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感想メモ:音楽家ならだれでも知っておきたい「からだ」のこと

★★★★★

 体の構造と、正しい使い方を理解する

 体というのは不思議なもので、自分が持っているイメージの中でしか動かせない。例えそれが、実際の体の構造とは違ったイメージでも、だ。

 例えば、股関節がどのあたりにあるか、指し示すことができるだろうか?実は、案外太もも後方の内側にある。

 それを、太もも外側のでっぱりを股関節と勘違いしてしまうと、そこで体重を支えようとしてしまう。すると常に太もも外側の筋肉を緊張させて体重を支えることになる。これは膝を外側に引っ張り続ける力なので、年単位で続くと立派なO脚となってしまう。

 実は上の話は私のことで、誤ったイメージを持っていたせいで体が歪んでしまったのだ。体の仕組みについて、正しい知識・イメージを持つことがいかに大事かを痛感した。

 この本はイラストが豊富で、体、特に骨格について正しいイメージを持つことを助けてくれる。いかに自分の体について知らずにいたか、驚くだろう。

 環椎後頭関節(AO関節)について意識的に生活していれば、首の凝りが減っていくだろう。
 胸鎖関節についてイメージができれば、腕の使い方が変わるだろう。
 股関節について正しい知識を持てれば、太ももの筋肉が柔らかくなるだろう。

 ということで、私としてはとても気付きが多い本だった。★5つ。


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:天皇の戦争責任

天皇の戦争責任
天皇の戦争責任
  • 発売元: 径書房
  • 発売日: 2000/11

★★★★☆

 かなり分厚い本なのだが、著者がいずれも賢い人たちなのでそれほど苦労せずに読めた。対談形式だけに、議論がかみ合っていなかったりして多少読みにくい部分もあったが。

 要点は以下のようなもの。

・今までのような「日本は悪かった=天皇に戦争責任がある=革新派」対「日本は正しかった=戦争責任はない=保守派」という二者択一では、そこから先に進むことはできない
・どちらの意見も極端すぎて、一般の人の感覚とは結びつかない
・戦争には仕方がない部分もあった。しかし悪い点もあった
・そういったところから一般的な共通認識を作り上げることで、日本がこれから国際社会を生き抜いていく土台が作られることになるのだろう

 今までなんとなく「考えておいたほうがいいんだろうな〜」と思いつつもそのまま過ごしてきた問題なので、こういう信頼を置ける人たちが書いているものがあるのは非常にありがたい。

 読み返す価値がある本。★4つ。