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感想メモ:スマホに満足してますか?

★★★☆☆

テレビのリモコンは、
「見たい番組を見る」という目的を
達成できるのであれば、
あの形である必要はない。

同じように、電車の切符も、
ポイントカードも、
そもそもの目的を考えれば、
あの形である必然性はないものだ。

冷静に考えると、
「設計がおかしいだろう」
と思われる場合であっても、
自分の使い方が悪いのだ、と
謙虚に使ってしまっていることは多いようだ。

著者は、携帯の予測変換と、
スマホのフリック入力の開発者の増井さん。
同じ人が開発したというのも驚きだが、
彼は日々こんなことを考えているようだ。
おもしろい。

ユーザは自分が何を望んでいるのか
わからないのが普通であり、
基本的な使用に関して
ユーザに意見を求めることはできません。

何かを設計する人には、
将来のユーザが満足するであろう
新しいインタフェースやデザインを
発明する能力が必要なのです。

あと、これは発想がすごい。ステキだ。

面白いページを見たとき
「おおっ」と身を乗り出して体重計に
4キログラム以上の重みがかかると、
現在見ているページがブックマークされる
ようになっています。

どうも、枠にはまった発想しか
しなくなっているな、と反省した。
もっといろんなことを考えて、
遊んでみようと思った。

頭に刺激的を与えてくれる本だった。

感想メモ:スティーブ・ジョブズ I・II

ウォルター・アイザックソン
講談社 2011-10-25
¥ 1,995
ウォルター・アイザックソン
講談社 2011-11-02
¥ 1,995

★★★★☆

言わずと知れた、スティーブ・ジョブズ伝。
ジョブズが亡くなってからちょうど二年。
やっと読んでみた。

10年来のMacユーザーである私は、
大体のストーリーは知っている。

ではこの本に何を求めたのかというと、
「彼が何を大事なことと考えて、Appleを動かしていたのか」
という部分。

その答えに近いものは、結局II巻の最後にあった。

「顧客が望むモノを提供しろ」という人もいる。
僕の考え方は違う。顧客が今後、何を望むようになるのか、
それを顧客本人よりも早くつかむのが僕らの仕事なんだ。(p424)

僕らは自分が持つ感才能を使って
心の奥底にある感情を表現しようとするんだ。
僕らの先人が遺してくれたあらゆる成果に対する感謝を
表現しようとするんだ。
そして、その流れになにかを追加しようとするんだ。(p430)

彼は、「すごい製品」、
そしてその「すごい製品を作る会社」、
それも「何代も続く会社」を作ろうとしていた。
そんな会社には、一流のタレントを揃える必要がある。

彼を完全無欠の人物ではないし、逆にただの人格破綻者でもない。
長所も短所もある、しかし偉業を成し遂げた人物として描かれていた。
ジョブズ本人もそれを望んでいたようだし、それでよかったのだろう。

おもしろかったです。

ウォルター・アイザックソン
講談社 2011-10-25
¥ 1,995
ウォルター・アイザックソン
講談社 2011-11-02
¥ 1,995

感想メモ:クラウドHACKS!

★★★☆☆

クラウドという言葉も市民権を得て、
目新しさはなくなってきた。

一方で、「使いこなせてる?」と言われると、
「Dropboxモゴモゴ」とか
「Gmailモゴモゴ」とか
いった感じである人も多いだろう。

この本では、HACKSシリーズの著者で、
ITツール活用に詳しい小池氏のによる、
一歩進んだクラウドの使い方や、
ノマドワーキングについて書かれている。

基本は、デジタルデータはもちろん
アナログデータもスキャンしてクラウドに上げ、
いつでもどこでも誰とでもアクセス可能に、
というようなコンセプトと考えて間違いはない。

2010年の本で、変化の激しいIT業界では
ちょっと古い情報もあるが、
根本的な思想の部分は変わらない。

私はIT大好きっ子なので楽しく読めた。
IT好きな方にオススメです。


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感想メモ:iPadバカ

★★★☆☆

タイトルが秀逸。
自分が多少なりともiPadバカだと思う人は、
かなり参考になるだろう。

iPadは「とても色々なことができる道具」なので、
使う人によって、使い道がかなり違い、
必然的に一軍アプリも結構違うもの。

それだけに人の使い方を知るのは楽しいもの。
特に達人のそれには、とても興味ある。

読んでみて、やってみようと思ったことは以下の通り。

本なら「未読本」と「読んだ本」という
フォルダーに分けておくのです。

私はPDFを「未読」と、それ以外は分類してます。
ちなみに動画も同様に「これから観る」プレイリストを作って
管理してたりします。

・ノート術は、過去のノートの閲覧用に使う

ノートアプリについては、実は色々試してみたんですが、
結局のところの結論は、
『iPadはノートを「書く」のではなく「見る」のに使う』
というもの。同じ意見ですな。
いつか別記事で書く予定。

