追悼企画:丘乗夫(仮名)3

第2回の続き


-行方不明になったと騒がれたのが、今年の初めでした。最後に丘さんと会ったのは。

岡:年末の忘年会ですね。毎年、僕ら丘メンツで丘忘年会してるんですよ。 丘忘年会で丘乾杯して丘飲みするんです(ときどき丘リバース)。 そしてクライマックスにさしかかると、日頃の感謝の気持ちを込めて、 丘にお酒をまくんです。 丘もね、おいしい、おいしいって、まさに砂にしみ込むように飲むんですよ。

-しみ込むように、ではなくてまさにしみ込んでいるのですよね。

岡:ノリはね、毎年ドンペリ持って来るんです。 それで、よりによって飲まずに丘にまくんですよ。

-ええ?ドンペリを?なんともったいない!

岡:でしょう?僕らも、まく前に飲ませろよ!といつも言うんですけど、 ノリはまるで僕らが残念がるのがうれしいかのように、 満面の笑みを浮かべながらまくんですよね。

-丘さんの人柄がうかがえるエピソードですね。

岡:去年も、そんなもったいないこと今年で最後にして、次はオレ等に飲ませろよ! と言ってたのですが、まさか本当に最後になってしまうとは・・・

-ドンペリを飲ませるのがイヤで亡くなったわけではないですから、気を落とさずに・・・。 そして2月に入って、衝撃のニュースが。

岡:今度こそショックでした。ノリ、もてそうでしょう? 実際モテるんですけどね。それも老若男女を問わず。 いや、生きとし生けるもの全ての存在が、ノリを好きになってしまうんですよ。

-さすがに言い過ぎでは。

岡:丘へ行っても、ノリだけよく虫にたかられるんですよ。 ノリが歩くと、蚊柱も揺れ動く。砂なんだか虫なんだかよくわからないですね。 いつだったかは、ノリの荷物の中でカマキリが孵化しましてね。 なぜカマキリの卵が入っていたのかも不思議ですが、 なにはともあれ大変な騒ぎでした。

-全般的に、別に好かれているという風には・・・

岡:そんなノリですから、神様にもきっと好かれているんだと。 溶岩のときだって、神様がノリを助けてくれてるんだと。 だからきっと、何かに乗っているときのノリは不死身なんだと、そんな風に思ってました。 しかし、最後は人に乗ったまま天国へ旅立ちました。 いや、天国へ行きながら、天国へ行ったのか・・・

-誰がうまいこと以下略。しかし、人というか女性というか・・・

岡:いや、人に乗っていたんです。 最後までうまく乗ることを考えていたんです、アイツは。そういう男です。 そう。絶対。

-しかし、丘サーフィン界への影響も小さくない。

岡:ノリをよく知ってる僕なんかであれば、最期まで彼らしいな、と笑っていられますが、 丘サーフィン界のカリスマとしてのノリの最期として考えると・・・。 昨今の丘サーフィンの盛り上がりを考えると、確かに決して影響は小さくないです。

-笑ってばかりもいられない。

岡:はい。立場上、コメントを求められることもあるのですが、 どうコメントすればいいのか、やはり最初はとても困りました。 最近は、もう開き直るしかないと思ってますけど。

-そんな丘サーフィン界、岡田さんは「ネクスト丘」の呼び声も高いですが。

岡:ネクストはちょっと(苦笑)。 ネクストネクストネクストぐらいを目指してがんばります(笑)。

-最後にファンの方々に一言メッセージを。

岡:丘には、ノリ以外にもスゴい奴がいっぱいいます。 今なら、そんなスゴい奴らと一緒になって、丘を盛り上げることができます。 丘は僕ら自身をも大きく成長させてくれます。 あ、そういう意味じゃないですよ?

-途中まで良かったので最後で台なしです。 今日は長い間ありがとうございました。

岡:ありがとうございました。