感想メモ:スティーブ・ジョブズ-偶像復活

スティーブ・ジョブズ-偶像復活
スティーブ・ジョブズ-偶像復活
  • 発売元: 東洋経済新報社
  • 価格: ¥ 2,310
  • 発売日: 2005/11/05

★★★★☆

 Appleの創始者にしてAppleを一度クビになり、NeXT、Pixerの経営者を経てAppleに帰ってきたカリスマ。技術とデザインに長けた天才的な経営者、というイメージが彼にはある。しかし彼の内面はもっと複雑であるということが、この本を読んでわかった。

 彼の周囲の人を巻き込むカリスマ性を持つ一方で、自分と意見が合わない者なら、長年会社を支えてきた部下に対してすら、かなり厳しい、むしろ人の血が通っていないかのような仕打ちをしたりする。人を惹きつける魅力はあるのだろうが、彼の下で働くのは相当つらそうだ。

 彼のプレゼンテーションの才能は、掛け値なしに天性のものだ。一方、技術については、彼はさほど精通している訳ではないようだ。デザインに対するこだわりは尋常ではなく、それはしばしば技術的な限界を超えた要求となって現れ、結果として設計ミスの製品となって現れる。最近はかなりヒットが多いが、以前は売れないものを作っていたのだ。

 にしても、コンピューター、アニメ、音楽と3つの分野で大ヒットを飛ばした彼の業績というのは掛け値なしにすばらしいものだ。Appleに興味がある人は面白く読めると思う。ただし、長いので読むのに時間がかかるのが難点。


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です