感想メモ:折れない心を育てる自衛隊式メンタルトレーニング

★★★☆☆

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自衛隊の重要な任務の一つに、
災害時の救援がある。

災害が相手なので、残念ながら
すべての命を救えるわけではない。
目の前で命が失われる経験をすれば、
いくらタフな自衛隊員といえども、
心に傷を負ってしまう。

もっとこうしていれば、
命を救えたのではないか、
と自分を責めて、自らの命を
断ってしまうケースもあるらしい。

そんな過酷な任務を行う隊員の
メンタルケアは、非常に重要だ。
しかし、このメンタルケアの取り組みが
始まったのが2000年ぐらい、
心理幹部というポストが設立されたのが
2011年、3.11の直前だったという。

本書では、自衛隊のメンタルケアの
各手法や、その手法が確立されるに至った
経緯が綴られている。

メンタルを「鍛える」のは難しい…
メンタルを健康に保つ、あるいは
ストレスを回避できる技術を
身につけることによって、
結果的にストレスに負けない状態を
作ることはできます。

日頃のメンタルケア(訓練)と
心の避難訓練が大事とのこと。
日本人は、休むのが苦手な国民。
しっかり休みましょう。

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感想メモ:集中力がすべてを解決する

★★★★☆

著者の樺沢さんは、年に何冊も本を出したり、
YouTubeを一日複数本投稿したり、
異常に手数が多い。
それは、集中力の賜物なのだそうだ。

集中力

集中力は、「今、ここにとどまる力」であり、
「誘惑をコントロールする力」
「誘惑をはねのける力」でもあるのです。

なるほど、確かに集中力がないときは、
すぐスマホの誘惑に負けてしまう気がする。

スマホが机に乗っているだけで、
集中力や認知機能が低下する

トレーニング

大人になってからも、
ワーキングメモリを鍛えられるそうだ。

ワーキングメモリを鍛える9つの方法
1. 睡眠
2. 運動
3. 自然に親しむ
4. 読書 ワーキングメモリと読解力は相関関係がある
5. 記憶力を使う
6. 暗算
7. ボードゲーム
8. 料理
9. マインドフルネス

「脳トレは、そのトレーニングが上手くなるだけ」
という話もあるが、5、6あたりはちゃんと
鍛えられている気がする。

身体もそうだが、負荷をかけると
それに対応できるようになる。

「有酸素運動」と「脳トレ」を一緒に行う
「デュアルタスク」に関しては、
極めて高い脳トレ効果が得られる…
「運動」+「認知課題」のデュアルタスクを
行うと、前頭葉の血流が増える…

これも興味深いが、問題はどうやって
動きながら脳トレを行うかだろう。
走ったり歩いたりすると揺れるので、
エアロバイクくらいしか思いつかない。

作業効率

音楽は、「学習」「記憶」「読解」
などにはマイナスに、
「作業」「運動」にはプラスに働きます。

音楽をかけながらの作業は、
種類を選ぶということ。
これも経験則に一致する。

人間の覚醒のリズムは、
各精度の高い状態が約90分続き、
そののち、各精度の低い状態が
20分続く。それが、1日で
何度も繰り返されています。

常に「各個撃破」を意識し、
目の前の仕事に全力であたる。
それが、最も勝率を高める、
そしてミスや失敗を減らす
戦い方と言えるのです。

回復

「ボーッとしている時間」=
「デフォルトモード・ネットワークが
稼働する時間」が少ないと、
私たちの脳の前頭前野が司っている、
物事を深く考える機能が低下してしまいます。

効率厨としてはこの辺が苦手だが、
これは効率を高めるための休息なのだと
自分に言い聞かせて、ボーッとしたい。


筆者流のToDoリストも一味捻りが入っていて、
参考になる人もいるだろう。
色々と参考になる点がある良い本でした。

感想メモ:栗山ノート2

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★★★★☆

栗山氏がノートに書き記した、
四書五経などからの名言が紹介されている。
タイトルが示すように2作目。
今作は、2023年WBCの振り返りとなっており、
あの興奮が蘇るようだった。