単なるアプリ紹介の羅列ではなく、やりたいことがあって、
その手段としてアプリが紹介されていたのがうれしい。
これは自分がiPod touchの記事を書いたときも心がけたこと。
第4世代iPod Touchをとことん使い倒す!私のiPod Touch活用法 – うむらうす

オススメ度は★3つです。iPadユーザーなら★4つ。
色々と参考になりました。ありがとうございます!


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感想メモ:メールの超プロが教えるGmail仕事術

メールの超プロが教えるGmail仕事術
メールの超プロが教えるGmail仕事術
  • 著者: 樺沢 紫苑
  • 発売元: サンマーク出版
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2010/04/05

★★★☆☆

Gmail活用の入門書

著者は、15万部のメルマガを発行する精神科医の樺沢氏。
樺沢紫苑
一日500通オーダーのメールを処理する著者の、
Gmail活用術、というのがこの本の内容。

方針は、以下のようにオーソドックス。

  • フィルタとラベルを活用する
  • 削除しないでアーカイブ
  • あとで検索しやすいような件名をつける
  • スパムフィルターを鍛える

この本を手に取る人は、
「既にGmailを使っている/使い始めた人が、
より便利な使い方を学ぼうとしている」
というケースが多いだろうが、
既にある程度知識がある人にとっては、
やや物足りないかもしれない。

ちなみに、本書で紹介されている中で、
私もやっているオススメは以下の通り。

  • バックグラウンドで送信(Labs)
  • 受信トレイのプレビュー(Labs)
  • スターの使い方は「要返信」または「要処理」
  • ショートカット
    r, shift+r, a, shift+a, shift+c, g then i, x, e, !, #, ?
    くらいをよく使う

ちゃんとやっていなかったのでメモしたのは、以下点。

  • スパムフィルターを鍛えるため「連絡先」をちゃんと登録する
  • メルマガは+を付けたエイリアスアドレスで受け、
    ラベルを付けて受信箱をスキップする

ということで、便利に使おう、Gmail。
オススメ度は★3つです。

関連:


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感想メモ:仕事するのにオフィスはいらない

仕事するのにオフィスはいらない (光文社新書)
仕事するのにオフィスはいらない (光文社新書)
  • 発売元: 光文社
  • 価格: ¥ 798
  • 発売日: 2009/07/16

★★★☆☆

いわゆるノマドワーキングについて。
ちなみに、私が昔やったゲームでは、読み方はノーマッドだった。
ノマドだと、
「それはどの窓ですか?」
「野窓です」

という感じがしてしまう。(しません)

読み方はさておき、ノマドワーキングとは、
「職場以外でも、どこでも仕事ができる働き方」という意味合い。
私もこの考え方にはとても共感できる。

だって、職場って仕事はかどらなくない?
話しかけられるし、電話かかってくるし、知ってる人が関係ある話してるし。
集中して考えごととか、ムリだと思うんですよ。
そして周りの人にそう聞くと、みんなそうだって言うんですよ。
一体職場ってなんだろう。

それであるとき困って、スタバとかに行ったときに書類広げてみたら、
これがまたサクサク進むわけですな。
頭を使う仕事だと、効率(所要時間)は簡単に5倍近く変わる。
考える仕事は絶対外でやった方がいい、と確信したね。

これを私はディストラクターという言葉を使ってきたが、
この本では「アテンションコントロール」というこの本で説明している。
まぁ同じことですな。

「アテンションコントロールは究極の個人のパワーだ」

著者は、集中力が必要とされない作業とされる作業に分け、
気分に合わせてそれぞれを割り当てているそうだ。
情報の「取得・整理」が前者、「掘り下げ・連携」が後者としている。

他にも、ノマド強者である著者の使用ツールが紹介されているので、
知らない便利そうなものがあったりして参考になる。

BylineはMobileRSSでもいいと思っていたが、
元サイトもオフラインで読めるようだ。さすが600円。

日経テレコン21を証券会社経由だと無料で使えるとか、
良い情報がいろいろ得られた。読んで良かったと言える本だった。
オススメ度は★3つです。

関連:


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感想メモ:ウェブPRハンドブック

ウェブPRハンドブック 基本知識から戦略策定・戦術実行・効果測定まで
ウェブPRハンドブック 基本知識から戦略策定・戦術実行・効果測定まで
  • 発売元: 日本能率協会マネジメントセンター
  • 価格: ¥ 1,890
  • 発売日: 2009/12/20

★★★☆☆

要約:以下の3つがポイント。

  1. Yahoo!ニューストピックスへの記事掲載
  2. 全国ネットのテレビ番組への露出
  3. 情報連鎖を目論み、意図的に崩した企画を実施

一次情報ソースを押さえることが大事だということ。
そのためには、サイトを作ったり、イベントを打ったり、
プレスリリースを行ったり、ブロガーへの記者会見行ったり、
いろいろな手段をとった戦略を立てて実行しましょう、と。

ネットが広がっているといっても、はてなを知ってる人の方が
少数派なわけだし、従来メディアをきちんとカバーすることを
怠ってはいけないのだということがわかった。
09年12月30日でもそうだということは、
こういう状態はしばらく続くんだろうな、というのが感想。

プロがどういう感じでウェブPRをやるのかの雰囲気がわかり、
参考になった。オススメ度は★3つです。

関連:


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感想メモ:グーグル時代の情報整理術

グーグル時代の情報整理術 (ハヤカワ新書juice)
グーグル時代の情報整理術 (ハヤカワ新書juice)
  • 発売元: 早川書房
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2009/12

★★★★★

著者は、グーグルの元CIO(最高情報責任者)。
と聞くと「Google万歳!IT超便利!」
みたいな本かと思ったのだが、良い方向に裏切られた。
「情報」というのは、ITに限らないもっと広いテーマだった。

というのも、著者は失読症で、幼い頃から学習や情報の整理に
非常に苦労をした経験を持っていて、その経験から学んだ内容が
本書にまとめられているからだ。

「全員に当てはまる整理術はない」とした上で、
「整理術」ではなく「原則」を紹介している。
原則に沿った上で、方法は個々人がカスタマイズすべきということだ。

ということで、その原則の紹介。

  1. 脳の負担がなるべく少なくなるように、生活を組み立てよう
  2. なるべく早く、頭の中から情報を追い出そう
  3. ”ながら作業”は、一般的に効率を低下させる
  4. 物語を使って覚えよう
  5. いつもそうしているからといって、そうしなければならないわけではない
  6. 知識は力ならず。知識の共有こそ力なり
  7. 思い込みの制約ではなく、現実的な制約をくぐり抜ける術を身に付けよう
  8. 自分を決めつけるのではなく、自分自身に心から正直になろう
  9. 制約を無視すべきケースを知ろう
  10. エンジンをかける前には、どこに向かっているのか、どうやって向かうのかを明確にしよう
  11. 目標の達成方法に幅を持たせよう
  12. 情報を整理するのではなく、検索しよう
  13. 本当に記憶の必要な物事だけを記憶しよう
  14. 大きなかたまりを、小さなかたまりに分けよう
  15. 週一回、重要な情報を見直す時間を設けよう
  16. 完璧な整理術などない
  17. あとで検索しやすいように、デジタル情報には関連キーワードを追加しよう
  18. 文脈の変化を見越して、メモを取っておこう
  19. 文脈の似た仕事をまとめて行おう
  20. 仕事とプライベートのバランスを取るのではなく、融合させよう

頷かされるものが多い。
私が特に頭に残ったのは、1,4,6,7,10,13,18,19。多いな。

1.脳の負担がなるべく少なくなるように、生活を組み立てよう
4.物語を使って覚えよう

脳の仕組みに関しては、以前にいろいろな本を紹介している。
脳科学の本まとめか、「脳」のタグを参考にしてもらいたい。

6.知識は力ならず。知識の共有こそ力なり

目的がチームとして成果を出すことであれば、そうなるはず。

7.思い込みの制約ではなく、現実的な制約をくぐり抜ける術を身に付けよう

制約が、実は自分が勝手にそう思い込んでいるだけということもある。
制約を疑うのは問題解決において、非常に重要。

エンジンをかける前には、どこに向かっているのか、どうやって向かうのかを明確にしよう

これは、人生すべてにおいて大事なことではなかろうか。

13.本当に記憶の必要な物事だけを記憶しよう

「情報のえりわけ」という言葉で説明されている。
情報をインプットする読む目的は、全部を記憶することではない。
重要なのは、自分が欲しいエッセンスを理解することだろう。

そのためには、何が重要なのかを意識しながら
無視する情報、あとで読む情報、覚える情報というように分類する、
そのやり方はその人次第、とのこと。

18.文脈の変化を見越して、メモを取っておこう
19.文脈の似た仕事をまとめて行おう

19が興味深かったところ。
脳は文脈が変化すると情報を捨てて空きスペースを作る。
似たような仕事はまとめて、変化はなるべく小さくするべし、と。

そして変化してしまった時を見越して、
自分があとで読んでわかるようにメモるべし。

最適な紙とデジタルのバランスについても、デジタル万歳!ではなく、
入ってくる情報の量や性質によって異なるので目的によって分けるべきとしている。
・ブレストや情報の整理、記憶なが目的なら、紙の方が良い
・大量の情報整理や情報共有ならデジタルが良い

他にもライフワークバランスや、想定外の出来事が起きた時の
対処法のヒントも書かれている。
巻末のオススメITツールのコーナーも参考になる。

各章末に章毎のまとめがあるだけでなく、
巻末にも簡潔なまとめのパートがある。
そこを読むと本全体の内容が把握できるようになっている。
さすが、本としてもよく整理されている。

これだけいっぱい書くことがあったことからも、
読み返して参考にする本だと感じた。
オススメ度は★5つ!

他の方の書評もいろいろと参考にされると良いでしょう。
意外と知られていない「グーグル時代の情報整理術」のテクニック10選:マインドマップ的読書感想文
グーグル時代の情報整理術のレビュー&クチコミ一覧

グーグル時代の情報整理術 (ハヤカワ新書juice)
グーグル時代の情報整理術 (ハヤカワ新書juice)
  • 発売元: 早川書房
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2009/12

関連:


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感想メモ:フラット化する世界(上)(下)

フラット化する世界 [増補改訂版] (上)
フラット化する世界 [増補改訂版] (上)
  • 発売元: 日本経済新聞出版社
  • 価格: ¥ 2,100
  • 発売日: 2008/01/19
フラット化する世界 [増補改訂版] (下)
フラット化する世界 [増補改訂版] (下)
  • 発売元: 日本経済新聞出版社
  • 価格: ¥ 2,100
  • 発売日: 2008/01/19

★★★★☆

 有名な本書だが、今ごろ読んでみた。

 内容は伝え聞いて知っていた通り。ネットの発達により世界の距離が縮まり、また距離を超えた仕事のアウトソーシングも進行している。このことを「フラット化」というキーワードで述べているわけだが、その要因を大きく3つにまとめている。

 PC1台あれば、距離を超えて世界中から情報を手に入れ、コミュニケーションを取ることができるような「場」ができたということ、その場を利用する「人」が爆発的に増えたこと、その人たちが場の新しい「使い方」を身につけ始めた、という3つである。本書ではこのこと「三重の収束」と呼んでいる。

 
 確かに、「場」はできた。日本はインフラも十分発達していて、ユーザーもブロガーも非常に多い。しかしこの「フラット化」を活用している人は非常に少ない。それは言語の問題があり、またフラット化の恩恵に預からなくても日々暮らしていけるという環境の要因もあるだろう。

 扉が開かれている。では、その扉はどうすれば開くのだろうか。


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感想メモ:おもてなしの経営学

おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由 (アスキー新書)
おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由 (アスキー新書)
  • 発売元: アスキー
  • 価格: ¥ 790
  • 発売日: 2008/03/10
  • おすすめ度 3.5

★★★★☆

 「Life is beautiful」の中島聡氏の本。

 Appleの強みは、ハード・ソフト面での徹底的なUesr Experienceの設計(=おもてなし)にある、という話が最初。次は月刊アスキーでの連載内容の再掲。ここまでで前半2/3。残りは西村博之、古川享氏(マイクロソフト日本法人元会長)、梅田望夫氏との対談。ここは読み物。

 中島氏がすごいhackerであるということは知っていたが、古川氏との対談でかつてのASCII、Microsoftの内情が語られている中で、WindowsやExplorerのインターフェースの開発に関わった凄腕であることを、この本を読んで初めて知った。

 「パラダイス鎖国」と同時期に読んだのだが、個人的には技術的な話が多い本書の方がおもしろく読めた。Microsoftにいた氏であるだけに、MicrosoftとAppleの対比の説明には、説得力がある。ビル・ゲイツはGeekと見られているが、彼の強みはむしろスーツ族としてのビジネスの進め方にある、という話もおもしろい。

 ITが好きな人には★4つ。好きでない人には3つかな。

ちなみに中島氏は最近iphone向けのソフトを開発しで、会社を立ち上げてリリースしている。
その経過がサイトに書かれていて、おもしろい。

関連:


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