感想メモ:1日を48時間にして夢をかなえる

★★★★☆

ざっくりとまとめれば、
「潜在意識を活用したTodoリスト活用法」

しかし内容はかなり盛りだくさんで、
サラッと書かれている章でも、
深く掘ればそれがまた本一冊になりそうな感じ。

Todoリストの使い方が、
非常に詳細に研究されていて、
私はかなり参考になった。

中長期的な目標は完了形で書く
というのは初めて知ったが、
試してみたらかなり効果があって驚いた!

味をしめて、短期的なタスクも全て
完了形で書くようにしたら、
これまたかなりいい感じ!
取りかかるまでの心理的なハードルが
下がる感じ。おもしろい!

ただのTodoリストではなく、
人生をどう生きたいのか、
というところまで話は進む。

細かいノウハウが得たい人にも、
人生を深く考えたい人にも、
気付きがある本だと感じた。

良い本でした。

感想メモ:姿勢の医学

★★★★☆

50年のキャリアを持つ治療家の、
ノウハウが詰め込まれた本。

残念ながら、体のこと、特に手技のテクニックを
文字で表すのは非常に難しい。
豊富な経験から得られたノウハウなのだが、
一般の人には読んでも、なぜそれが効くのか
理解できないことが多いと思われる。

著者の持つ知識の1%が得られればいい方だろう。
読み手を選ぶ本かもしれない。

ただ、症状別に一人でもできる調整法が
いくつも紹介されているので、
それらを試してみるだけでも、
その膨大なノウハウの恩恵にあずかれるはず。
それだけでも一読の価値がある。

身体バランス法では、患部に遠い方のツボから操作します。
ヘソを中心にして、体を上下に分け、
上半身が悪ければ足首に近いツボを、
下半身が悪ければ手首に近いツボ、というわけです。

 

かぜの治療は、伸筋と交感神経の緊張をゆるめ、
肺の働きを正常にするための操作です。

プロかそれに近い知識がなければ、
読んで覚えるのは難しそう。

本棚に置いておいて、困ったときに試してみる、
常備薬のような使い方が良さそう。

体は奥が深い。

感想メモ:「雲」の楽しみ方

ギャヴィン・プレイター=ピニー
河出書房新社 2007-07-18
¥ 2,520

★★★★☆

子供の頃、空を見上げるのは好きだった。
しばらく忘れていたが、最近思い出して
空を見上げるようになった。
そんなときにこんな本を見つけて、読んでみた。

  • 雲はどうやってできる?
  • 雨が降る雲と降らない雲の違いは?
  • 雨が降る雲はどう育っていく?
  • 雲を見て、雨が降るのを予想できる?
  • 前線ってなに?

こんな疑問に答えてくれる本。

著者はThe Cloud Appreciation Society
「雲を愛でる会」を主催している。
言葉通り、「雲を愛でる」人が参加する組織だ。

一年が経つ頃には、
二五カ国の一八○○人が会員になっていた。
それがみな、空に漂うもやもやとしたものを
愛でるためだけに結びついているのだ。(p8)

 

空気は塊として動き、
ちょうど海に暖流と寒流があるように、
冷たい気塊と暖かい気塊は想像するほど
混ざりあわないことがわかった。(p196)

これが温暖前線とか寒冷前線とか。

論文は地球全体ではなく
一国の温度上昇に関するものではあるが、
飛行機雲から生じる高い空の雲が
地球温暖化の大きな一因であることを示している…(p298)

