「★★★★」カテゴリーアーカイブ

感想メモ:負けを生かす技術

為末 大
朝日新聞出版 2013-04-19
¥ 1,575

★★★★☆

日本は、失敗が許容されにくい雰囲気がある。

それは周囲や世間の目だったものが、
いつの間にか自分の中にインストールされ、
その雰囲気を担う立派な日本人の一員となる。

失敗への恐れが大きいと、挑戦ができない。
挑戦ができなければ、成長が制限される。

陸上競技という、勝ち負けがハッキリした
実力勝負の世界で戦ってきた為末氏の意見は、
明快でキレ味鋭い。

むしろ失敗を肯定し、失敗して良かったと思えることを
ひとつでも見つけるようにすることが大事だ。
それができるかどうかが人生を分ける(p22)

「間違えました」と宣言して改められる人は強い。
なぜなら、何度でもチャレンジできるから(p30)

目標設定についての意見も、陸上選手に限らず、
多くの人が頷ける内容だった。
私も、大いに頷いた。

狙っていくのではなく、結果としてそうだった、
という生き方こそ目指すべきだということだ。
狙いははっきり定める必要なんてない。
なんとなくあのあたり、くらいに定めて動いていく(p32)

何のために今まで山頂目指して頑張ってきたのか。
山頂まで来ればすべては解決すると思っていたのに、
終わらないのである(p39)

そういった様々な経験を積んだ為末氏が至った考え方は、
偶然にも私にかなり近いものがある。

実は人生は有限なのだ。
今日を、明日を、今年を大事にしないといけない。
楽しまないといけないのだ、と(p228)

人には役割があると僕は思っている。
それは、本当にさまざまなのだ。
その役割を認識することができれば、
人はもう少しラクに生きられる気がする(p230)

人生の生きづらさや、漠然とした不安感を感じている人。
そんな人にピッタリかもしれない。
そんな人には、同時に森信三氏の本をオススメしたい。

為末 大
朝日新聞出版 2013-04-19
¥ 1,575

感想メモ:30代で年収3000万円を実現した300人に聞いた!稼げる人稼げない人

★★★★☆

何か共通項があるのだろうか?

と考えた著者が、300人の30代3000万プレイヤー、
もしく過去にそうだった人を調査した結果が
まとめられている。

結論は、こうだ。

「30代で年収3000万円を実現した人は、必ずこうである」
というような、特定のタイプがあるわけではない(p52)

じゃなくて、やはりパターンはある。
それは、人生を変えるリスクを取ったということ。

本当は、今、この瞬間にでも、
自分が望む人生を求める決意をすることができ、
また、同時に、いつでも動き始めることができるのです(p90)

人と同じ道を行かない、と決意した人たちで
あるのかもしれない。

5章では、インタビューした3000万プレイヤーたちの
アドバイスがまとめられている。
かなりおもしろい。

1 弟子入りする(適切な会社に入って働く)
2 好き・強みを磨く
3 目標を設定する
4 やってみる

好きなこととは、「何がしたいのか」という質問の答えであり、
「何に没頭できるのか」という質問の答えです(p167)

自分の好きなことを見つけるひとつの方法は、
「面白かったこと・つまらなかったことのリストをつくる」
という方法です(p169)

その人が、どのようなことに大きく時間を費やしてきたのか。
それはその人独自の経験で、その人の貴重な財産なんですよ(p171)

強みは自分じゃ見えないんです。
強みは他の人から見て、見えるものなんです(p172)

人生二度なし。
悔いのない人生を送りたいものです。

感想メモ:変な人の書いた世の中の仕組み

斎藤 一人
サンマーク出版 2012-10-17
¥ 1,680

★★★☆☆

斎藤一人氏が書いた、世の中の仕組みについての本。
その仕組みは、至ってシンプル。

まず自分がしあわせになろう。
楽しく過ごそう。
起きることは、すべて乗り越えられる。
自分も人も、得させよう。

など。

しあわせってモノじゃないの。
感じることだから、常に自分のアンテナを
しっかり張ってないと感度が鈍るんです(p27)

しあわせとはどこからやってくるもんだとか、
手に入れるもんだとか思ってるけど、
そうじゃないんです…
しあわせとは思い込みなんです(p30)

ただ、それをやっていてずっとつらいのはダメだよ。
本当にいい方法というのは、お互いにとってもいい方法。
相手にだけいい方法というのはダメなんです(p133)

私に言わせれば、親が子供にすべきことっていうのは
”心配より信頼”なんだよね(p193)

スピリチュアルな話が含まれているので、
苦手な人は合わないかもしれない。

でも、世の中について、こういう見方をすると、
もっと楽に生きていけるかも。

斎藤 一人
サンマーク出版 2012-10-17
¥ 1,680

感想メモ:左重心で運動能力は劇的に上がる!

