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感想メモ:スタンフォードの自分を変える教室

ケリー・マクゴニガル
大和書房 2012-10-20
¥ 1,680

★★★★★

やりたいことが、やれない。
意思力が負けてしまう。
誰でも経験があることだろう。

この「意志力」を強化し、
豊富な誘惑に負けないようにする。

そのヒントが、脳科学の知見を元に、
日常生活でも役立つ形で数多く提供されている。

おもしろいのは、一般的に信じられていることでも、
実験データで否定されていることがあること。
これは、知っているだけで人生が変わりうる。

意思力とはつまり、この
「やる力」「やらない力」「望む力」という
3つの力を駆使して目標を達成する力のことです。(p30)

意志力は消耗する。回復させることもできる

脳が自制心を発揮するために実際に必要なエネルギー量は、
1分につきブレスミント1粒の半分にも満たないといいます。(p103)

肉体の疲労は脳が体をだますための策略だということ…
もうダメだというサインを体が最初に出したあとも、
アスリートの肉体には、まだしばらく限界はこない…(p117)

道徳的によいことをしているような気分になると、
よいことをした分、悪いことをしてもかまわないような
勘ちがいを起こしてしまう(p163)

ドーパミンには報酬を期待させる作用があるが、
報酬を得たという実感はもたらさない…
ドーパミンの作用は行動を起こすためのもので、
幸福感をもたらすのではない(p173)

ストレスは意志力を蝕む

最も一般的なストレス解消法は、
実際にそれらの方法を行っている人びとから、
ほとんど「効果がない」と評価されました。(p203)

ストレスによる意思力の挫折を防ぐには、
誘惑に負けることなく気分転換のできる方法を見つける必要があります。
そして、自分を責めたり批判したりして自分をコントロールしようとするのは、
やめなければなりません。

ストレスを感じるとー怒り、悲しみ、自身喪失、
不安などのネガティブな感情も含めてー
脳は報酬を求める状態に切り替わる…(p205)

最も効果的なストレス解消法として、
「エクササイズやスポーツをする」「礼拝に出席する」
「読書や音楽を楽しむ」「家族や友達とすごす」
「マッサージを受ける」「外へ出て散歩する」
「瞑想やヨガを行なう」「クリエイティブな趣味の時間をすごす」(p207)

ストレスを感じているときの脳は、
どうすれば気が晴れるかについて正しい判断ができない(p207)

意志力を強める方法

意思力をてきめんに高める方法があります。
それは、呼吸のペースを1分間に4回から6回までに抑えること。(p74)

自分に厳しくしても意思力は強くならない…
自分への思いやりー自分を励まし、自分にやさしくすることー
は、やる気の向上や自制心の強化につながります…(p220)

驚いたことに、罪悪感を抱くよりも自分を許すほうが
責任感が増すのです(p221)

悪い習慣も好ましい変化も、ともに人から人へ
ウイルスのように感染する(p274)

悪習慣をやめる

「そんなことをするのは、あなたが絶対に
仲間になりたくないような人たちの習慣ですよ」
と言えばよいのです(p290)

ほんとうに心の平安を望み、自己コントロールを
向上させたいなら、頭に浮かんでくる考えを
コントロールすることは不可能だという事実を
受け入れる必要があります。
私たちにできるのは、自分が何を信じ、
何に従って行動するかを選択することです。(p333)


かなり多くの気付きが得られた、充実の一冊だった。
スタンフォードの人気の講義とのことだが、
確かに「人生を変える教室」なのだろう。

オススメです!

「やる気」については、以下にもたくさん書きましたので、
参照してみてください。

個別の本としては、以下がオススメです。

ケリー・マクゴニガル
大和書房 2012-10-20
¥ 1,680

感想メモ:楽しい子育て孫育て

学習研究社 2011-03-08
¥ 1,500

★★★★★

子育てに悩みがない人というのは、
ほとんどいないのではなかろうか。

「育児は育自」とはよく言うが、
自分の精神的な未熟さを、
思い知らされることこの上ない。

そんな「子育て」に対する心の持ち方について、
小林正観氏が語る子育て論。

天才を育てた母親たちは、
「あなたはあなたのままでいいのよ」
という態度を貫き通しました。(p4)

「子育てに気合いをいれないこと」
「子育てをしないこと」
が、一番の子育てである(p6)

