「★★★★」カテゴリーアーカイブ

感想メモ:野球の本当のこと、全部話そう!

★★★★☆

ピッチャーというポジションでありながら、
48歳まで現役で活躍した工藤投手。

体のケアやトレーニングについては、
相当の研究家だったという印象。
読んでみて、内容は技術的な内容も豊富で、
その印象を裏付けるものだった。

野球の技術的な内容については、
書き出すと長くなるので、
好きな人が本を読んでみてください。

以下、共感した部分。

なぜプロで長く野球を続けたいと思うのか?
そういったことを自問自答しながら、
不安を打ち消すためにも毎日、
緊張感のある練習をしなくてはいけないのです(p197)

目標と犠牲。この言葉はプロ野球において
表裏一体と言えるでしょう。
目標をしっかりと持ち、それに向かっている人間というのは
寡黙に練習を続けているものです(p198)

「目標と犠牲」は、プロ野球だけの話ではなく、
社会人における仕事のバランスにも言える話。

まず、人以上の量。
その上で、量より質。
というように転換していくのだろう。

為末氏、梅原氏の本に続き、
同じような内容が語られている本が続いている。
感想メモ:勝ち続ける意志力
感想メモ:負けを生かす技術

勝負の道のプロが語る内容は共通している、
という例が、またひとつ積みあがった。

感想メモ:勝ち続ける意志力

★★★★☆

1/30秒のミスも許されないコマンドを、
99%以上正確に入力できる鍛錬を欠かさないという、
日本初のプロゲーマーである梅原氏。

そんな彼も、ゲームを離れて麻雀に行った時期があったり、
介護の現場で働いたりと、様々な経験を積んでいる。

そんな世界トップに立つ彼の、勝負に対する考え方や、
そこに至るまで歩んで来た道について書かれている。

型にはまってしまうのは、失敗を避け、有名になりたいとか、
目立ちたいとか、誰かに認めてもらいたいという願う
欲望ではないだろうか…
結局はその欲望が自分自身を萎縮させてしまう(p145)

ぼくはどんどん失敗したいと思っている。
5年後、10年後もチャレンジと失敗を
繰り返していたいと思っている(p247)

階段を登れば、それが正しい階段であろうが、
間違った階段であろうが、必ず何かが残る…
勇気を出して、積極的に階段を登った者だけにしか
得られないことが、絶対ある(p248)

自分を痛めつけていると、努力しているような気になる。
しかし、そんな努力からは痛みと傷以外の何も生まれてこない…
大切なのは質であって量ではないということだ(p186)

失敗を、成功へのプロセスと考え、許容する。
努力は成果で測られるべきであり、
それは量だけに比例するわけではない。

最近読んだ、為末氏の「負けを生かす技術」と
驚くほど似ている。

陸上競技と対戦ゲーム。
相手はいるものの、究極的には自分との戦い。
試合は一瞬で、大部分を占めるのは、日常の積み重ね。
となると、似てくるのも当然なのだろうか。

無理をせず、背伸びもせず、毎日毎日、
自分にできる精一杯を繰り返していく。
そんな単調になってしまうかもしれない毎日だからこそ、
自分を変化させることを怠らず、
小さくてもその変化を心から楽しみ、
一日一日を味わい深く噛み締める(p177)

道を極めて行くと、ここまで到達するのかと、
深く感じ入った。

日常をしっかり踏みしめるヒントが得られる、
興味深い本でした。

ちなみにこの本は、ちきりんさんが
梅原氏のエントリーを書き始めるきっかけになった本。
「勝つこと」と「勝ち続けること」 – Chikirinの日記

感想メモ:パワー・クエスチョン

アンドリュー・ソーベル,ジェロルド・パナス
阪急コミュニケーションズ 2013-03-22
¥ 1,785

★★★★☆

「質問」はとっても大事。

どんな質問をするかで、得られる情報は変わるし、
質問者に対する印象も変わる。

質問は、全て自分で考え出す必要はない。
良い質問を知っていればいい。
というところに、この本の意味がある。

本の中では、多くの質問が、
エピソードとともに紹介されている。

その中で、最も印象深かったのが以下のもの。

「どんなふうに始めたのですか?」と訊くと、
相手は胸襟を開き、夢中になって
自分のことを話してくれる(p48)

良い質問をするためには、相手に興味を持つこと。
それには、相手の歴史に興味が持てると、
質問に困ることは、おそらくないのだろう。

アンドリュー・ソーベル,ジェロルド・パナス
阪急コミュニケーションズ 2013-03-22
¥ 1,785

感想メモ:やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている

自分なしでも回るビジネスを(複数)構築することで、
働かなくても大丈夫な体制を作り上げている人々。

普通に生活していると出会うことはなかなかないが、
間違いなく生息している人たち。

そんな人たちは、何を考え、そうやってその体制を
作り上げるに至ったのだろうか?

