感想メモ:人間性の心理学

人間性の心理学―モチベーションとパーソナリティ
人間性の心理学―モチベーションとパーソナリティ
  • 発売元: 産能大出版部
  • 価格: ¥ 5,250
  • 発売日: 1987/03/10

★★★★☆

「マズローの欲求階層説」で有名なマズローさんの本。

この500ページを超える本は、対象は欲求だけではなく、
動機付け、神経症、心理療法などかなり幅広い。

欲求階層説は有名なので、どこかしらで聞いたことがあるだろう。
以下のようなものだ。

  • 欲求の5段階のヒエラルキー構造
    生理的欲求
    →安全の欲求
    →愛の欲求
    →自尊心の欲求
    →自己実現の欲求

詳細はWikipedia参照→自己実現理論 – Wikipedia

実際に読んでみると、この5段階は絶対的な順序ではないようだ。
人によって前後したり、あるものが強かったり強かったりするらしい。

欲求について、他にも以下のようなことが書かれていた。

  • 高次の欲求は、系統発生的にも、
    個体発生的にも、後から発達したもの
  • 高次の欲求ほど緊急性は低い
  • 高次の欲求を満足することにより、望ましい主観的結果
    ー真の幸福、平静さ、内的生活の豊かさーがもたらされる
  • 高次の欲求の満足は、低次の欲求よりも自己実現に近い

この自己実現を達成した「自己実現的人間」が
どのような特徴を示すについても、
かなり詳しく説明されていた。

上で触れた通り、欲求以外についてもたくさんのことが書かれている。

  • 充足状態は結果として、必ずしも保証された幸福とか
    満足の状態になるとは限らない
  • 欲求が満たされることも、満たされないことも、
    性格形成に影響を与える
  • 幼児期における愛の剥奪は病気を引き起こす。
    これらの病気は、子供のうちには慈悲と
    愛情のこもった親切心を与えることで治療できる

ということで、人間の心理に関する様々な考察が
盛りだくさんに提供されている。

なにしろボリュームがものすごいので、
軽い気持ちで手に取るのは難しい。
心理学に興味があり、かつ時間と気力があって、
初めて立ち向かえるだろう。

内容は文句なしに充実しているのだが、
そんな訳でかなり手強いので一個減らして★4つ。

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