冒頭のこの部分だけでも、
この本を読んだ価値はあると思えた。

しかし人間、いとも簡単に忘れてしまうもの。
繰り返し手に取り、自分の軸を設定し直すという
使い方ができる。

すばらしい。また読もう。

<追記>

心に響く言葉が多かったので追記。

親の指導の通り、教育の通りにしていくのではありません。
親のやった通りに真似をし、そのようなやり方を身につけていきます。(p26)

他人とくらべられないようなもの、
あたたかさとか、優しさとか、思いやりとか、やわらかさとか、
他人との協調性とか、そういうものを評価してあげてほめる(p34)

子供は自分の描いたシナリオ通りに伸びていこうとする、
それを親は見守るだけ、応援支援をするだけ。

親の思いが強ければ強いほど、子供の邪魔をしているのです。(p53)

親はありとあらゆる反応を、子供の前で否定的なものにしないこと、
肯定的なものにすること、すべてを喜びにとらえ、
幸せにとらえるような考え方、感じ方を子供に示していくと良い(p57)

ストレスをためないですむ方法はあります。
「自分の思い通りにしようと思わない」こと。(p112)

人間が「怒り」を感じるのは、
「いやなものを無理やりやらされたとき」なのです…
「努力を」強いられると「怒り」が湧くのです。(p115)

正しいものが勝つのではなく、
「あたたかいものが勝つ」のです。(p119)

人生をせわしなく生きている人ほど、悩みが多いらしい。
いつも何かに追われていて、何かをしなくてはいけなくて、
いつも悩み苦しみを抱えているようです。(p173)

学習研究社 2011-03-08
¥ 1,500

感想メモ:元ドイツ情報局員が明かす心に入り込む技術

レオ・マルティン
阪急コミュニケーションズ 2012-07-26
¥ 1,680

★★★★★

ここで語られる技術とは、犯罪組織の中にスパイを育成し、
その犯罪組織を壊滅に導くような情報を引き出す技術、
というとても難しそうなもの。

スパイ映画によくあるように、相手組織に潜入し、
相手を拘束して脅したり、というのは
リスクが高い下策なのだそうだ。

ではどうするのか?

相手は、裏切りには極度に厳しい犯罪組織の一員。
相手が自分の判断に基づき、リスクを追ってでも
情報を提供するに値すると思わせる必要がある。

そのための秘訣は、
「短期間で相手と深い信頼関係を築く」
ことなのだそうだ。

この本の目標は、人と知り合い、信頼を築き、
人間関係のレベルでポイントを得るのは、
本当はとてもたやすいことだと知ってもらうことにある。(p39)

用心深い犯罪者を相手に、自ら情報を出させるようなレベルでの
信頼関係を築く?どうやって??

架空のケースを元に、その方法が書かれているが、読んでいて驚いた。
それは、その方法が、ものすごく奇抜だ、ということではなく、
逆に、あまりにも正攻法だったからだ。

例えば、以下のようなことなのだが、
本の題名を読まなければ、自己啓発の本だと言われて疑う人は、
ほとんどいないだろう。

  • 周囲の人たちに対する自分の考え方をチェックする。
  • 相手を値踏みするような態度や低く評価する態度を改める。
  • 相手に対するネガティブな考えを持ち出さない。
  • 調和した人格であるよう心がける。
  • 接する人すべてについて、よい特性を見るようにする。
  • 平静さを保つ。何を個人的に受け止め、何を個人的に受け止めないか(こちらの方が重要)、自分で決定する。
  • 感情となるものの引き金となるものを知ること。
  • 自分の人生でうまくいったことがらに焦点を当てる。
  • 成功日誌をつける。

人は感じとったことの確証を得ようとする傾向を持つ。
先入観と符合することを目にすれば、
それを過大評価して、先入観が正しかったと錯覚する。(p66)

  • 過ちを犯したらすぐ認め、二度と繰り返さない。
  • 謝罪は一度だけ、真心を込めて真剣にする。
  • 自分の行為を正当化しない。
  • 相手の行動を理解するために、相手の立場を受け入れる。(p82)

安心感、愛情、称賛ーこれが、誰もが望む基本的な欲求だ。(p89)

情報員は、あるがままの相手を受け入れる。
また、人とその行動を切り離して考える。
相手が自分の望まない行動を取ったとしても、
相手への好意をなくす必要はない。(p217)

この本に書かれている内容は、人間関係の原理やノウハウを学ぶ、
ということところに留まらない。なぜなら、

「人生の成功の鍵は人の信頼を得ること」(p300)

だからだ。

予想を超えたすばらしい本でした。★5つです!