私にとってはものすごく楽しい本だった。
これからは、雲を見ると一味違った
楽しみ方ができそう。楽しみだ。

空が好きな人は、ぜひ。

ギャヴィン・プレイター=ピニー
河出書房新社 2007-07-18
¥ 2,520

感想メモ:体幹スイッチランニング

★★★★☆

トライアスロンやランニングのコーチ、
青山氏のランニングレッスン本。DVD付き。

「走る」ということ自体は誰でもできるが、
「長い距離を走る」となると、
体の歪みやフォームの歪みが、
容赦なく体に襲いかかる。

長い距離を、故障なしに走れるようになるのは
簡単なことではない。
特に、正しい知識を持つことが非常に大事。

この本は、そういった知識を持つ良いテキストとなりそう。

動きづくり、つまりは走るのに必要な
カラダの各箇所にスイッチが入っていなければ、
「美しい走り」が実現しないからです。(p8)
「正しく走る」ためには、「正しく立つ」ことが大切です。
正しい立ち方ができていないと、走り込んでも効果は上がらず、
むしろ故障を招いてしまいます。(p10)
1「腕を下で後ろに引く」
2「上体を、やや前傾させる」
3「足は真下に置く」

本の後半は、
正しい立ち方をつくるためのトレーニング、
動きづくりのためのトレーニングが紹介されている。
DVD付きなので、動きを観ながら確かめられる。

基礎から作り上げるという、正攻法な作り。
既に走っている、あるいはこれから走ってみよう、
という人に、特にオススメです。


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感想メモ:肩こりにさよなら!

★★★☆☆

肩こりと一言で言っても原因は一つではなく、
その対処法も一つではない。
それが、肩こりの対策を複雑なものにしているし、

「肩こり」や「首こり」は、精神的・肉体的なストレス、
コラーゲンやエラスチンが関係する筋膜、
肩こりをおこしてしまうバランスの崩れた筋肉、
体全体のバランスに影響を与える姿勢や歩き方など、
さまざまな要因が悪循環となって生じます。(p21)

筋肉をほぐす
筋膜リリース
エクササイズで姿勢を整える

というアプローチ。
著者の竹井教授は筋膜リリースの名手でもあるので、
筋膜リリースについて、特に参考になる。

コラーゲンがリリースされるには、
筋肉のストレッチングよりも時間がかかります。
1つの方法につき、90〜120秒間ゆっくりと持続的に
伸ばしてください。(p40)
「気の流れ」と呼ぶ人もいますが、「気」は流れません。
「気」の正体は、全身をおおう「筋膜の流れ」です。(p50)
筋膜ラインに沿って、痛い場所を見つけたら、
その場所を、「いた気持ちいい」程度に押してから、
押したまま小さな円を描くようにほぐしてください。(p54)

紹介されているエクササイズを全てこなすことはできないし、
そんなことも期待されていないだろうから、
これ、と思う2つ、3つぐらいを生活に取り入れてみるだけでも、
体は変わってくるのではないかと感じた。

しばらく、自分の体で人体実験してみたい。


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感想メモ:走りながら考える

為末 大
ダイヤモンド社 2012-11-23
¥ 1,575

★★★★☆

「走る哲学」に続いて読んだ、
400mハードラー為末氏の本。

題材は、スポーツというよりも、
彼がハードル競技人生から学んだ
教訓的なものをまとめたもの。
「走る哲学」はtwitterの投稿を
集めたものだったが、内容は近い。

その応用範囲は、ハードル選手はもちろん、
スポーツ選手だけにも留まらない。
ビジネスマン、大人、大学生、高校生ぐらいまでは
対象範囲内だろう。

負けてももう1回やればいいんだ、
できなければ別の世界に行ってもいいんだと
思えることが大事で、こういう感覚を学ぶには、
やっぱり実際に負けてみるしかない。(p29)
相手に愛してもらわないと自分には価値がない。
そう思い込むことをやめてみる。
そして、自分で自分自身を愛するように努力してみよう。
他人が自分を肯定してくれるから自分は素晴らしいと
思っている間は、残念ながら満たされない。(p56)
夢を持つこと、そしてチャレンジの奨励に大事なのは、
結果をその人の責任にしないこと。
力を尽くしてやるだけやったら、あとは自分のせいじゃないと
思うくらいがちょうどいい。(p61)
全体のバランスで見始めると、
欠点が欠点だけで存在しているのではなく、
長所とセットになっていることがほとんどだった。
欠点には「存在する理由」があったのだ。(p86)
「苦しさ」や「一生懸命」「必死」でやっている人は、
「無我夢中」「リラックスした集中」でやっている人には
どうしたって勝てない。(p119)

