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感想メモ:ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。

★★★★☆

34歳で、多発性骨髄腫というガンを発症。
遠くない未来に命を失う可能性が
非常に高いという、著者の幡野氏。

死というものは、間違いなく、
人生において最も重いものの一つだろう。
余命が宣告されるという状況になったとき、
残される家族に何を伝えたいと思うだろうか。

そこで僕は、息子に宛てて
手紙を書こうと思った。
僕が息子に残したいのは、
言葉だと感じたから。

だからこの本は、
僕の息子への手紙であり、
あなたへの手紙でもある。

息子には、「嫌な人は徹底的に避けろ」と教えたい。
僕は嫌な人から仕事の依頼が来たら、
断ってしまう。
それで逃すチャンスがあったとしても、
嫌な人から距離を置き、
自分が優しい人であるように努めれば、
優しい人から別のチャンスが必ず来ると
信じているから。

「優しい人」かどうかを見分ける方法を、
息子に2つ教えたい。
ひとつは、悩み相談にその人が
どう答えるかということ。
もうひとつは、弱い人に
どう接するかということ。

「職業を夢にしてもあんまり意味がない」

お金と仕事というツールを得るために
必要なのが学歴や職業で、
それ以上の意味はないんだよ、と。

仕事をアイデンティティにするより、
家族をアイデンティティにしたほうが
よほどいいと、息子には伝えておきたい。
家族は仕事があろうがなかろうが、
病気になろうが健康になろうが、
変わらないのだから。

「子育てって何だろう」ということを、
僕はつねづね考えているけれど、
最大の目的は子どもが
死なないようにすることだ。

いつか大切な人の病に直面したとき、
「長生きしてね」とたやすく言う前に、
その人の幸せの定義について、
考える優しさを持ってほしい。

人間、未来のことはわからない。
いつ死ぬかはわからないのだから、
自分が学んできたことは、
まとめておきたいと思った。

この読書のメモも、その一つの形なのかもしれない。
今年は、よりアウトプットに力を入れていきたい。
(毎年言ってる)

感想メモ:自分を愛する力

★★★★☆

「自分を愛する力」すなわち
「自己肯定感」について。

「五体不満足」の乙武氏は、
五体満足な多くの人よりも、
強い自己肯定感を持っている。
そしてそれは、両親からもらったもの。

僕が両親の子育てを振り返ったときに
最も重要だと感じたキーワードは
「自己肯定感」だった(p104)

自分の子供が両手足がなく生まれてきたときに、
果たして「かわいい」と言えるだろうか?

そう言えるような母親の元だからこそ、
彼を授かったとも言えるのかもしれない。

思いの根っこにあるのは「わが子のため」なのかもしれないが、
それを無理強いすることで、
いちばん大切にしなければならない
「わが子の思い」を踏みにじってはいないだろうか(p74)

人間関係の課題とは、
自分としては喜ばせているつもりだけど、
相手は喜んでいない、ということに気付く
ことなのかもしれない。

子どもがいる人、これから子どもを持つ人に
特にオススメです。

感想メモ:足が速くなるこけし走り

★★★☆☆

「こけし走り」と言っても、
両手を「気をつけ」の状態にしたまま、
膝を伸ばしたままピョンピョンと
走っていくわけではない。

こ:骨盤
け:肩甲骨
し:姿勢

で「こけし」走りなのだ。

ただ、メニューがたくさん紹介されているので、
どれをすればいいのかと迷いそう。
一番大事なのは、「姿勢」。
P18の、

  • ツイスト
  • ケンケン
  • ホッピング

をやってみるだけでも、
体の使い方が変わるのではないかと思います。

子供の足を速くしたい、
体の使い方を教えてあげたい、
というお父さんお母さんにオススメです。

感想メモ:楽しい子育て孫育て

学習研究社 2011-03-08
¥ 1,500

★★★★★

子育てに悩みがない人というのは、
ほとんどいないのではなかろうか。

「育児は育自」とはよく言うが、
自分の精神的な未熟さを、
思い知らされることこの上ない。

そんな「子育て」に対する心の持ち方について、
小林正観氏が語る子育て論。

天才を育てた母親たちは、
「あなたはあなたのままでいいのよ」
という態度を貫き通しました。(p4)

「子育てに気合いをいれないこと」
「子育てをしないこと」
が、一番の子育てである(p6)

冒頭のこの部分だけでも、
この本を読んだ価値はあると思えた。

しかし人間、いとも簡単に忘れてしまうもの。
繰り返し手に取り、自分の軸を設定し直すという
使い方ができる。

すばらしい。また読もう。

<追記>

心に響く言葉が多かったので追記。

親の指導の通り、教育の通りにしていくのではありません。
親のやった通りに真似をし、そのようなやり方を身につけていきます。(p26)