レオ・マルティン
阪急コミュニケーションズ 2012-07-26
¥ 1,680

感想メモ:20歳の自分に受けさせたい文章講義

★★★★★

文章を書くことは、
他者を動かさんとする”力の行使”なのである。(p135)

メールやらブログやら書評やら、
色々なことを書いているが、
その全てに、確かに文章を書く目的がある。

そしてその力をうまく行使するのに必要なのは、
才能ではなく技術だ、と著者は言う。

頭の中の「ぐるぐる」を、
伝わる言葉に”翻訳”したものが文章なのである。(p31)

書こうとするな、”翻訳”せよ

文章を書くことに熟練した人でないと、
ついつい、書きたいことを書きたいように
書いてしまいがちだ。
しかしそれでは、読み手には伝わらない。

伝えるには、伝わるように書く必要がある
そこにも、技術が存在する。

書き手の側も聴覚的なリズムを気にする前に、
「視覚的リズム」を考えなければならない。(p82)

文体の妙、文章の個性、あるいは文章の面白さ。
これらを決めているのは、ひとえに構成である。
論理展開である。(p108)

読者はいつも「読まない」という最強のカードを手に、
文章と対峙しているのである。(p121)

ここ数年読んだ本の中で、
もっとも一番書き込んで読んだ本。
控えめに言っても、非常に参考になる本だった。

「文章を書く」ということをしている全ての人に、
オススメしたい本でした。★5つです!

感想メモ:痛み解消メソッド驚異のエゴスキュー

ピート・エゴスキュー
ロングセラーズ 2008-03-01
¥ 1,785

★★★★★

いくつかの決められたポーズの体操を行うことで、
体に正しい使い方の刺激を与えることで、
正しいあるべき姿勢を取り戻す。

ポーズの数もさほど多くなく、
きちんと続けて行けば、
かなりの体の不調が改善できる。

ジャック・ニクラウスがひどい腰痛に悩まされた際も、
様々な治療の末にこのエゴスキューにたどり着き、
再びゴルフができるようになったそうだ。

対症療法ではなく、体のバランスを整えることで、
結果的に痛みが解消されるという、
原因を元から断つ思想も共感できる。

使われなくなった筋肉は、
意識して刺激を与えないと、
固まって動かなくなり、
しだいに働かなくなってしまうのです。(p27)
ゆがんだ骨格を治すためには、
まず筋肉に正しい刺激を与えてやれば
よいということになります。

筋肉に適切な適量の刺激を与えてやりさえすれば、
簡単に本来の動きを思い出し、
正しく動きはじめます。(p28)
この90度という角度には意味があります。
直角とは、最高の強度と耐久力を与える角度なのです。
これと同じことを、体もしています。(p29)

日本ではかなりマイナーだが、非常に良い内容。
記述はあっさりしているが、続けてやっていくと、
体が変わってくる、噛めば噛むほど味が出る内容。

一時のブームになってしまいやすい健康モノだが、
続いているものにはそれだけの価値があるということ。

健康に不安がある人、気をつけたい人には非常にオススメです。

ピート・エゴスキュー
ロングセラーズ 2008-03-01
¥ 1,785


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感想メモ:ハーバード白熱日本史教室

★★★★★

タイトルから「ハーバード白熱教室」の二番煎じ?と
想像される方がいるのも自然なことだろう。
しかしその予想は、いい意味で裏切られた。

著者は、1980年生まれの若さでありながら、
ハーバード大学で日本史を教えている、北川智子さん。
その講義は、学生からの絶大な支持を受けているそうだ。

しかし北川さんの大学での専攻は、数学と生命科学。
なんで?どうしてそうなった???

