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スポーツや健康好きに贈る、身体についてなるほど!と思える5冊

早速行ってみよう!


外からは同じような動きに見えても、意識は全然違ったり

 

身体は左右対称ではない!

 

クリストファー・マクドゥーガル
日本放送出版協会 2010-02-23
¥ 2,160

感想メモ:BORN TO RUN 走るために生まれた

ベアフットランニングブームの火付け役

 

NHKスペシャル取材班
角川書店(角川グループパブリッシング) 2013-02-09
¥ 843

フォアフット着地について。

 

前田 和男
新潮社 2003-08
¥ 734

足の骨とか、知ってる?

 

舌の位置とか、マニアックで楽しい。

 

成瀬 悟策
誠信書房 2007-02-09
¥ 3,024

心と身体はつながっている 入門編としては感想メモ:姿勢のふしぎでもOK

 

野口 晴哉
筑摩書房 2002-06
¥ 648

野口先生は神。

 

有吉 与志恵
祥伝社 2009-07-28
¥ 1,404

足のケアの方法

 

心と身体はつながっているどころか、
身体が心をコントロールしている?

 

藤本靖
BABジャパン 2010-08-09
¥ 1,620

目や耳の使い方がおもしろかった。

 

操体法の初歩。お子さんがいる方にも。


ということで、全然5冊じゃありませんでした!
でも全部おもしろかったですよ。マニア向けかも。

感想メモ:足が速くなるこけし走り

★★★☆☆

「こけし走り」と言っても、
両手を「気をつけ」の状態にしたまま、
膝を伸ばしたままピョンピョンと
走っていくわけではない。

こ:骨盤
け:肩甲骨
し:姿勢

で「こけし」走りなのだ。

ただ、メニューがたくさん紹介されているので、
どれをすればいいのかと迷いそう。
一番大事なのは、「姿勢」。
P18の、

  • ツイスト
  • ケンケン
  • ホッピング

をやってみるだけでも、
体の使い方が変わるのではないかと思います。

子供の足を速くしたい、
体の使い方を教えてあげたい、
というお父さんお母さんにオススメです。

感想メモ:42.195kmの科学

NHKスペシャル取材班
角川書店(角川グループパブリッシング) 2013-02-09
¥ 820

★★★★☆

運動好きならば観たであろう、
NHKの「ミラクルボディー」シリーズ。

そのマラソンの回の内容について、
番組では紹介できなかった取材内容やデータも含め、
紹介されている。

特に「効率の良い走り方」についての、
マラソン世界記録保持者の科学的なデータ、
専門家による分析に注目した。

マカウの肉体は、マラソンを走っている間でも
乳酸が過剰に蓄積しない。つまり、マカウは
1km三分を軽く切るペースでマラソンを走っていても、
足に疲労を感じることなくフィニッシュまで辿り着いている
可能性があるということです(p89)

なんと!マラソン走っても足が疲れない!?どういうこと?
その秘密は「ミラクルに効率の良い走り方」にあるそうだ。

そのポイントの一つは姿勢。

マカウの走りで、まず目を引いたのは、きれいに直立した姿勢である。
真横から見ると、頭から首、胴体(体幹)が一直線となり、
足も、腰(重心)の真下からやや前方に着地をしている…
肩甲骨を引き、下腹部を引き締め、腰の位置も高い。(p91)

確かに、効率が良いのは一直線だろう。

次のポイントが、着地。

マカウは足の小指から着地し、
つま先全体で地面を捉えて蹴りだしていることが確認できた。
かかと(踵骨)には、ほとんど体重が乗っていない。(p98)

つま先に近いマカウの着地の方が、
体に受ける衝撃力が、約40kg分も少なかったのである(p102)

マカウはソフトにつま先から着地をすることで
ブレーキがかかるのを防ぎ、
その結果、より少ない力でスムーズに重心を
移動することが出来ていたのである。(p107)

いわゆるフォアフット着地。
データとしても、衝撃が小さいと確認された。

ただしこれは、幼少時から裸足で過ごすことで、
その走り方に足が適応していることもあるようだ。

マカウは、足の指を曲げたり、土踏まずを支えたりする
「深部底屈筋群」(後脛骨筋、長母趾屈筋、長趾屈筋)が
非常に発達していた(p123)

踵着地よりも、足の中心着地や、
つま先着地のランナーの方が、
走力が高いというデータもあるそうだ。

それは、つま先着地により足が鍛えられる、
という側面もありそう。

足底のアーチ・サポートや
硬いソールを備えたランニングシューズが、
足や土踏まずの筋力の低下を招き易くしたした(p124)

