感想メモ:考えることの科学

考えることの科学―推論の認知心理学への招待 (中公新書)
考えることの科学―推論の認知心理学への招待 (中公新書)
  • 発売元: 中央公論社
  • 価格: ¥ 693
  • 発売日: 1997/02

★★★☆☆

 人間はどのように考えて判断するか、その考え方にはどのようなクセがあって、どのように間違うことが多いかを、認知心理学の観点から紹介している。

 人間が確率を正確に把握できないのは有名な話だ。自動車が恐くなくても飛行機が恐いし、宝くじは当たると思って買ってしまう。40人のクラスで誕生日が同じ生徒が一組でもいる確率は実は9割を超えるし、サイコロで1が続けて出たら、次は違う目が出やすいと思ってしまう。そしてこういう考え方のクセは、万国共通である。きっと脳の仕組みなのだろう。行動経済学の本でも出てくる。

 他にもベイズ理論というものが紹介されているが、これは相当直感的に理解しづらい。例えばこんなものだ。
「1000人に1人の割合で感染する病気の検査薬は、感染している場合98%の確率で陽性となる。しかし感染していない場合も1%の確率で陽性となる。この薬で陽性反応が出た場合、感染している確率はどれだけか」
思わず98%と言ってしまいそうだが、答えは約9%。このベイズの理論を直感的に理解する方法も載っている。

 という感じの内容なので、マメ知識として読んでおくと役に立つかも。★3つ。

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Socialtunes – haru

「感想メモ:考えることの科学」への2件のフィードバック

  1. fufutyuさん、どうもです。

    おもしろかったですよ。
    文庫でサラッと読めるので、良いかと思います。
    興味がわいたら、関連の本を味見してみるとよろしいかと。

    「セイラー教授」がオススメです。

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