準決勝のメキシコ戦、3対3の同点から
3対5になったとき、ベンチ裏では
こんなことを考えていたのか、という驚きもあり。

おもしろく読めた。
2023年のWBCについては、
Amazon Primeなら無料で観られるこちらもオススメ。
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感想メモ:のうだま1 やる気の秘密

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★★★★☆

やる気、すぐどっか行っちゃいますよね。
そして探してもなかなか出てこない。

そんな「やる気」さんを自在に召喚する
魔法を身につけられたらすばらしいですね。
ということで読んでみました。

結論:やる気を出すにはカラダを動かす

やる気はじっとしていても出てこない。
カラダを動かして、初めて出てくる。

割り箸を咥えて本を読むと
おもしろく感じたり、
ずっと猫背で暮らしてると
元気がなくなってしまったり、
というやつですね。

やる気が出るのは、
「淡蒼球」という脳の部位。
活動が活発になると、やる気も高まる。

たんそうきゅう。覚えた。

淡蒼球の起動スイッチ4つ

  • Body カラダを動かす
  • Experience いつもと違うことをする
  • Reward ごほうびを与える
  • Ideomotor なりきる

やる気が出なくても、とりあえず机の前に座る。
パソコンを開く。ノートを開く。
散歩してみる。簡単な家事をする。
何かを始めれば、作業興奮で
やる気が後から付いてくる

大きく伸びをしてガッツポーズをするだけでも
気分が変わるようだ。

試してみよう。

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感想メモ:運動脳

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★★★★★

運動をすれば心が落ち着き、
ストレスにも強くなる。
そして記憶力や創造性、集中力といった
認知機能も高まる。

体を活発に動かした人の脳は
機能が向上し、加齢による悪影響が
抑制され、むしろ若返ると判明したのだ。

結論:運動は脳に良い

良いことは他にもたくさんある。

  • 病気になりにくい(コロナでも重症化リスクが50%減)
  • 脳の海馬の細胞が加齢で減らずに増える
  • 不要な食欲が抑えられる
  • 記憶力が高まる
  • 集中力が高まる
  • 成績が良くなる
  • アイデアが出やすくなる
  • ストレス耐性が上がる
  • うつ病が改善する
  • 認知症の発症が4割ほど減る

もう大義名分の塊。
運動しないでいいことがあろうか、いやない(反語)

では、上のようなメリットを享受するには、
どれくらいの長さで、どれくらいの運動をすればいいのだろうか?

理想的な心拍数の目安は、
最大心拍数(220から年齢を引いた
数字)の70〜75%だ。たとえば、
あなたが40代であれば、1分あたり
130〜140回を目標にするとよい。
運動は朝にしよう。
可能であれば30分続けてみよう。
そして運動を習慣にしよう。

おすすめは
ランニングやスイミングなどの有酸素運動
少なくとも20分。体力に余裕があれば30〜45分
週に少なくとも2、3回は心拍数が
大幅に増えるような運動を
(難しければただ散歩でもいい)

ただ、ハードルを上げると挫折してしまうので、
完璧にやろうとせずに気軽に取り組もう。

体を動かすのであれば
どんなことでも有効であり、
その一歩一歩が脳にとって価値がある。
いつ、どこで、何をするかは
大した問題ではない。

という気持ちでいいと思う。
エスカレーターではなく階段を使う、
ちょっと歩く、そんなことでも、
やらないよりもやった方が良い。
脳の細胞は何歳になっても増えていくのだから。

他にも、勉強の効果や集中力も、
運動で上がるというのが興味深かった。

運動をした直後にドーパミンの分泌量が
増えることがわかっている。
運動を終えた数分後に分泌量が上がり、
数時間はその状態が続く。
そのため運動後には感覚が研ぎ澄まされ、
集中力が高まり、心が穏やかになる。