★★★★☆

体は左右対称に見えるが、
中身は決して左右対象ではない。

例えば、右脳と左脳の働きが異なるのは有名。
また、内臓の位置も非対称で、心臓がやや左、
大きな肝臓が右に位置している。

なので、体も左右がそれぞれ
別の働きを持っているのだそうだ!

  • 左股関節は前へ、右股関節は後ろへ力を出しやすい
  • このため、スポーツでは左重心(加重ではない)が大事
  • 顎は引かない。イチローのバット立ての顔の角度
  • 顔は傾けず、水平に保つ

マラソンや陸上のトップ選手も、
左右の腕が別の動きをすることがある。

体の左右は非対称。
左股関節がアクセル、右股関節でブレーキ。

こう知っておくだけでも、
変化があるかもしれない。

運動好きの人にオススメ。

感想メモ:新版 結局「仕組み」を作った人が勝っている

★★★★☆

ここでいう「仕組み」とは、
自分が働かなくとも、継続的に収入を生み続ける、
システムのこと。

その「仕組み」を作りあげた人たち10人を取材してから、5年後。
その人たちは、どうなっていたのだろうか?

なんと、10人中9人が、「仕組み」を働かせて
ビジネスを回し続けていた!

10年続く会社が5%と言われる時代に、この確率。
まぐれ当たりとは思えない。

読み進めてみると、それも不思議なことでは
なさそうだと思えてきた。

「仕組み」を働かせるビジネスを作り上げるのに、
全て計画通りに進む、という幸せなことは、
残念ながらほとんどない。

失敗し、原因を分析し、改良する。
このサイクルを繰り返し、その結果として、
「仕組み」のシステムができあがる。
つまり、既に変化に対応する力は十分持っている人たちなのだ。

先人たちは総じてみな、行動力がある。
いや、あるどころではない。
行動は異常ともいえるほど、速いのだ。(p297)

無鉄砲は承知。無理だとあきらめるのではなく、
ひとまずやってみる。
この一歩を踏み出すマインドが、遠回りのようでいて、
実は成功への近道なのである。(p298)

うまくいくべくして、うまくいっている。
ということなのだと読めた。

行動を速く。
小さく始めて、失敗のリスクを抑える。

これは、個人や小さな会社がビジネスを作り上げる上での、
鉄則とも言える。

経済的、時間的な自由を手に入れるのは、
こういう人たちなのだ、という参考になる。

他にもシリーズの本があるようなので、
読んでみようと思う。

感想メモ:一流選手の動きはなぜ美しいのか

★★★★☆

トップアスリートの動きというのは、
一般プレーヤーと同じようなことをしているようで、
中身は全く異なっていたりする。

それには、二つの意味がある。

一つが、そもそも行われている動作が、
トップアスリートと一般プレイヤーでは異なるということ。
これを「客観的動作」と呼んでいる。

もう一つが、同じ動作を行おうとしていても、
異なる感覚を持っているということ。
これを「主観的動作」と呼んでいる。

科学者が明らかにする客観的動作と、
動作をする当事者が
感じている主観的動作の間にはずれがあります。
このずれを「主観と客観のずれ」と言います。(p18)

トップアスリートと一般プレイヤーでは、
この両方の点で異なっているのだから、
同じようなことをしているようで、
中身も結果も全然違うのだ。

鎖骨の動きに制限をかける筋肉があります。
胸鎖乳突筋、大胸筋、僧帽筋…(p104)

前腕を内、外に回す動きの中心は、
指で言うと、 中指ではありません。
薬指が正解です。(p112)

膝を接地の瞬間にゆるめて、
からだをわずかに落下させ、
さっと支えるような感覚で
地面を効率よく押していきます。(p143)

着地へ向かう左脚が外旋しようとすれば、
右脚は内旋する。
これは、左脚と右脚が骨盤で
連結されているからです。(p166)

マニアックな運動好きを自認する人には、
かなりオススメ。
様々なトピックで、新しい発見があるはずです。

感想メモ:トップ1%の人だけが実践している思考の法則

★★★★☆

イノベーションを起こせるのと起こせないのなら、
起こせる方がいいに決まっている。

一方で、解決されるべき問題が困難だからこそ、
解決されていないわけで、簡単にクリアできるという
ものではない。

時間やコストはできるだけ小さく。
それでいて、勝率は上げたい。

どうすれば?