他人とくらべられないようなもの、
あたたかさとか、優しさとか、思いやりとか、やわらかさとか、
他人との協調性とか、そういうものを評価してあげてほめる(p34)

子供は自分の描いたシナリオ通りに伸びていこうとする、
それを親は見守るだけ、応援支援をするだけ。

親の思いが強ければ強いほど、子供の邪魔をしているのです。(p53)

親はありとあらゆる反応を、子供の前で否定的なものにしないこと、
肯定的なものにすること、すべてを喜びにとらえ、
幸せにとらえるような考え方、感じ方を子供に示していくと良い(p57)

ストレスをためないですむ方法はあります。
「自分の思い通りにしようと思わない」こと。(p112)

人間が「怒り」を感じるのは、
「いやなものを無理やりやらされたとき」なのです…
「努力を」強いられると「怒り」が湧くのです。(p115)

正しいものが勝つのではなく、
「あたたかいものが勝つ」のです。(p119)

人生をせわしなく生きている人ほど、悩みが多いらしい。
いつも何かに追われていて、何かをしなくてはいけなくて、
いつも悩み苦しみを抱えているようです。(p173)

学習研究社 2011-03-08
¥ 1,500

子どもが生まれて、睡眠不足やイヤイヤ期で困っている人にオススメの本

Baby
Baby / M Glasgow

育児は、「初めて」の連続。
しかも、言葉が通じない赤ちゃんとのコミュニケーションは、
大人にとっては戸惑うことばかりです。

自分で経験し、試行錯誤して乗り越えて行くことは、
もちろん大切なことです。しかし、
偉大な先人たちの知恵を借りることは、
悩み多い育児の大きな助けになってくれる

はず。

そこで、悩める新米パパ・ママに、
育児の参考になる、オススメの本を紹介していきます。

本は、自分では一生かけても発見できない知恵を、
授けてくれることもあります。
ぜひ、手に取ってみてください。

 

ぐっすり眠りたい方へ

睡眠が足りない。

赤ちゃんが生まれてから、最初の大きな洗礼は、
これではないでしょうか。

乳児のうちは、数時間に一度起きてしまうため、
こま切れの睡眠になってしまうのです。

母乳は消化が良く、すぐにお腹が減ってしまうので、
ある程度は仕方ありません。

離乳食を食べ始めるようになると、
寝ていられる時間は増えるます。

しかし、
添い寝で母乳をあげているのをいつ、どうやってやめるのか。
つまり、夜間の断乳です。
これは多くのお母さんにとって、かなり大きな問題です。

やめようとすると、赤ちゃんは、
「これまでもらえていたのに!」と当然嫌がります。
どうすれば、スムーズに断乳できるのでしょうか?

そんな方へオススメするのが、この本です。
私たちは、この本にかなり救われました。

他にも、トレイシー・ホッグさんの育児書シリーズはオススメです。
上の本がよかったら、以下のものも参考にしてみてください。

 

 

トレイシー ホッグ
イースト・プレス 2002-10-01
¥ 1,470

 

トレイシー ホッグ
イースト・プレス 2002-10-01
¥ 1,470

 

「イヤイヤ期」に困っている方へ

2歳か3歳から始まる、いわゆる「イヤイヤ期」
英語でも、"terrible two" とか "terrible three" とか言われるそうです。

この「イヤイヤ期」、
「悪いもの」「困ったもの」
という印象を受ける言葉です。

実際、大人からすると、
「時間がないのに、わけのわからない自分ルール
(エレベーターのボタンを押せなかったから、戻ってやり直すとか)
に従うとか、超めんどくさい!」

「ただでさえ時間がないのに、
ノロノロと自分で靴下や靴を履くのなんて
付き合ってられない!」

と、めんどくさく思います。確かにその通りです。

しかし、見方を変えると、少しは気分が変わってくるかもしれません。

「イヤイヤ期」は自律や意思の表れ

赤ちゃんの発達には、時間差があります。

1〜3歳ぐらいで「自律」、2〜4歳ぐらいで「意思」が発達してきます。
しかし、手足や指の力や器用さは、まだまだ未熟です。

つまり、
「やりたい気持ち」と「やる力」がアンバランス
な時期なのですね。

いつまでも、自分で着替えができなかったり、
靴が履けなかったりしたら、それはそれでとても困ります。
自分でできるようには、なって欲しいものです。

いわゆる「イヤイヤ期」は、「小さな自立のプロセス」なのです。
こう考えて、その小さな自立心を尊重してあげると、結構満足してくれます。

その考え方のヒントとなるのが、野口整体の野口晴哉さんの本です。
こういった「イヤイヤ期」や「反抗期」というものに対して、
考え方がかなり変わります。

題名通り、「叱り方」と「褒め方」について語られています。
「褒める」「叱る」ということは、子どもに対して、
何が良いことで、何が悪いことかという規範を伝えることです。  