身体に負荷を与えると、
脳はそれが生死を分けるほど重要な
行動だと解釈するのである。
そして結果的に集中力が高められるのだ。

週に3回、40分、早足で歩くだけで
毎年0.5〜1%縮んでいく海馬が
2%ほど大きくなっていた!
これは記憶力の改善を意味する

持久力系のトレーニングを定期的に
3ヶ月続けた場合、単語を暗記できる
能力がかなり上がるという結果が出た。

もし暗記力を最大限に上げたいのであれば、
運動と暗記を同時に行うことをお勧めする。
ただし、疲労を覚えるほど運動すると、
かえって逆効果になる。

「暗記の能力」は、筋力トレーニング
ではなくランニングによって高められる
ことがわかっている。だが、「連想記憶」は、
筋力トレーニングで高まるという。

学校でも職場でも、
立って作業すると脳が効率よく働くのだ。
立ち机を使うと、テストの結果が平均で
10%も上がっていたのである。

ということで、運動しよう。

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感想メモ:99%の日本人がわかっていない 新・国債の真実

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★★★★☆

  • 国際は国の借金だから少ない方がいい。
  • 日本の国債は1000兆を超え、国家破産を避けるには増税が避けられない。

そう考えている時期が、私にもありました…

確かに個人であれば、借金が少ない方がいいだろう。
だがそれも、それ以上の資産が有れば問題ないはずだ。

そもそも、個人の借金と国の借金を同列で扱うのもおかしな話。
一定以上の規模の企業であれば、借金(負債)がない企業の方が珍しい。
企業の借金は、ビジネスを回すための原資であるのと同様、
国の借金も、国の経済活動を回すための原資なのだ。

ちゃんと資産があって、売上を立てて利益を出し、
借金を返せるのであれば問題ない。
国債の場合も、これと同じだと考えればいい。

要は、バランスシートの右側の
負債だけ見ても仕方がなくて、
大事なのは左側の資産とのバランスなのだ。

とはいえ、国債は日常生活で馴染みのないものだし、
仕組みについてよくわかっていない人の方が多いだろう。
この本を読むと、いかに適当な話が
世に蔓延っているかがわかる。

以下、メモした点。

日銀の国債利子収入は
そのまま政府の税外収入になる

日銀引き受け分に関しては、
国債の利払いは政府の支出ではなく収入になる!
なぜなら日銀は政府の子会社のようなものだから。
これは知らなかった。

国債の発行を控え政府需要が減ることは、
失業率アップにつながるのだ。

更に。

もし本当に日本が破産しそうなのであれば、
日本の国債の金利はもっと上がっているはず。
しかし実際は低いまま。

では、なぜ冒頭に書いたような不正確な言説が
まかり通っているのだろうか?

財務省は「いつだってスキあらば増税したい人たち」なのである。

なぜなら、増設すれば税金の配布量が増え、
権限が増えて他の省庁に優位に立てるから。
そして財務省の天下り先が確保できるから。

もう一つ言うと、国債が多いなら、
換金しやすい国の資産を売って
買い戻せば良いようなものだが、
それはしない。なぜか?

日本政府の金融資産は、じつは天下り先への
出資金、貸付金が非常に多いのだ。
政府の資産を売るとなれば、当然、
官僚が天下り先として確保している
特殊法人な政府子会社も
処分することになる。

財務省というのは、国益よりも省益を
優先する部署なのだろうか???

著者の高橋洋一氏は大蔵省のキャリアから
内閣参事官まで務めた。

その辺りの話を含めて、
高橋氏のYouTubeチャンネルは
テレビやマスコミからは流れない情報が
得られて有益。オススメ。

髙橋洋一チャンネル – YouTube

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感想メモ:子どもが面白がる学校を創る

★★★★★

広島県の教育が変わっているそうだ。
公立初のイエナプラン教育校開校、
国際バカロレア認定校の開校、
商業高校での「ビジネス探究プログラム」導入
内申書をほぼなくした高校入試など、改革づくめ。