という問いに対する答えとして、
5Aサイクルのプロセスを早く回すこと、
というのがこの本の答え。

  • 顧客の抱える問題の「認知」(Awareness)
  • 問題解決のための従来と異なる「アプローチ」(Approach)
  • アイデアのスピーディーな「実行」(Action)
  • 仮説と実行結果の差異に対する「分析」(Analysis)
  • マーケットニーズに合わせた柔軟な「適応」(Adjustment)

お金も時間もかけた渾身の一撃でコケるより、
小さなトライアンドエラーで、
走りながら修正するということ。

より早く成功したいのであれば極端な話、
より早く失敗することです。(p35)

この方式は、大きな組織では難しい。
そこに、ベンチャーが付け入る隙がある。

多くの優れたビジョナリー・カンパニーの設立時の様子を調べると、
「とりあえず会社を作った、そして、アイデアを探した」
というのが実態だったのです。(p78)

立派な理念やアイデアがあれば成功するのではない。
成功するまで続けられる試行錯誤力と、変化対応力こそが、
成功のキーなのだろう。

P203のまとめが、簡潔にまとまっていて良い感じ。
ここを読んでから本文に戻った方が、
理解が早く深くなりそう。

ビジネスを立ち上げたい人に、特にオススメです。

感想メモ:望んでいるものが手に入らない本当の理由

★★★★☆

ナイナイアンサーで有名な、
性格リフォームの匠、心屋仁之助氏の本。

人間というのは、単純なようでいて、かなりめんどくさい。
行動しよう、と心に決めても、もっともらしい理由を作り出したり、
あるいはめんどくさくなったりして、実行できない。
じゃあそれをどうしようか・・・

悪いものはいらなくて、いいものだけ欲しい。
それは無理なんです。(p45)

その「イヤがっていること」を自分でやってみる。(p30)

自分が何を拒否しているかを考えると
わかりやすいかもしれません。(p39)

先にイメージの中で「失敗」を
終わらせてしまえばいいのです。(p124)

問題だと感じる出来事でも、よく見て、
「ああ、そうなんだ」と受け取って、
そのでひとまず、ひと区切りにしておく。(p139)

端的にいうと、
「おいしいところばかり取ることはできない」
ということ。
おいしくない部分も受け入れる覚悟をすること。
その覚悟ができたときに、人生が動き出す…

おもしろい本でした。

感想メモ:スティーブ・ジョブズ I・II

ウォルター・アイザックソン
講談社 2011-10-25
¥ 1,995
ウォルター・アイザックソン
講談社 2011-11-02
¥ 1,995

★★★★☆

言わずと知れた、スティーブ・ジョブズ伝。
ジョブズが亡くなってからちょうど二年。
やっと読んでみた。

10年来のMacユーザーである私は、
大体のストーリーは知っている。

ではこの本に何を求めたのかというと、
「彼が何を大事なことと考えて、Appleを動かしていたのか」
という部分。

その答えに近いものは、結局II巻の最後にあった。

「顧客が望むモノを提供しろ」という人もいる。
僕の考え方は違う。顧客が今後、何を望むようになるのか、
それを顧客本人よりも早くつかむのが僕らの仕事なんだ。(p424)

僕らは自分が持つ感才能を使って
心の奥底にある感情を表現しようとするんだ。
僕らの先人が遺してくれたあらゆる成果に対する感謝を
表現しようとするんだ。
そして、その流れになにかを追加しようとするんだ。(p430)

彼は、「すごい製品」、
そしてその「すごい製品を作る会社」、
それも「何代も続く会社」を作ろうとしていた。
そんな会社には、一流のタレントを揃える必要がある。

彼を完全無欠の人物ではないし、逆にただの人格破綻者でもない。
長所も短所もある、しかし偉業を成し遂げた人物として描かれていた。
ジョブズ本人もそれを望んでいたようだし、それでよかったのだろう。

おもしろかったです。

ウォルター・アイザックソン
講談社 2011-10-25
¥ 1,995
ウォルター・アイザックソン
講談社 2011-11-02
¥ 1,995

感想メモ:竹田和平の強運道

★★★★☆

日本一の個人投資家と言われる竹田和平氏。

戦後の焼け野原から数々の事業を興し、
投資を続け、日本一に到達したという、
その実績を支えてきた信念は、
どのようなものなのだろうか?

人を許すと思うのではなく、
むしろ、自分を許す。(p185)

とくにむずかしいことを考えなくても、
わくわくさえしていれば、
ちゃんと自分の目標は見えてきます。(p185)

自分を犠牲にして他人に尽くすこととは違います。
自分のできる範囲で、思いやりを与えてあげればいい。
まずはそこからです。(p201)

自分の体調や限界をよく知ったうえで、ビジネスに臨むー
健康だと、つい見落としがちになりますが、
経営者の責任をまっとうするうえで、
これほど大切なことはないのかもしれません。(p61)

顧客のことを考えるのはもちろんだが、
その前に、自らの動機の部分から見つめ直し、
自分を整える、ということを重視しているように感じた。

さすがだなぁ、と思わされる部分が多かった。
色々な分野の、達人の頭の中を知ることができる。

本はありがたいなぁ。