内容は、ハーバードで教鞭を取るに至ったストーリー、
ハーバードで教えている講義の内容、
ハーバードの講義のシステムなど。
北川さんが教える日本史も興味深いし、
本の構成もわかりやすい。

講義の内容については、本書を読んでもらうとして、
私の印象に残ったのは、北川さんの、講義に取り組む姿勢。
そして、人生に対するスタンスのようなもの。

必死すぎて、何をどう教えたかよく覚えていない。
とにかく知っていることをしゃべり、
学生の質問と興味の向く方向へ授業をもっていった。
楽しむことに徹した。(p41)
楽しむことを忘れたくなかった。
笑う余裕も忘れたくなかった。
このクラスのオリジナリティーは、
私という人間の面白さにあると信じて教室の演壇に立った。
その自信だけは絶対に失ってはいけないと、いつも誓った。(p50)

ハーバードで、世界一賢い学生たちに対して講義をするということは、
相当プレッシャーがかかることと予想される。
しかしそこに、悲壮感はない。
教えることの意義、使命感を、常に第一に置いているからなのだろう。

私は、日本という国が、世界に誇る文化や慣習を持つ、
素晴らしい国だと信じている。
しかし、経済の状況や中国の台頭などから、
世界の日本への注目度は下がってきている。

しかしそれは日本の価値が下がっているというよりも
プレゼンテーションの問題であり、
世界に貢献できる日本の価値はいっぱいある。

そんな中、ハーバードという世界の頭脳が集まる場所で
これだけの評価を受けつつ日本について教えるということは、
ものすごく価値がある。
これはもう、国としてバックアップすべきじゃないかしら?

予想以上にすばらしい本でした。オススメです。


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感想メモ:世界一の庭師の仕事術

★★★★★

その世界ではトップの大会である、
英国の国際ガーデニングショーである
「チェルシー・フラワーショー」で、
3年連続世界一の快挙を成し遂げた、著者の石原氏。

そのキャリアは、実は路上販売の花屋から始まっている。
そこから長崎一の花屋に成長し、東京へも進出し、
何億もの負債を抱えて撤退。

その状態で借金を返しつつも、
出場だけで何千万もかかるというという、
チェルシー・フラワーショーに初出場…

もう、まさに波乱万丈。
その半生を読むだけでも、引き込まれる。

本の最後1/3は、経営者としての心構えや
今後のビジョンについて書かれているのだが、
これがまたすばらしい。

ぼくの残りの人生をすべて賭けて、
花と緑での町おこしに取り組んでいきたい。
やっと本当の意味でのぼくの仕事が見つかったと、
五一歳にして思っています。

これが、全力で走り、走り、走り続け、
「たどり着いた場所」なのだろうか。

以下、メモした部分。

すべては自分からノックすることです。

会いたい人に会うことによって、
その人の話が聞けるだけでも、世界が変わります。
一日のなかに、小さなご褒美を入れながら、
プラス発想で毎日を過ごす。
今日一日をプラスにしていく練習をするのです。

正直ここまでおもしろい本だとは期待しておらず、
いい意味で裏切られました。ありがたいことです。
オススメ度は★5つです。

石原氏、チェルシー・フラワーショー2012でも
ゴールドメダルを取っているようです!すごい!
Satoyama Life at RHS Chelsea Flower Show 2012 / RHS Gardening


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感想メモ:幸せ成功力を日増しに高めるEQノート

野口 嘉則
日本実業出版社 2006-01-26
¥ 1,260

★★★★★

野口 嘉則氏による「鏡の法則」の前の著作。

・「幸せ」と「成功」を両立するための5つのステップ
・精神的に満たされた状態で目標を達成し続けて行く能力

おもしろそう。
ということで手に取ってみた。

読んでいくと、なんだか色々と考えさせられた。

☆子供の頃は、幸せになる考え方=「自己実現型プログラム」である
→「妨げるプログラム」=ブレーキの追加で
「妥協の人生実現型プログラム」
「そこそこの人生実現型プログラム」
になる。

☆事実に意味はない。受け取り方がその出来事の意味を作る。

つまり、
「大人になるに従い、事実の受け取り方が変わっていく」
ということ。

「事実の受け取り方」は習慣になっているので、
そのクセに気付くことすら難しい。
ましてや、変えるのは簡単なことではない。
一体どうすればいいのだろうか?