25年の競技人生から紡ぎ出される言葉は、重い。
ただでさえ、25年と言う時間は決して短くない。
それに加えて、相当密度の濃い25年だったに違いない。

最後に引用した部分は、どの分野にも当てはまる、
非常に大事な言葉だと感じた。

日本社会は、ガマンが美徳の文化。
しかし、苦労を捧げて結果を見返りに求めているだけ。
このエネルギーで動くのは、つらい。
結果が伴わない場合は特に。

引用の数が示すように、気づきが多い本でした。

為末 大
ダイヤモンド社 2012-11-23
¥ 1,575


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感想メモ:つながる技術―幸運な偶然を必然にするには?

★★★★☆

「チャンスは人を介してやってくる」
その通りだろう。しかし
「だから人脈作りが大事だ」
となると、
「役に立つ人しか要らないよ」
という感じで引っかかる。

しかしこの本での「つながる技術」は
もっと柔らかいテイストで、
「人を喜ばせると、その結果としてつながる。」
という感じだった。

私も、そういう順序だと思う。

どんな分野でもいい。
「とりあえずあの人に聞いてみよう!」
それだけで、周りに自然に人が集まってくるはずです。(p27)
なんでもないいつもの日常の一コマに、
幸せを感じる瞬間がたくさんあります。
そう考えると、幸せになるのは簡単です。
ただ、気づけばいいだけのことなのですから。(P88)
「みんなに喜んでもらいたい」より、
「あの人を喜ばせたい」と思っています。

“みんな”を想定するより、大切な一人のことを思ったほうが、
結果的にいい仕事になりそうな気がするからです。(p128)
漠然とした夢じゃなく、
「十年後、自分はどうなっていたいか」
のビジョンを
描いておくのがいいと思います。
十年後のなりたい自分に向けて、
今から準備ができるからです。(p132)
けれども、何もしなければ、何も始まりません。
もっと偶然を好きになってください。
そしてその偶然が、やがて必然だったと思えるようになったら・・・
そのつながりは本物だと思います。(p135)

「偶然を好きになる」
いい言葉に出会えた。

人付き合いに限らず、
心に留めておきたい言葉だ。

私が今後意識しようと思ったことは、以下の3点でした。

  • やってみる。偶然を好きになる。偶然を楽しむ。
  • あの人(誰かじゃなくて)を喜ばせる。
  • 日常の幸せに気づく

サラッと軽く読め、気づきもある良い本でした。
ありがとうございました。


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感想メモ:夢を実現する発想法

川口 淳一郎,山中 伸弥
株式会社致知出版社 2013-01-11
¥ 1,260

★★★★☆

iPS細胞の研究でノーベル賞受賞の山中教授と、
「はやぶさ」のプロジェクトマネージャーの川口氏の
講演内容や対談。

どちらも努力だけで成し遂げられる成果ではない。
どちらも、周囲の声に左右されない、
ある種の信念のようなものが必要だったはず。

特に興味深かったのは、山中教授の経歴。
ずっとiPS細胞一筋なのではなく、
二回ほど大きな転換をして、たどり着いている。

逆に言えば、最初の専門一筋でやっていたら、
これほどの成果には結びついていなかっただろう。

不器用だった僕は通常なら十五分で終わるはずの手術が、
一時間経ってもまだ終わらない。
ジャマで役立たずの「ジャマナカ」と呼ばれていました(笑)(p55)
大きな流れで言うと、
二回の予想外な結果が出て幹細胞に連れていかれた、
という感じですね。(p57)
だけど本当に好きなものを見つけるまでは、
三日坊主で大いに結構だと思うんです。
もちろん一日でやめちゃダメですが、
三日坊主は「二日頑張った」というところがだいじなんですね。
それで三日目に展望が開けなければ、別の道へ行けばいいと。(p60)
でも一人じゃ絶対にダメです。それを支える人がたくさんいて、
その人たちのモチベーションが続くかどうかが大切なところで、
それを繋げるものは「心」しかない。(p72)
だから独創的じゃなくてもいいからまず実験に取り組んでみて、
その結果を色のない目で見られるかどうか。
独創力を発揮できるか否かは、
そこにかかっているんじゃないかと思います。(p78)

