感想メモ:PIXER 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話

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PIXERと言えば、
トイ・ストーリーやファインディング・ニモ、
カーズなど、数々の3DCGアニメをヒットさせた会社。

と同時に、アップルから追い出されたスティーブ・ジョブスが、
ネクストの次に経営し、IPOで復活を果たした会社、
畑違いの業界でも結果を出すとは、ジョブスすげーなー、
というのが、浅い私の理解だった。

この本の著者は、スティーブ・ジョブスから誘われ、
PIXERのCFOとなったローレンス・レビー氏。
前職はシリコンバレーの弁護士。

アニメーション映画事業というのは、
一本作るのに数年かかり、それが当たれば大きいが、
当たらなければ数年収入なし、という
リスクの塊のような事業。
そんな先の見えない事業を専業とするスタートアップが、
どうやってIPOを果たすのか?

IPOといっても、「お金がいっぱいもうかるやつ」
というくらいの知識のワタクシにとっては、
へぇ〜、IPOってこんなに大変なんだ〜、
という雰囲気も感じられ、
「あ〜、IPOね、アレ、大変だよね〜」
とニワカIPO通になることができた。

現実の話なので、結果はわかっているのだが、
当事者の視点で語られると、確かに簡単な話などでは全くなく、
むしろ異常にハードルの高いIPOだったようだ。
それを成功させた、経営陣の手腕はすばらしい。

ハラハラしながら、どんどん読み進められた。
訳者後書きにも書かれているが、
一般的に知られているスティーブ・ジョブス像とは、
違う一面が見られて、その点も興味深かった。

久しぶりに読書メモをしたためるくらい、おもしろかった。
オススメ。