真実の愛

アナタが本当に必要なのは、私じゃないんでしょう?

そんなことないさ。ボクが必要なのは、キミさ。キミ自身さ。
キミなしの生活なんて、考えられない。

でも、アナタがいつも見ているのは、私のポケットの中身・・・
私自身のことは見てくれない・・・

そんなことないさ。
ボクはいつだって、キミのことを見ているよ。
キミのポケットから出てくる道具なんて、オマケみたいなものさ。
例えるなら、カレーについてくる福神漬けみたいなものさ。

アナタいつか福神漬けがないカレーが出てきたとき
「福神漬けがないカレーなんて食えるか!」
って狂ったように暴れたわよね。
つまり私のポケットと中身がないと、私はダメなのよね。

そんなことないさ。
福神漬けがないカレーだって、それはそれでそのなんというかええと風流でいいじゃないか。 でもそれは、ポケットがないキミがそれはそれでそのなんというかええと風流だ、というわけじゃないよ。 つまり、キミはポケットがなくたって十分ステキだってことさ。

じゃあポケットがなくなっても、私を愛してくれる?

も、もちろんさ。

実は私、ポケットなくしちゃったの。
今付けてるのはただのアップリケなの。ほら。

未来へ帰れ。

ウソよ。スペアポケットがあるもの。

ああ、やはりボクはキミなしでは生きていけない。
キミはボクの酸素だ。

やっぱりポケットなくしちゃった。

未来へ帰れ。

ウソよ。

ああ、ボクは

スモールライト。

ああ、ボクの元から小さくかわいらしかった部分が、よりかわいらしく!

しばらく反省しなさい!

待ってよ。これじゃあトイレにも行けやしないよ。

しょうがないわねぇ。ビッグライト。

ああ、ボクの元は小さくかわいらしかった部分が、全くかわいげがないくらいに!

ゴクリ。
あ、あなた、もう寝ましょうか。

そうかい?じゃあそうしようか。
ビシッ!(振り返るときに何かがどこかへ当たる音)