そこで出てくるのが、この本のキーである「ABC理論」。

☆ABC理論
・できごと(Active Event)
・ビリーフ(Belief)
・結果(Consequence)

特に、自分が持っている「ビリーフ」に気付くことが重要。
周囲の影響で身につけた「妨げるプログラム」のブレーキに気付き、
解除していく、というのがこの本のステップなのだ。

「〜であるべきだ」
「〜でなければならない」

というような非合理なビリーフが悩みを生み出す。

「〜に越したことはない」
「〜の方がいい」

というあいまいな文章の方がいいのだそうだ。

☆典型的なビリーフ
・完全であれ
・もっと努力しろ(一生懸命やれ)
・他人を喜ばせろ
・急げ

なかなか自分の考え方のクセについて
考えることも少ないでしょう。
こうやってあらためて確認していると、
自分の中に発見があるのではないかと思います。
私は、気付かされる部分が多かったです。

ということで、オススメ度は★5つです。
良い本でした。ありがとうございます。

野口 嘉則
日本実業出版社 2006-01-26
¥ 1,260


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感想メモ:千住家の教育白書

★★★★★

千住博、千住明、千住真理子。

芸術家一家の教育方針について語られた本なのかな、
と思って手に取ったのだが、良い意味で大幅に裏切られた。
この本は、ある家族の人々の、この上なく濃厚で壮絶な、
生と死の様子を綴る人生の物語の本だった。

確かに、教育方針について語られている部分はある。
言葉にすると簡潔。しかし実行はとても難しい。

問題は子供がいかに興味を持つかということ、
それに対して何パーセントの集中力をもって
突進するかということ。(p79)
一番好きなことをやらせるのが、一番伸びるのだよ。
興味をもって集中させること以外に、
子供を伸ばす方法はない。(p86)

このあたりを読んで感じたのは、
野口晴哉氏が語ることと同じだということ。

自発性。

これがキーワードであるようだ。
そして、これは決して子供だけの話ではなく、
他人に対してだけのことでもない。

もう一点も、非常に難しい話。

そこで得た結論とは、自分を無にしてかかることだった。
親は自分自身の期待を子供にかけてはいけない。
それは親のエゴイズムにほかならない。(p80)
私利私欲のすべてを捨てて、
子供と接しなければならない。
それでは親はかわいそうかというと、そうじゃない。
子供が賢く育ったら、うれしいことなんだ、と思う。
報いのない愛、献身の愛、神に近い愛、
これは自分自身が修練し、自分を磨くことにかかっている。
結局、子育ては、自分自身の問題といえるのだろう。(p80)

しかしこのことを、この両親はやってのけたのだと思う。
それは、次の言葉からもわかる。

「僕は生まれてきてよかった」(p188)

ここまで言うことができるだけの努力。
限界までの努力が必要とされる道を選び、
体力の限界まで自分を追い込む生活を何年も続けること。

それをそんな茨の道を行く我が子の選択を心から信じ、
全身全霊をもって支え続けること。

父、母、子。
千住家の人々、いずれの中にも非凡さを見た。
それは、その家庭の中で生きてきたからこそ、
得られたものなのだ。

オススメ度は★5つです。
全ての人にオススメですが、
子供を持つ方には、特にぜひ読んで欲しい本です。

Hiroshi Senju
千住 明公式ウェブサイト
千住真理子 オフィシャルサイト


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感想メモ:副交感神経アップで健康になれる!

★★★★★

緊張時に働くのが交感神経
リラックス時に働くのが副交感神経

この交感神経と副交感神経のバランスが
崩れてしまうのが、自律神経失調症
日本人に多いのは、交感神経が強く、
副交感神経が弱すぎるケース。

とはいえ、
「ライフスタイルをあらためろ」
と言われても簡単ではないし、
「もっとテキトーな性格になれ」
と言われてももっと難しい。

しかしこの本は、
「首の筋肉の緊張、つまり首のこり
が自律神経のバランスの崩れの
原因であるケースが多い」

と説く。

首には、骨、筋肉や様々な神経が通っている。
首のこりによって神経が圧迫されると、
自律神経の乱れやうつ状態などの症状をも
引き起こすというのだ!

首のこりに何よりもよくないのが、
PCやデジタルデバイスを使った、
うつむいた姿勢。

確かに、一日の中で、見上げる時間って
何秒あるだろう…

めまい、微熱、自律神経失調(胃腸の乱れ、吐き気、
不眠、肩こり、風邪…)などの症状に当てはまる人に、
強くオススメします。
少なくとも30分に一回は首を休めましょう。

こちらにチェックシートがありますので、
どれくらい当てはまるか、試してみるのどうでしょう。
問診表

同じ著者の「首を治せば病気が消える」と合わせ、
PC社会の現代人必読かもしれません。
ということで、オススメ度は★5つです!


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