目の前のものを、これまでのものを捨ててでも、
掴むことができるか。その準備ができているか。
支えてくれる人はいるか。

そう言ったことが、大きな仕事をする上では
不可欠な要素なのではないかと感じた。

ページ数は少なくサラッと読め、
かつ気になるフレーズが多い本でした。

川口 淳一郎,山中 伸弥
株式会社致知出版社 2013-01-11
¥ 1,260


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感想メモ:犯罪者はどこに目をつけているか

★★★★☆

防犯についての話、というだけならさほど珍しくはない。
しかしこの本の特徴は、窃盗のプロが語る、
対象とする町、家、人の選び方や、
手口などが書かれていること。

防犯対策になる、と思っているものでも、
プロに狙われればほとんど役に立たないことがある、
ということは知っておいた方がよいかもしれない。

その結果、「被害者、あるいは被害家屋の塀の手前
およそ5メートル」で、明らかな変化が
生じることがわかった。(p35)
獲物の手前20メートルで、
犯罪者は三つの点に注意しながら意思決定を行う。
①接近成=うまくいい獲物に近づける=実行できる(近づけた)、
②逃走性=うまく逃げることができる(逃げることができた)、
③直感=目的を達成するのにいいイメージがある(あった)、(p41)
では、どんな人が狙われやすいのか…
①襲うだけの価値があるもの
②無防備であるもの
③体力がないもの
④心理的強度が弱いもの
⑤孤立しているもの
⑥襲いやすい環境下にいる者…(p58)
また、すれ違う瞬間には、相手との間が
「相手の身長×0.8」は空くように
心がけて歩かねばならない。(p75)
「この町でやる」という品定めの決め手となるのも、
駅前と町中の落書き、ゴミ(汚れて剥げかけた
ポスターは落書きやゴミに等しい)、
放置自転車の三大汚れだという。(p94)

結局の所、近所付き合いの濃密さ、
町並みや家の周囲の乱れ具合、
狙われやすい場所は通らない、
といった地道な対策こそが、
防犯の近道であるようだ。

つい先が気になって、
一気に読んでしまいました。
興味深かったです。


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感想メモ:2022―これから10年、活躍できる人の条件

★★★★☆

著者は、エモーショナルマーケティング、
マインドマップ、フォトリーディング、全脳思考など、
日本に数々の影響を与えてきた神田昌典氏。

本の内容は、歴史や商品のサイクル、教育や起業、
会社組織や経営など多岐に渡る。

また、神田氏が癌であったということ、
会社の経営がうまくいかなくなった話など、
ショッキングな話もあった。

しかし総じてとらえると、
「今後日本を支えていく20代、30代、40代への応援のエール」
としてつながっているのだと読めた。

デント氏の予測法を極めて単純化して言えば、
景気は四六歳〜五○歳の増減によって決まるというものだ。
この年代は、人生で最もお金を使う年代であり、
節約したくても、出費を抑えられない。(p86)
いままでビジネスにおいては、
社会性と収益性は矛盾すると思われてきた。つまり
「社会に良いことをやっても、なかなか儲からない」
がビジネスの常識だったのだ。しかし、このところ急速に、
「社会に良いことをしなければ、儲からない」
に変わってきた。(P148)

一度死を間近なものとして見つめた神田氏。
今後の日本にも影響を与えながら活躍していく、
キーパーソンなのだという印象を強くした。

新書サイズながら、印象に残る濃い本だった。
ありがとうございました。


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読んできた本の内容をまとめて紹介。