つまり、子どもの行動規範を作る、ということですから、
実は、かなり気を使う必要があることです。

実際に、「褒め方によって、子どもの考え方が変わる」
ということを示した研究もあります。
パパママ必見! 「適切でない褒め言葉は数年後の子どもの考え方に悪影響を及ぼす」という研究結果


ということで、子どもが生まれた親が直面する問題である、
「睡眠不足」「イヤイヤ期」に困っている人にオススメの本を
紹介してみました。

子育ては先が長いも。
親の方も元気にやっていきたいものですね。

感想メモ:ダーリンは外国人 with BABY

小栗左多里&トニー・ラズロ
メディアファクトリー 2008-03-12
¥ 1,050

★★★☆☆

子供の誕生前後で、親の生活は一変する。

それはどこの国の人でも同じだろうが、
一変した後の落ち着く姿は、
その国の文化によって異なるだろう。

例えば欧米では生れてすぐの赤ちゃんでも
親とは別の部屋で寝るそうだが、
日本ではごく少数派だろう。

ということで、出産&育児マンガとしてもおもしろいのだが、
ラズロさんのコメントのページもおもしろかったりする。

オススメ度は★3つです。
子供を持つ人であればニヤリとしながら読めるでしょう。

小栗左多里&トニー・ラズロ
メディアファクトリー 2008-03-12
¥ 1,050


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感想メモ:「やればできる!」の研究―能力を開花させるマインドセットの力

「やればできる!」の研究―能力を開花させるマインドセットの力
「やればできる!」の研究―能力を開花させるマインドセットの力
  • 著者: キャロル S.ドゥエック
  • 発売元: 草思社
  • 価格: ¥ 1,890
  • 発売日: 2008/10/27

★★★★☆

マインドセットとは、
「考え方の基準」
というような意味。

何を重要だと考えるか、
周りからのメッセージを
どう解釈するかを決める判断基準、
という感じ。

日頃自分がどういうマインドセットを
持っているかという意識はしないが、
日常考えていることが自分を形作るのだから、
マインドセットが人生を決める
といってもいいぐらい重要なものだ。

この本ではマインドセットを
ざっくり2つに分類している。

・こちこちマインドセット
内なる声は自分や他人の品定めばかり
するようになる。

・しなやかマインドセット
この体験から何を学びとることができるか。
どうすれば自分を向上させることができるか。

しかし子供は、ともすると
こちこちマインドセットに
なってしまいやすい。

自分は価値のある人間だ、
人から愛される人間だー
そう思えるのでなければ、
子どもは生きてゆけない。
だから、そのことに確信が持てない子どもは、
それを得るための短絡ルートを示してくれる、
こちこちマインドセットに頼るようになる。

ならば、
子供にしなやかマインドセットに育ってもらうには、
どうしたらいい
のだろう?

ポイントは、ほめ方にあるらしい。

この調査は知能検査の問題を用いて行っているので、
能力をほめると生徒の知能が下がり、
努力をほめると生徒の知能が上がった
ことになる。
頭の良さをほめると、
学習意欲が損なわれ、
ひいては成績も低下したのである。

つまり、
ほめるときは、子ども自身の特性をではなく、
努力して成しとげたことをほめるとよい

ということ。

自分のためになるのはもちろんだが、
すべての親、教師など子供に教える
機会を持つ人は、読んでみるときっと発見があるはず。
オススメ度は★4つです。いい本でした。

ほめ方については、
報酬主義をこえて
野口晴哉氏の叱り方褒め方 (1970年) (潜在意識教育シリーズ)がオススメです。

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感想メモ:忙しいパパのための子育てハッピーアドバイス

忙しいパパのための子育てハッピーアドバイス
忙しいパパのための子育てハッピーアドバイス
  • 著者: 明橋 大二
  • 発売元: 1万年堂出版
  • 価格: ¥ 980
  • 発売日: 2007/11/07

★★★☆☆

ハイパー子育て父親の私にとっては、
特に目新しい内容ではなかった。
が、仕事優先に成らざるをえない父親の人は、
参考になる部分も多いと思われた。

お母さんは大変なんだから、
「仕事だからしょうがない」とか言ってないで、
感謝の言葉をかけて、手伝えばいいじゃないですか。
育児もやってみると大変なんだから。

この本で一番驚いたのはあとがき。

そんな中、私の育児本が書店に並ぶようになったのですが、
子どもたちは、(見逃さないで! 子どもの心のSOS、
という私の本のコピーをもじって)
「見逃してるよ、心のSOS」と言ったり、
「お父さん、ちっとも家にいないくせに、さも子どもの心が
わかったようなこと書いてる!」とか、口々にブーイングの嵐でした。

そうだったの・・・?