前作「「仕組み」を作った人が勝っている」に続き、
異なる人々に取材し、彼らが用いていたシステムの
共通点を導き出し、指針として提示している。

まず、彼らに共通点はあるのだろうか?

取材した『仕組み』所有者全員が、
自分がやっていることを客観的に俯瞰して見て、
『思考』に置き換える作業をしていた(p35)

「たまたまそうなってしまったのではなく、
「自覚的に」そうしていた、ということだ。

ほしくない人に”売る”よりも、
ほしい人を探して勝手に”売れる”状態を作ったほうがいい(p150)

『魅力的な商品を用意し、その魅力がしっかり伝わるようにする』
『その商品をほしい人を探す』
『それを欲しい人の目の前にそっと置いてやる』(p155)

これは外せない、という要素は、
突き詰めると2つに集約された。

【他力】【継続】は思考のマストアイテム…
意識的に組み込むようにするのが、
「仕組み」の必勝パターン(p266〜)

全部自分でやろうとしない。
むしろ、システムから自分を消す。
単発ではなく、継続的に売上が立つようにする。

これが、仕組みビジネスの大きなポイントなのだ。

感想メモ:負けを生かす技術

為末 大
朝日新聞出版 2013-04-19
¥ 1,575

★★★★☆

日本は、失敗が許容されにくい雰囲気がある。

それは周囲や世間の目だったものが、
いつの間にか自分の中にインストールされ、
その雰囲気を担う立派な日本人の一員となる。

失敗への恐れが大きいと、挑戦ができない。
挑戦ができなければ、成長が制限される。

陸上競技という、勝ち負けがハッキリした
実力勝負の世界で戦ってきた為末氏の意見は、
明快でキレ味鋭い。

むしろ失敗を肯定し、失敗して良かったと思えることを
ひとつでも見つけるようにすることが大事だ。
それができるかどうかが人生を分ける(p22)

「間違えました」と宣言して改められる人は強い。
なぜなら、何度でもチャレンジできるから(p30)

目標設定についての意見も、陸上選手に限らず、
多くの人が頷ける内容だった。
私も、大いに頷いた。

狙っていくのではなく、結果としてそうだった、
という生き方こそ目指すべきだということだ。
狙いははっきり定める必要なんてない。
なんとなくあのあたり、くらいに定めて動いていく(p32)

何のために今まで山頂目指して頑張ってきたのか。
山頂まで来ればすべては解決すると思っていたのに、
終わらないのである(p39)

そういった様々な経験を積んだ為末氏が至った考え方は、
偶然にも私にかなり近いものがある。

実は人生は有限なのだ。
今日を、明日を、今年を大事にしないといけない。
楽しまないといけないのだ、と(p228)

人には役割があると僕は思っている。
それは、本当にさまざまなのだ。
その役割を認識することができれば、
人はもう少しラクに生きられる気がする(p230)

人生の生きづらさや、漠然とした不安感を感じている人。
そんな人にピッタリかもしれない。
そんな人には、同時に森信三氏の本をオススメしたい。

為末 大
朝日新聞出版 2013-04-19
¥ 1,575

感想メモ:30代で年収3000万円を実現した300人に聞いた!稼げる人稼げない人

★★★★☆

何か共通項があるのだろうか?

と考えた著者が、300人の30代3000万プレイヤー、
もしく過去にそうだった人を調査した結果が
まとめられている。

結論は、こうだ。

「30代で年収3000万円を実現した人は、必ずこうである」
というような、特定のタイプがあるわけではない(p52)

じゃなくて、やはりパターンはある。
それは、人生を変えるリスクを取ったということ。

本当は、今、この瞬間にでも、
自分が望む人生を求める決意をすることができ、
また、同時に、いつでも動き始めることができるのです(p90)

人と同じ道を行かない、と決意した人たちで
あるのかもしれない。

5章では、インタビューした3000万プレイヤーたちの
アドバイスがまとめられている。
かなりおもしろい。

1 弟子入りする(適切な会社に入って働く)
2 好き・強みを磨く
3 目標を設定する
4 やってみる

好きなこととは、「何がしたいのか」という質問の答えであり、
「何に没頭できるのか」という質問の答えです(p167)

自分の好きなことを見つけるひとつの方法は、
「面白かったこと・つまらなかったことのリストをつくる」
という方法です(p169)