ランナーや運動好きの人には、かなり楽しめる内容。
オススメです。

NHKスペシャル取材班
角川書店(角川グループパブリッシング) 2013-02-09
¥ 820

感想メモ:裸足ランニング―世界初!ベアフット・ランナーの実用書

★★★☆☆

日本の裸足ランニングの第一人者、
吉野氏の裸足ランニング指南書。

カカト着地には、重心が内側にかかる
プロネーション(回内)という動作がつきものだ。
過度のプロネーション(オーバープロネーション)は、
シンスプリント(スネの鋭い痛み)の原因になる(p18)

シューズには、このオーバープロネーションを
防ぐ工夫がされているものもある。
しかし驚いたことに、この保護機能が逆効果になっている
可能性があるというのだ。

ところがこれがさらに強いプロネーションを
生み出すことが指摘され始めた。
シューズがケガの原因を作り出し、
助長している可能性があるというのだ(p18)

こんなショッキングな話もある。

ハイチのランニングクラブでは、
シューズと裸足のランナーがほぼ同数いるという。
そこでは、ケガをするランナーは、
シューズを履いているランナーだけだというのである(p22)

シューズが悪いというのではなく、
身体に負担がかかる走り方でも、
シューズの保護機能によって走れてしまう
ということが問題の原因にありそうだ。

裸足ランニングには、この「カカト着地」を直し、
自然な身体の使い方を取り戻すエクササイズと
なりうるということだ。

走るときだけでなく、歩くときにも同じことが言えよう。
普通の人は走るよりも歩く方が圧倒的に多い。
歩き方に気をつけることが、とても大事である気がする。
しばらく研究してみようと思う。

自分の生活に取り入れるかどうかは、
本を読んで判断してください。

おもしろい本でした。

感想メモ:野球の本当のこと、全部話そう!

★★★★☆

ピッチャーというポジションでありながら、
48歳まで現役で活躍した工藤投手。

体のケアやトレーニングについては、
相当の研究家だったという印象。
読んでみて、内容は技術的な内容も豊富で、
その印象を裏付けるものだった。

野球の技術的な内容については、
書き出すと長くなるので、
好きな人が本を読んでみてください。

以下、共感した部分。

なぜプロで長く野球を続けたいと思うのか?
そういったことを自問自答しながら、
不安を打ち消すためにも毎日、
緊張感のある練習をしなくてはいけないのです(p197)

目標と犠牲。この言葉はプロ野球において
表裏一体と言えるでしょう。
目標をしっかりと持ち、それに向かっている人間というのは
寡黙に練習を続けているものです(p198)

「目標と犠牲」は、プロ野球だけの話ではなく、
社会人における仕事のバランスにも言える話。

まず、人以上の量。
その上で、量より質。
というように転換していくのだろう。

為末氏、梅原氏の本に続き、
同じような内容が語られている本が続いている。
感想メモ:勝ち続ける意志力
感想メモ:負けを生かす技術

勝負の道のプロが語る内容は共通している、
という例が、またひとつ積みあがった。

感想メモ:左重心で運動能力は劇的に上がる!

★★★★☆

体は左右対称に見えるが、
中身は決して左右対象ではない。

例えば、右脳と左脳の働きが異なるのは有名。
また、内臓の位置も非対称で、心臓がやや左、
大きな肝臓が右に位置している。

なので、体も左右がそれぞれ
別の働きを持っているのだそうだ!

  • 左股関節は前へ、右股関節は後ろへ力を出しやすい
  • このため、スポーツでは左重心(加重ではない)が大事
  • 顎は引かない。イチローのバット立ての顔の角度
  • 顔は傾けず、水平に保つ

マラソンや陸上のトップ選手も、
左右の腕が別の動きをすることがある。

体の左右は非対称。
左股関節がアクセル、右股関節でブレーキ。

こう知っておくだけでも、
変化があるかもしれない。

運動好きの人にオススメ。

感想メモ:一流選手の動きはなぜ美しいのか

★★★★☆

トップアスリートの動きというのは、
一般プレーヤーと同じようなことをしているようで、
中身は全く異なっていたりする。

それには、二つの意味がある。

一つが、そもそも行われている動作が、
トップアスリートと一般プレイヤーでは異なるということ。
これを「客観的動作」と呼んでいる。

もう一つが、同じ動作を行おうとしていても、
異なる感覚を持っているということ。
これを「主観的動作」と呼んでいる。

科学者が明らかにする客観的動作と、
動作をする当事者が
感じている主観的動作の間にはずれがあります。
このずれを「主観と客観のずれ」と言います。(p18)

