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感想メモ:操体法治療室―からだの感覚にゆだねる

操体法治療室―からだの感覚にゆだねる
  • 発売元: たにぐち書店
  • 価格: ¥ 2,100
  • 発売日: 2002/12

★★★★☆

 操体法の雰囲気がわかる本

 操体法の創始者である橋本敬三氏の治療室「温古堂」での治療風景を、物語風に記した本。

 操体法の特徴である「痛くない方へ」「気持ち良いように動く」「気持ちよさを味わう」「動きに抵抗を与える」ということの意味が、数多くのエピソードを通じて深く描写されている。

 例えば「気持ちよい状態で止まり、脱力する」ということにしても、「止まるのは人によって最適な長さは異なる」「脱力の仕方も、瞬間にするのが良い人も入れば、ゆっくりと抜いて行くのが良い人もいる」というように、それぞれの人毎に異なるはずだと説く。

 3秒止めて、瞬間で脱力、という画一的な操法は、入り口としては良いかもしれないが万人に向くものではないということなのだ。

 このように、操体法の本の中でも、かなり深いエッセンスが盛り込まれていることから、他の本をいくつか読んだ後で取り組むと良いと思う。

 ただし、イラストは非常に味があるため、参考にするのであれば他の本の方がわかりやすいかもしれない。この本は文章を味わう本。味わえる内容は非常に豊かである。★4つ。体や健康に興味がある人には★5つ。

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感想メモ:操体法―「ひずみ」を正せば体が治る

操体法―「ひずみ」を正せば体が治る (らくらくブックス)
操体法―「ひずみ」を正せば体が治る (らくらくブックス)
  • 発売元: 家の光協会
  • 発売日: 2000/07

★★★★☆

 操体法の考え方と動きがよくわかる入門書

 「万病の元は体の歪みである」これが操体法の考え方である。その歪みを正し「正体」に導くことで健康になるという「操体法」の考え方の基本、動きの中での診断方法、歪みを正す基本動作について説明されている。

 操体法の本の中では、考え方と動きの説明が共にしっかりなされている部類。イラストも豊富。「痛みのある部分ではなく、体全体のバランスを診る」「痛みのない方向へ動く」「気持ちよい方向へ動く」などの基本がわかりやすく語られている。

 ちなみに著者の一人池田氏は大学でスポーツ・身体科学を専門としているが、胃癌手術後の背中の痛みがどうしても取れなかったのだが、操体法に出会って驚くほど治ったという経験から、操体法の研究をしているとのこと。★4つ。

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感想メモ:音楽家ならだれでも知っておきたい「からだ」のこと

★★★★★

 体の構造と、正しい使い方を理解する

 体というのは不思議なもので、自分が持っているイメージの中でしか動かせない。例えそれが、実際の体の構造とは違ったイメージでも、だ。

 例えば、股関節がどのあたりにあるか、指し示すことができるだろうか?実は、案外太もも後方の内側にある。

 それを、太もも外側のでっぱりを股関節と勘違いしてしまうと、そこで体重を支えようとしてしまう。すると常に太もも外側の筋肉を緊張させて体重を支えることになる。これは膝を外側に引っ張り続ける力なので、年単位で続くと立派なO脚となってしまう。

 実は上の話は私のことで、誤ったイメージを持っていたせいで体が歪んでしまったのだ。体の仕組みについて、正しい知識・イメージを持つことがいかに大事かを痛感した。

 この本はイラストが豊富で、体、特に骨格について正しいイメージを持つことを助けてくれる。いかに自分の体について知らずにいたか、驚くだろう。

 環椎後頭関節(AO関節)について意識的に生活していれば、首の凝りが減っていくだろう。
 胸鎖関節についてイメージができれば、腕の使い方が変わるだろう。
 股関節について正しい知識を持てれば、太ももの筋肉が柔らかくなるだろう。

 ということで、私としてはとても気付きが多い本だった。★5つ。


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