読書メモ:まぐれ—投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか

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まぐれ—投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか
まぐれ—投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか
  • 発売元: ダイヤモンド社
  • 価格: ¥ 2,100
  • 発売日: 2008/02/01

★★★★☆

 人間はランダム性を正しく認識できないということを、投資を舞台に語っている本。「行動経済学入門」と重なる部分が多いが、「投資家のほとんどの成功は運による要素が多いが、実力と勘違いしている場合が多い」と容赦ない。

 著者によれば、ある状況で高いパフォーマンスを出す投資家は、状況に過剰適応している可能性が高く、大暴落などの状況では、全てを吹き飛ばすような大損をすることになる。日頃は高いリターンを得られないが、堅実な運用をしている人の方が長い目で見れば大きなリターンを得る(ロバストネスのトレードオフ)。果たして、投資の世界には前者のような人たちがほとんどだったということが、今回の金融危機で証明されたことになる。

 著者はというと、ロングのオプションしか取らないという変わったスタンスである。彼のアドバイスに従った投資家は、今回の金融危機でも非常に高いパフォーマンスを上げたということで注目を浴びた。
「ブラックスワン」の助言、プラス50%超の運用成績生む−大暴落でも - Bloomberg.com

 難点は、読みにくいこと。「目次で内容がわかるような本は嫌いだ」と語る通り、目次を見ても内容がわからない。意図的なのだろう。

 投資に興味がある人には★5つ。ない人には★3つ。「The Black Swan」という続編あり。

その他の書評などはこちら。
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