★★★☆☆
ぼうず丸もうけ。
フレーズとしては確かに聞いたことはある。
が、実際のところがどうかなど、当然知るはずがない。
その業界の人でなければ…
この本は、副業で会計士をしている業界人(お坊さん)が、
お寺の懐事情お寺の懐事情について語った珍しい本。
しかも税理士らしい。なんかすごい。
しかし、普通の商売と競争にならないような「多額の利益」が発生しているものは、
「そこにきっと宗教的価値がある!」ということが認められて、
税金がかからないのです。
おお、確かに丸もうけっぽい。
しかし、「普通の利益」が出ている場合は、
お寺でも「収益事業」とされて税金がかかるらしい。
なんじゃそりゃ?
お坊さんって、実は「いろんな職業」の方がいて、面白いんです。
医者のご住職、弁護士のご住職、画家のご住職、庭師のご住職、
料理人のご住職、女子大生のご住職…、など個性的な方がたくさんいます。
なんと、お坊さんは副業を禁止されていないらしい。
これまた意外。
「住職」は職業ではないんです。
総本山から、そのお寺の宗教的な代表者として任命される「役職名」です。
法律では代表役員。
「住職」は「社長」だった!
あと、なぜかショックだったのが、
お坊さんも残業手当とかもらったり、
所得税とか住民税とか健康保険料とか払っているということ。
まぁ、お坊さんも保険効かないと病気のとき困るしね。
でも残業手当はなんか意外。
いや、サービス残業しろと言うわけではないけど。
そうそう、雇用保険の条件を満たして退職すると、
お坊さんも「失業手当」だってもらえるんですよ。
俗世間とは隔絶した感じのお坊さんが、
なんかどんどん身近な感じに…
お坊さんはみんな「戒名」を持っているんです。
有名なところでは「瀬戸内寂聴さん」の「寂静」
なにー!生きてるのに戒名が!
と思ったら、戒名って出家するときにつけるものだから、
仏門に入っている人は当然もってるのね。
というように、新鮮な驚きに満ちた一冊だった。
オススメ度は★3つです。
なんとなくそちらの業界について詳しくなった感じ。
ちなみに著者のサイトは
http://www.bo-zu.net/
だそうだ。スピーカーじゃないよ!
なんか電子書籍でも販売してた。
ITに強いお坊さん、キライじゃないな。
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