それは定性

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「それじゃあ定性評価になってないよー!」

と言っている人がいた。どういうことだ。

「定性評価」:正確な数字まではわからないけど、なんとなくざっくりとした感覚的な評価。
例)「あの八百屋のダイコンは目玉が飛び出るほど高い」

定量評価:数字まで示す、より詳細な評価。
例)「あの八百屋のダイコンは一本3700円もするので高い」

つまり定量評価の方が強く、定量評価は定性評価を含んでいるわけです。 従って、定量評価ができない場合やめんどくさい場合以外は、 一般的に定性評価よりも定量評価の方が好ましいわけです。

さて。
「それじゃあ定性評価になってないよー!」

この話者は定性評価でないことを批判している。
つまり定性評価の方がいいのだ。定性好きである。定性フェチである。 どんなだ。こんなか?

「昨年度下半期における当社製品Xの売り上げ高は、前年度に対し4400万円下回りました。」
「キミキミィ、それじゃあ定性評価になってないんだよ。もっと、定性的に。わかる?」
「・・・ハァ。えー、それでは、昨年度下半期における当社製品Xの売り上げ高は、 前年度に対し、結構下がっちゃいました。」
「そうそう。やればできるじゃないか!」
「・・・恐縮です」

と言っても定性評価は悪いことばかりではない。 定性評価には表現の自由が残されており、話者の表現のセンスが問われるとも言える。

「彼は強い」
「彼はとても強い」
「彼は素手で牛を倒すほど強い」
「彼はマイクタイソンに『マイクタイソン・パンチアウト』で勝つぐらい強い」
「彼はマイクタイソン3人分ほど強い」

なんだか思いきり泥沼化してきたので戦略的に撤退して行こうと思う。さようなら!