その中心にいるのが、教育委員長の平川理恵さん。
元リクルートのトップセールスウーマン、
米国に留学後に起業、その後神奈川の中学の
校長を経て、広島県の教育委員長。

民間、特にリクルート出身だからか、
平川さん個人の性質によるものなのか、
とにかく行動力がすごい。
役所の流儀を覆し、様々なプランを実行に移していく。

平川さんをスカウトした広島県湯﨑知事の
サポートもあってのことだろうが、
教育委員会のトップが変わると
ここまでできるものなのか。

教育改革の内容もそうだが、
改革のプロセスを知るのも興味深かった。
教育に関心がある人に、特にオススメ。

感想メモ:オードリー・タンの思考

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★★★★☆

オードリー・タンと言えば、
台湾史上最年少で入閣した台湾のデジタル担当大臣。
天才ハッカー。トランスジェンダー(従って「彼女」と表記)。
というぐらいの前提知識で読み始めた。

この本では彼女へのインタビューを元に、幼少期の経歴、
それがどのように彼女の人格形成に影響を与えたか、
社会活動への参画のきっかけとその後の活躍、
思想などが書かれている。

台湾では、2014年にひまわり活動という学生運動が起きた。
ひまわり学生運動 – Wikipedia
詳細は上のリンクを参照してもらうとして、
この活動で何が起きているのか、リアルタイムで配信したのが、
彼女が参加しているg0vという団体だった。
g0v.asia

ポリシーとして、透明性を重視(全て記録、公開)している。
デジタル担当大臣として、毎週水曜は大臣室をオープンにし、
予約を取れば誰でも面会可能にしているそうだ。
また、発言はオンラインで残るようになっている。

オープンソースコミュニティー出身のハッカーである彼女。
異なるバックグラウンドを持った多様な人が、
協力できるようにファシリテートする。
トップダウンではなくボトムアップで問題に取り組む。
やっていることはずっと変わらないのだと。

常に何十ものプロジェクトに参加していて多忙なはずだが、
燃え尽きないのだろうか?
そのあたりの答えも書かれていた。

私は趣味でデジタル担当大臣をやっているので、
この仕事をしているときが一番楽しいんです。
ある漫画で主人公が『自分は趣味でヒーローになった』
と言う台詞があるのですが、それと一緒ですね。

まさかのワンパンマン。
というのは置いておいて、楽しむ(fun)、面白い、
ということを重視しているようだ。

2006年、私は国際的に『まず、楽しむこと』
と言う概念を発表しています。
情熱や使命感は一定の時間を過ぎると使い終わって
しまうけれど、楽しさを原動力にすれば
ずっと続けることができる。
だから私たちは使命感ではなく自分が楽しいことを
優先しよう、と提案しました。

私の行動原理はとてもシンプルで、
「自分が面白いと思うことしかしない」と言うことです。
例え大金を稼げる仕事があったとしても、
面白いと思えない仕事であれば、やりません。

面白いと思いながら何かに携われる場合、
私はその過程で新しい学びを得ることができ、
私と一緒に仕事をしている人とも
そういった学びの楽しさを共有でき、
彼らもまたより積極的に
参加してくれるようになるからです。

また、睡眠は8時間取るようにしているそうだ。
睡眠不足だといい仕事ができないと。見習いたい。

インスピレーションの源は睡眠です。
やり方はとてもシンプルで、寝る前、
解決したい問題に関連する資料を読み込みます。
この時はただ頭に入れるだけで、何も考えずに、
ただただページを素早くめくります。
そのまま眠りにつくと、翌朝起きた時には
答えが出ているのです。

日本の政治も、台湾のような透明性を
持つようになる日が来て欲しい。

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感想メモ:地球温暖化「CO2犯人説」は世紀の大ウソ

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★★★☆☆

多くの人は地球温暖化の原因はCO2だと、
疑いなく信じているような雰囲気だが、
個人的には、地球温暖化の主要因はCO2では無いと思っている。

なぜなら、地球の気候というのは、非常に多くの因子から成り、
それらが相互に関わり合って成る巨大で複雑なステムであり、
1つのパラメータのみが気温を左右するような、
単純なものではないと考えるからだ。