オススメ度は★3つです。
マンガもあって、スッと読めます。

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感想メモ:子育てはお金の教育から

子育てはお金の教育から (PHP文庫)
子育てはお金の教育から (PHP文庫)
  • 著者:邱 永漢
  • 発売元: PHP研究所
  • 発売日: 1989/09

★★★☆☆

日本人は一般的に、お金のことについて話すのを、
品がないという風にみなす傾向にある。

とはいえ、生きている限りお金のことはついて回るのだから、
子供にしっかりとお金のことを教えるのは、
親としての責務であるような気がする。

この本は、ビジネスのエキスパートである邱 永漢氏の
教育方針が語られている。内容はお金のことに限らない。
さすが、実用的な教育方針で、自分が実行できるかはさておき、
なるほどなぁ、と考えさせられることが多い。

基本的に、自分が持っている以上のことは教えられない、
という制約が、親による教育の限界である気がする。
まず、お前ががんばれよ、ということでしょうな。
軽く読める本で、参考になりました。
オススメ度は★3つです。

目次
1章 なぜ今、お金の教育が必要か―お金に裏切られる親子関係

2章 バカにされないお金の貯め方使い方―親である自分は大丈夫か

3章 子は親の首かせ財布貸せ―息子の「金銭感覚」とどう対決するか

4章 学歴に負けない生き方―学校は「お金」を教えない

5章 お金からの自立をどうやるか―しっかり者の子供に育てよ

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感想メモ:回想の野口晴哉

回想の野口晴哉 ちくま文庫(の-7-3)
回想の野口晴哉 ちくま文庫(の-7-3)
  • 発売元: 筑摩書房
  • 価格: ¥ 840
  • 発売日: 2006/03/09

★★★★☆

野口晴哉氏と言えば、整体法の創始者。
この本は、野口夫人が語る野口氏の姿なのだが、
他人の目に映る姿だからこそ、そのすごさが際立つ。

十代で道場を開き、愉気をして両親も含む一家を養っていたという。
その頃のものだという言葉も、とても十代のものとは思えない。

我あり、我は宇宙の中心なり。我にいのち宿る。
いのちは無始より来たりて無終に至る。
我を通じて無限に拡がり、我を貫いて無窮に繋がる。
いのちは絶対無限なれば、我も亦絶対無限なり。
我動けば宇宙動き、宇宙動けば我亦動く。
我と宇宙は渾一不二。一体にして一心なり。

この言葉、「ヨーガに生きる」に出てくる
ヨーガの言葉ととても似ている。
それも、行者が長年の修業の末にたどり着いたという言葉に。
この人は、一体どういう人なのだろう。

また、脳科学も今とは比べ物にならないほど未発達だった時代に、
潜在意識の話が出ているのも驚きだ。
最近でも、それだけで本になっているような話もサラッと書かれている。

だから”念じた通りになる訳はない”と思っている人は、
そう思っていることが実現しているに過ぎないのだろう。
人間は自己の可能性をいつの間にか限界しているのかもしれない。

他にも、野口氏は教育の話もすばらしい。

「一人を丁寧に観ていることだ。
そして子供の眼がいつもいきいき輝いているように導くことだ。
それさえ出来れば、大人は簡単さ。
大人の中にある子供を見て話しかければ、それでいいのだ」

野口氏は育児関連の本も出しているので、詳細はそちらに譲りたい。

また、野口晴哉氏は六〇代半ばで亡くなった。
早く亡くなったのだなと言う印象だったが、
人とは密度の違う人生なので、普通の人の八十年分以上、
いや、百年分以上なのではないかと考えるようになった。

野口氏は、あまりに他の人から離れた境地にたどり着いてしまったため、
深い諦めや孤独の中で生きていたのではないか。
やはり野口晴哉氏は、オンリーワンの異能の人だった。
そして、今の時代にこそ、もっと評価されるべき。
オススメ度は★4つです。

関連:


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