トップアスリートと一般プレイヤーでは、
この両方の点で異なっているのだから、
同じようなことをしているようで、
中身も結果も全然違うのだ。

鎖骨の動きに制限をかける筋肉があります。
胸鎖乳突筋、大胸筋、僧帽筋…(p104)

前腕を内、外に回す動きの中心は、
指で言うと、 中指ではありません。
薬指が正解です。(p112)

膝を接地の瞬間にゆるめて、
からだをわずかに落下させ、
さっと支えるような感覚で
地面を効率よく押していきます。(p143)

着地へ向かう左脚が外旋しようとすれば、
右脚は内旋する。
これは、左脚と右脚が骨盤で
連結されているからです。(p166)

マニアックな運動好きを自認する人には、
かなりオススメ。
様々なトピックで、新しい発見があるはずです。

感想メモ:マウンドに散った天才投手

松永 多佳倫
河出書房新社 2013-01-19
¥ 1,365

★★★☆☆

「伊藤智仁のスライダー」と言えば、
一定年齢以上の野球ファンなら反応するはず。

そんな、まぶしいほどの輝きを放ちながらも、
ケガに泣いた選手たちへのインタビュー集。

伊藤智仁、近藤真市、上原晃、
石井弘寿、森田幸一、田村勤、盛田幸妃。

名前に聞き覚えがある人なら、
色々と感じるところもあるだろう。
一方、現役時代の活躍を知らないと、
読んでもあまりおもしろくないだろう。

野球好きのキャリアが長い人に、
オススメします。

松永 多佳倫
河出書房新社 2013-01-19
¥ 1,365

感想メモ:バケる人に育てる

★★★★☆

北島康介のコーチとして有名な平井氏。
北島以外にも選手を育てていて、
様々なタイプの選手に対して成果を出しているのが、
コーチとして非凡であるように思う。

複数の人を育て、下げる成果を出させるというプロセスには、
再現性があるということです。(p12)

その指導の秘訣はなんなのだろう?

予想に反して、「身体的な素質」よりも、
「精神的な素質」を重視しているのだった。

選手の素質を見抜く際には、身体や技術といった「体の素質」以上に、
我慢強さ、忍耐力、集中力といった「心の素質」が
大切ではないかと思うようになりました。(p27)

人を伸ばすには、その人自身に集中させてあげることが大切です。
脇目もふらずに自分のゴールだけを見つめ、
自分の可能性という絶対値を基準として、
愚直に努力できる人が伸びていきます。(p60)

指導という分野に限らず、
結果を出す人には共通点が多いな、
と感じたのが、以下の部分。

ものごとは「やるか、やらないか」。
ただそれだけかもしれません。(p69)

チームづくりに大切なことは、
「日頃がんばっている人」を評価する
しくみをつくることです。(p171)

この本は、ロンドンオリンピックの前に書かれている。
文中に名前が出てくる寺川綾、加藤ゆか、上田春佳は、
なんとロンドンの女子4×100mリレーの4人の中の3人で、
日本記録を2秒近く縮めて銅メダルを獲得している。

確かに、平井コーチの指導は再現性があるようだ。
しかし、その指導のスタイルには「型がない」そうだ。

おもしろい本でした!

感想メモ:七人のトップアスリートと骨盤力

手塚 一志
キネマ旬報社 2010-03-25
¥ 1,890

★★★★☆

田中将大、錦織圭、浅田真央など、
7人のトップアスリートの動きを、
骨盤の使い方という切り口で分析。

著者は、「シンクロ打法」「ダブルスピン」「ジャイロボール」など、
日本のスポーツ理論に数々のブームを巻き起こした手塚一志氏。

この本のメッセージは、

「動きは骨盤から始まる」
そのコントロールバーが弓状線

ということ。
しかし、股関節の位置もわからない人も多い中で、
骨盤の奥にある弓状線を意識できる人は、
ほとんどいないような気がする。

  • 足は内側に入れず、外エッジを使う
  • スイングの前脚太ももは外側に捻る
  • 膝を前に出さない
  • つま先に体重をかけず、むしろ踏み込む足のつま先は立てる

など、気付きがあった。

卓球の石川佳純選手がフォアハンドで
テイクバックしている写真があるのだが、
前足である右足の靴を見ると、内側が上がっている
ということに驚いた。

彼女はサウスポーなので、左右逆になる。
例えば右利きのテニス選手が、
フォアハンドで左足の内側が上がるということ。
そうなんだ…

他にも、

テニスのフォアハンドはファーストライナーのイメージ

など、色々なヒントが得られた本だった。
スポーツはおもしろいなぁ。

手塚 一志
キネマ旬報社 2010-03-25
¥ 1,890