しかし、このような主張はpolitically incorrectであり、
科学者がそう主張することは、研究費が削られたり、
役人から圧力をかけられたりするので、
おおっぴらには態度を表明できないという事情があった。

しかしこんな本が出るくらい、
温暖化CO2由来説の疑わしさは世間に広まってきた、
ということだろう。

で、CO2が犯人じゃないと主張するなら、
じゃあ何が原因なの?というのが言えなくてはいけない。
その答えを確認するというのが、この本を手に取った理由。

CO2が犯人じゃない、ということは意外と簡単に説明できる。

もしCO2濃度が気温を支配する
“最強の変数”だとするなら、
CO2濃度と気温は1:1の相関関係を
持つはずである。しかし、観測事実は違う…
実際には、温度変化とCO2排出量の間には
なんの関係も無い。

人類の化石消費量が急激に上昇した1945年から
1985年ころまでの40年間、
CO2の大量放出にもかかわらず、
気温は急上昇どころか停滞、もしくはやや低下した。

それだけではない。
1900年より前のCO2濃度が低かった時代にも、
中世の温暖期など、気温の変動は起こっていた。
それは当然、CO2が原因ではない。

地球平均気温は、地球表層の3分の2を覆う
海洋地域の低層雲のうち、赤道地域の
雲量変化によって決まり、雲量1%の変化が
約1気温℃に対応するという結論を導いた。

雲が多ければ、太陽光の反射が多くなり気温は下がる。
雲が少なければ、太陽光の反射が少なくなり気温が上がる。
ということだ。

そして雲の量は、宇宙線量の影響を受け、
宇宙線量は太陽の活動の影響を受ける。
つまり、太陽の活動と雲の量に相関があるそうだ。

現在は太陽の活動が小さいので気温が高くなっている、
というのがこの本の説明だった。

なぜ地球温暖化の話があるのかというと、
裏にはお金の話がありそうだ。
「次世代のために美しい地球を守ろう」
というのは確かにその通りだが、
もしその他にそう主張する動機があるのであれば、
そのことは明るみに出るべきだろう。

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感想メモ:PIXER 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話

★★★★★

PIXERと言えば、
トイ・ストーリーやファインディング・ニモ、
カーズなど、数々の3DCGアニメをヒットさせた会社。

と同時に、アップルから追い出されたスティーブ・ジョブスが、
ネクストの次に経営し、IPOで復活を果たした会社、
畑違いの業界でも結果を出すとは、ジョブスすげーなー、
というのが、浅い私の理解だった。

この本の著者は、スティーブ・ジョブスから誘われ、
PIXERのCFOとなったローレンス・レビー氏。
前職はシリコンバレーの弁護士。

アニメーション映画事業というのは、
一本作るのに数年かかり、それが当たれば大きいが、
当たらなければ数年収入なし、という
リスクの塊のような事業。
そんな先の見えない事業を専業とするスタートアップが、
どうやってIPOを果たすのか?

IPOといっても、「お金がいっぱいもうかるやつ」
というくらいの知識のワタクシにとっては、
へぇ〜、IPOってこんなに大変なんだ〜、
という雰囲気も感じられ、
「あ〜、IPOね、アレ、大変だよね〜」
とニワカIPO通になることができた。

現実の話なので、結果はわかっているのだが、
当事者の視点で語られると、確かに簡単な話などでは全くなく、
むしろ異常にハードルの高いIPOだったようだ。
それを成功させた、経営陣の手腕はすばらしい。

ハラハラしながら、どんどん読み進められた。
訳者後書きにも書かれているが、
一般的に知られているスティーブ・ジョブス像とは、
違う一面が見られて、その点も興味深かった。

久しぶりに読書メモをしたためるくらい、おもしろかった。
オススメ。

読んできた本の内容をまとめて紹介。