修行のような読み方が必要だと考えていた。
実際ー要は、うっかり字を読まなければいい、というだけで、目の焦点をぼかす方法なら、例えば極端な話、別のものを見ながらページをめくるだけでよかった。

誤解3ーフォトリーディングでは難しい精神集中やアファメーションという技法が必要だと思っていた。
実際ー精神集中やアファメーションはもちろんあったほうがいいが、それよりはフォトリーディングを繰り返し何回も見てみるとか、数をこなすことが大事だった。

誤解4ーフォトリーディングでは文章への読解力が飛躍的に上がるのかと思っていた。
実際ー読解力そのものを上げるのではなく、「本はもっとテキトーに読んでも大丈夫なんだ」という考え方を教えてくれるものだった。

誤解5ーフォトリーディングの後の熟成は絶対に必要だと思っていた。
実際ーフォトリーディングをした後、10-20分間、できれば一晩休むように、というのが本の指示です。ところが、これはあったほうがいい、くらいのもののようです。

本を読むと、フォトリーディングで「1ページ1秒の速さで」「写真を見るようにボーッとページを眺めていく」と、
あら不思議本の内容が無意識下で理解できる!というようにとらえてしまいがちだが、
そんな風に思わなくてもいいよということだ。
私はこの記事を読んで、「何回も流し読みすることで記憶を定着させることが大事だ」
という解釈がまちがっていないと確信した。

・まとめ

  • フォトリーディングは文章の内容を素早く把握する方法
  • キモは、何回も流し読みすると一回精読するよりも理解しやすいという仕組み
  • 精読は時間がかかって大変なので、心理的にも時間的にも弊害がある
  • 大量の文章に対する心理的な抵抗が減るのが大きなメリット

ということで、しばらく自分を実験台にしてみたのだが、
私はかなりよいと感じているのでしばらく続けてみるつもり。
特に、流し読みするだけでも案外内容を把握できるもんだなと思った。
ちなみに私が効果を実感したのは、本屋での立ち読みの効率が著しく上がったのに気付いたときである。


参考:

サイト
フォトリーディングで1000冊読破
フォトリーディング公式サイト
無料 フォトリーディング情報 園善博のサイト
フォトリーディング習得委員会

あなたもいままでの10倍速く本が読める
あなたもいままでの10倍速く本が読める
  • 発売元: フォレスト出版
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2001/09/19
  • おすすめ度 4.0

感想メモ:音楽家ならだれでも知っておきたい「からだ」のこと

★★★★★

 体の構造と、正しい使い方を理解する

 体というのは不思議なもので、自分が持っているイメージの中でしか動かせない。例えそれが、実際の体の構造とは違ったイメージでも、だ。

 例えば、股関節がどのあたりにあるか、指し示すことができるだろうか?実は、案外太もも後方の内側にある。

 それを、太もも外側のでっぱりを股関節と勘違いしてしまうと、そこで体重を支えようとしてしまう。すると常に太もも外側の筋肉を緊張させて体重を支えることになる。これは膝を外側に引っ張り続ける力なので、年単位で続くと立派なO脚となってしまう。

 実は上の話は私のことで、誤ったイメージを持っていたせいで体が歪んでしまったのだ。体の仕組みについて、正しい知識・イメージを持つことがいかに大事かを痛感した。

 この本はイラストが豊富で、体、特に骨格について正しいイメージを持つことを助けてくれる。いかに自分の体について知らずにいたか、驚くだろう。

 環椎後頭関節(AO関節)について意識的に生活していれば、首の凝りが減っていくだろう。
 胸鎖関節についてイメージができれば、腕の使い方が変わるだろう。
 股関節について正しい知識を持てれば、太ももの筋肉が柔らかくなるだろう。

 ということで、私としてはとても気付きが多い本だった。★5つ。


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru