感想メモ:外反母趾は包帯1本で治せる

★★★★☆

外反母趾では、親指が人差し指の側に曲がってしまう。
かかる人は、女性が多い。
様々な治療法があるが、治すのは難しい。
こんな印象。

この本で紹介されている治療法は、
包帯を巻くだけという手軽さ。
そしてそれでも効果があるというのが驚き。

母趾外転筋と母趾内転筋のバランスが取れていれば、
足の第一指ははまっすぐに伸びています。
ところが、開張足でそのバランスがくずれ、
内側のほうへ引っぱる力のほうが強くなると、
足の第一指が第二指側に曲がってしまう…(p24)

簡単に言うと、

  1. 足の甲の筋肉が弱まって、足が広がる(開帳足)
  2. 親指を人差し指側に引く筋肉が、強く引っ張られる
  3. 親指を外側に引く筋肉が弱る

→親指が人差し指側に曲がる
という感じ。

1の、「足の筋肉が弱くなる」ところが元凶であるようだ。
そこで、伸びる包帯で足の甲をグルグル巻くことで、
親指が人差し指側に引っ張られないようにして、元から断つ。
対症療法ではないので、時間はかかっても効果がありそうだ。

本当は、裸足で凸凹な道を歩くのが、自然のトレーニング。
が、そうも言ってられないので、ウォーキングしたり、
お風呂で揉んだりして、筋肉のバランスを整える。
バランスが崩れてしまったら、包帯を巻いてサポート。
ということになるのだろう。

外反母趾に悩んでいる人や、
私のような体・健康マニアの人にオススメです。

感想メモ:実践 行動経済学

リチャード・セイラー,キャス・サンスティーン
日経BP社 2009-07-09
¥ 2,310

経済学は、
「人間は完全に合理的な行動を取る」
と仮定している。
しかし、自分のことを考えればすぐわかるが、
そんなことはない。

さっさとやればいいと、頭ではわかっていても逃避する。
時間のムダだと思うことに没頭する。
10円の節約をして10000円の無駄遣いをしたりする。
何より「めんどくささ」にものすごく弱い。

だって人間だもの。

では、その人間らしさを考慮したらどうか。
具体的には‥

  • 選択肢を多くしすぎない
  • デフォルトの選択肢を推奨されるものとする
  • 選択肢の検討は、可能な限り簡単にする

など。

こういったことによって、
多くの人々が最大の利益を得るような、
制度設計が可能になる。

この本では、こういった工夫のことを
「ナッジ」と呼んでいる。

実例として、
資金運用プランの設計、
保険制度の設計、
などが挙げられている。

この考え方は、人々を狙い通りに動かす、
という強力な力を秘めているので、
良心を持った運用が求められる。

以下、メモ。

社会的影響力は二つのカテゴリーに大別される。
第一のカテゴリーは「情報」である…
第二のカテゴリーは「仲間からの圧力」(ピア・プレッシャー)
である…(p91)

つまり、「みんなやってるよ」効果。
「みんな悪いことやってるよ」にしてはいけない。
「みんないいことやってるよ」にするのがポイント。

社会的に望ましい行動にナッジしたいなら、
現在の自分たちの行いが社会的標準レベルよりも
良いことを絶対に知らせてはならない(p114)

え?がんばりすぎた?もっと手を抜こう。
となるから。

制度設計に関わる人には、
ぜひ一読をオススメしたい。
ただ、ページ数多いので注意。

リチャード・セイラー,キャス・サンスティーン
日経BP社 2009-07-09
¥ 2,310

感想メモ:「疲れない身体」をいっきに手に入れる本

★★★★☆

ロルフィングの施術者である藤本氏は、
「五感」の感覚器を活用することが特徴。

私たちの普段の生活では、外の世界との関わりの大部分を
視覚情報を通して行うため、聴覚情報に意識を向けることは、
身体をリラックスさせるのに役立ちます。(p31)

目と耳と口とゆるめると、
身体もゆるんでくるそうだ。
おもしろい!

もっとも手っ取り早いのは、
瞼の上から指で眼球に触れる方法です。(p33)

眼球を動かす筋肉と首の深部筋には、
解剖学的にも神経学的にもつながりがある(p40)

耳の緊張が「頭の芯」を介して横隔膜に伝わり、
横隔膜が固くなっている(p51)

脚を組みたくなったり、貧乏ゆすりしたくなるのは、
脚が身体を支える機能をしていないことが理由です。

耳を引っぱると、頭も横隔膜もほぐれるというのも、
おもしろい。耳なら、やろうと思えばすぐできるし。

仕事でもプライベートでも、
パソコンが日常に浸透している人は、
眼だけでなく頭が慢性的に疲れがち。

うまく疲れを取ってあげたるためのヒントが、
たくさん詰まった本です。

身体についてマニアックに興味がある、
私のような人もオススメです!

感想メモ:裸足ランニング―世界初!ベアフット・ランナーの実用書

★★★☆☆

日本の裸足ランニングの第一人者、
吉野氏の裸足ランニング指南書。

カカト着地には、重心が内側にかかる
プロネーション(回内)という動作がつきものだ。
過度のプロネーション(オーバープロネーション)は、
シンスプリント(スネの鋭い痛み)の原因になる(p18)

シューズには、このオーバープロネーションを
防ぐ工夫がされているものもある。
しかし驚いたことに、この保護機能が逆効果になっている
可能性があるというのだ。

ところがこれがさらに強いプロネーションを
生み出すことが指摘され始めた。
シューズがケガの原因を作り出し、
助長している可能性があるというのだ(p18)

こんなショッキングな話もある。

ハイチのランニングクラブでは、
シューズと裸足のランナーがほぼ同数いるという。
そこでは、ケガをするランナーは、
シューズを履いているランナーだけだというのである(p22)

シューズが悪いというのではなく、
身体に負担がかかる走り方でも、
シューズの保護機能によって走れてしまう
ということが問題の原因にありそうだ。

裸足ランニングには、この「カカト着地」を直し、
自然な身体の使い方を取り戻すエクササイズと
なりうるということだ。

走るときだけでなく、歩くときにも同じことが言えよう。
普通の人は走るよりも歩く方が圧倒的に多い。
歩き方に気をつけることが、とても大事である気がする。
しばらく研究してみようと思う。

自分の生活に取り入れるかどうかは、
本を読んで判断してください。

おもしろい本でした。

感想メモ:ビブリア古書堂の事件手帖

★★★☆☆

久しぶりにラノベなど読んでみるの巻。

古書がテーマの推理物、という硬派な感じ。

トリックのための人が死ぬようなものは、
なんとなく読めなくなってしまったのだが、
そんなこともなくスッと読めた。

やっぱりキャラ立てなんだろうなぁ、などと、
ちょっと横にズレた感想。

著者の本ラブな感じが伝わってきて好ましかった。
続きも読んでみようかな。

感想メモ:ペスタロッチ伝―その思想と事業

★★★☆☆

森信三さんの本で「読むべき」と言われていたので、
読んでみた一冊。

ペスタロッチが、自身の子供、そして孤児院、学校での
教育を通して得た知見は、普遍的で、育児に関わる上では、
知っておきたいことが多い。

知慧をもって調整された自由は、
子供の目を広くし耳を注意深くさせる。
それは彼の心に平穏、喜悦、均衡の取れた気分を弘める(p56)

彼自身が見聴き、発見し、出会い起ち直り、誤るようにせしめよ。
可能な限り言葉ではなしに行為をもってせよ!
彼が自分自身でなし得ることを、
それを彼はすればよいのである! (p57)

彼は常に何かしており、常に能動的にあるように、
そして何時が彼を束縛しない時間が
少年時代の最大部分をしめるように!(p57)

汝がよくないと考えているものを何か彼が欲する時には、
彼にその結果を告げ、彼の自由を彼に委ねよ。
併しその結果が彼を傷つけるようにしておけ。
彼に常によき道を示せ(p57)

彼は、悪が慈善によっても、立法によっても、説教によっても
克服されないことを認めていた。
教育が彼にとってはその唯一の救済法と考えられた(p116)

生涯を教育に捧げたペスタロッチ。
その人生は、本人にとっても家族にとっても、
多大なる苦難の道だった。

ということで、
教育に生涯を捧げた偉人がいた、
ということを知ることができた。

1963年出版の本で、言葉遣いが古いこともあり、かなり読みづらい。
教育関係の人にとっては、必ずや得るものがあるだろうが、
一般の人が読むのは、かなりしんどいかもしれない。
森信三さんの本、例えば「人生二度なし」「修身教授録」
が良いと思う。

感想メモ:もっとシンプルに楽に生きることをはじめよう!

★★★★★

「本当にやりたいことがみつからない」

そんな漠然とした思いを持つ人は少なくないだろう。
かといって、具体的な行動を起こせるわけでもない。
そんな場合、その裏には別の感情が潜んでいるようだ。

本当は心の中で「失敗するのが怖い」と思っていると、
“やりたいこと”に向けて実際に行動することはない(p31)

なぜ怖いのか?
他人のモノサシが自分の基準になってしまっては
いないだろうか。

他者中心になっていく特徴的な思考は、
「しなければならない、してはいけない」
「したほうがいい、しないほうがいい」
この2点が代表である(p45)

「これでうまくいくのだろうか。
もしうまくいかなかったら、どうしよう」
などと、「思考」を基準にしている限り、
悩みの種は際限なく生まれていく(p108)

「思考」で「感情」を抑えつけてはいないだろうか?

感情や経験のレベルで抱く「実感(意識)が形になる」(p153)

思考で「やるべき」と思っても、
感情が「やりたくない」ことは、一向に進まない。
あるいは、進めるのに、多大な精神力を必要とする。
つまり、続かない。

相手の話は、単なる意見だ。
あなたがそれに従う必要はない。
相手の言葉は、相手のものだ。
あなたがそれに耳を傾けたくなかったら、
それを否定することも拒否することも、
戦う必要もない(p150)

自分の感情を基準にして、”いま”自分の眼の前にあること、
起こっていることに向き合って、”いま”感じるまま、
思うままに行動し、自分のために生きるだけでいい(p168)

「感情を大事にする」
ことの重要性を強く説く本だった。
同時に、シンプルな指針も与えてくれた。

自分を愛するための根本的原則は、
「それをしたいか、したくないか」
である(p193)

ということだ。
そして、これはとても大切なことだと、
私のゴーストがささやいている。

20代、30代の社会人に特にオススメです。

感想メモ:ライフ・トラベラー

喜多川 泰
ディスカヴァー・トゥエンティワン 2013-08-13
¥ 1,365

★★★★☆

人生は旅のようなものだ。
という考え方を持ったことは、特になかった。

そんな私ではあるが、この本で言わんとすることは、
とてもしっくりきた。

むしろ、これまでの経験から、現在持つに至った考え方を、
ピッタリと言葉にしてくれていることに驚いた。

著者の喜多川泰さんと考え方が似ているのか、
あるいは喜多川さんの本に影響されてきたのか。
おもしろかったから、どちらでも良いことにする。

<やりたいこと>を<やらなきゃいけないこと>に
変えなければいいだけさ(p64)

目の前にやってくることに全力で取り組めば、
楽しく感じて、その中からやりたいことが湧いてくるんだって(p66)

これから誰かに出会うかなんて、どんなに<損得>を考えても、
将来を計算しても誰にもわかりっこない。
でも、その出会いが中心となってぼくたちは人生を創っているんだ(p73)

いま真剣に取り組んでいることから
情熱を感じるものがあったら何か行動を起こす、
という生き方のほうが、自分が想像している以上の
幸せが手に入る。驚くべき人生が待っている、
とぼくは思うんだ(p74)

タイトルの「タイム・トラベラー」については、
小さい驚きが待っていたので、ここでは書かない。

読んだ感触は「スタートライン」に似ていた。
もっと続きが読みたいのに、終わっちゃったなー、という感じ。

今後も期待してます。

喜多川 泰
ディスカヴァー・トゥエンティワン 2013-08-13
¥ 1,365

感想メモ:採用基準

伊賀 泰代
ダイヤモンド社 2012-11-09
¥ 1,575

★★★★☆

日本に足りないのはリーダーやリーダーシップであると同時に、
「リーダーシップに関する、重要性や必要性の認識」です(p172)

と、マッキンゼーで12年間採用業務を担当してきた著者は言う。

これは、日本にはリーダーシップに対する誤解があり、
その誤解によって、リーダー経験を持つ人が
不足していることに原因がある。

  • リーダーは一人いればいい
  • リーダーが全部やる。他の人は見てればいい
  • リーダーは全員の意見をまとめなければならない
  • リーダーは調整役である

これらはすべて誤解である。

リーダーとは、
成果を出すことを優先する人
のことなのだ。
他のことは、例えチームの和ですら、二の次となる。

目標を掲げ、先頭に立って進み、
行く道の要所要所で決断を下し、常にメンバーに語り続ける、
これがリーダーに求められている四つのタスクなのです(p133)

リーダーの困難さを知っている人ほど、
リーダーをサポートする良いメンバーにもなれる。

リーダーの苦労を知っていればこそ、
リーダーシップを取った勇気ある人が、
何を求めているのかがわかるようになるからだ。

メンバーがリーダーにどこまでついていけるのかということは、
「その成果を出すことに、それぞれのメンバーがどこまでコミットしているか、
成果を出すことを、みんながどれほど重要だと思っているか」
にかかっているのです(p109)

リーダーシップを取るという経験は、決して楽なものではない。
特に初めての場合、様々な苦労を経験するだろう。
でも、それは将来、必ず大きなものとなって返ってくる。

道に落ちているゴミを拾うのだって、リーダーシップ。
そんな小さなところからでも、始めてみよう。

「リーダーシップとは、学び、鍛えるべき資質である」
(Trainable なスキルである)

のだから。

全般的に、その通り、と頷ける本でした。
日本を良くするためにも、多くの人に読んで欲しい一冊です。

リーダーシップについての本は、以下にまとめてあります。
リーダーシップ

伊賀 泰代
ダイヤモンド社 2012-11-09
¥ 1,575

感想メモ:野球の本当のこと、全部話そう!

★★★★☆

ピッチャーというポジションでありながら、
48歳まで現役で活躍した工藤投手。

体のケアやトレーニングについては、
相当の研究家だったという印象。
読んでみて、内容は技術的な内容も豊富で、
その印象を裏付けるものだった。

野球の技術的な内容については、
書き出すと長くなるので、
好きな人が本を読んでみてください。

以下、共感した部分。

なぜプロで長く野球を続けたいと思うのか?
そういったことを自問自答しながら、
不安を打ち消すためにも毎日、
緊張感のある練習をしなくてはいけないのです(p197)

目標と犠牲。この言葉はプロ野球において
表裏一体と言えるでしょう。
目標をしっかりと持ち、それに向かっている人間というのは
寡黙に練習を続けているものです(p198)

「目標と犠牲」は、プロ野球だけの話ではなく、
社会人における仕事のバランスにも言える話。

まず、人以上の量。
その上で、量より質。
というように転換していくのだろう。

為末氏、梅原氏の本に続き、
同じような内容が語られている本が続いている。
感想メモ:勝ち続ける意志力
感想メモ:負けを生かす技術

勝負の道のプロが語る内容は共通している、
という例が、またひとつ積みあがった。

読んできた本の内容をまとめて紹介。