その人が、どのようなことに大きく時間を費やしてきたのか。
それはその人独自の経験で、その人の貴重な財産なんですよ(p171)

強みは自分じゃ見えないんです。
強みは他の人から見て、見えるものなんです(p172)

人生二度なし。
悔いのない人生を送りたいものです。

感想メモ:変な人の書いた世の中の仕組み

斎藤 一人
サンマーク出版 2012-10-17
¥ 1,680

★★★☆☆

斎藤一人氏が書いた、世の中の仕組みについての本。
その仕組みは、至ってシンプル。

まず自分がしあわせになろう。
楽しく過ごそう。
起きることは、すべて乗り越えられる。
自分も人も、得させよう。

など。

しあわせってモノじゃないの。
感じることだから、常に自分のアンテナを
しっかり張ってないと感度が鈍るんです(p27)

しあわせとはどこからやってくるもんだとか、
手に入れるもんだとか思ってるけど、
そうじゃないんです…
しあわせとは思い込みなんです(p30)

ただ、それをやっていてずっとつらいのはダメだよ。
本当にいい方法というのは、お互いにとってもいい方法。
相手にだけいい方法というのはダメなんです(p133)

私に言わせれば、親が子供にすべきことっていうのは
”心配より信頼”なんだよね(p193)

スピリチュアルな話が含まれているので、
苦手な人は合わないかもしれない。

でも、世の中について、こういう見方をすると、
もっと楽に生きていけるかも。

斎藤 一人
サンマーク出版 2012-10-17
¥ 1,680

感想メモ:左重心で運動能力は劇的に上がる!

★★★★☆

体は左右対称に見えるが、
中身は決して左右対象ではない。

例えば、右脳と左脳の働きが異なるのは有名。
また、内臓の位置も非対称で、心臓がやや左、
大きな肝臓が右に位置している。

なので、体も左右がそれぞれ
別の働きを持っているのだそうだ!

  • 左股関節は前へ、右股関節は後ろへ力を出しやすい
  • このため、スポーツでは左重心(加重ではない)が大事
  • 顎は引かない。イチローのバット立ての顔の角度
  • 顔は傾けず、水平に保つ

マラソンや陸上のトップ選手も、
左右の腕が別の動きをすることがある。

体の左右は非対称。
左股関節がアクセル、右股関節でブレーキ。

こう知っておくだけでも、
変化があるかもしれない。

運動好きの人にオススメ。

感想メモ:新版 結局「仕組み」を作った人が勝っている

★★★★☆

ここでいう「仕組み」とは、
自分が働かなくとも、継続的に収入を生み続ける、
システムのこと。

その「仕組み」を作りあげた人たち10人を取材してから、5年後。
その人たちは、どうなっていたのだろうか?

なんと、10人中9人が、「仕組み」を働かせて
ビジネスを回し続けていた!

10年続く会社が5%と言われる時代に、この確率。
まぐれ当たりとは思えない。

読み進めてみると、それも不思議なことでは
なさそうだと思えてきた。

「仕組み」を働かせるビジネスを作り上げるのに、
全て計画通りに進む、という幸せなことは、
残念ながらほとんどない。

失敗し、原因を分析し、改良する。
このサイクルを繰り返し、その結果として、
「仕組み」のシステムができあがる。
つまり、既に変化に対応する力は十分持っている人たちなのだ。

先人たちは総じてみな、行動力がある。
いや、あるどころではない。
行動は異常ともいえるほど、速いのだ。(p297)

無鉄砲は承知。無理だとあきらめるのではなく、
ひとまずやってみる。
この一歩を踏み出すマインドが、遠回りのようでいて、
実は成功への近道なのである。(p298)

うまくいくべくして、うまくいっている。
ということなのだと読めた。

行動を速く。
小さく始めて、失敗のリスクを抑える。

これは、個人や小さな会社がビジネスを作り上げる上での、
鉄則とも言える。

経済的、時間的な自由を手に入れるのは、
こういう人たちなのだ、という参考になる。

他にもシリーズの本があるようなので、
読んでみようと思う。

感想メモ:一流選手の動きはなぜ美しいのか

★★★★☆

トップアスリートの動きというのは、
一般プレーヤーと同じようなことをしているようで、
中身は全く異なっていたりする。

それには、二つの意味がある。

一つが、そもそも行われている動作が、
トップアスリートと一般プレイヤーでは異なるということ。
これを「客観的動作」と呼んでいる。

もう一つが、同じ動作を行おうとしていても、
異なる感覚を持っているということ。
これを「主観的動作」と呼んでいる。

科学者が明らかにする客観的動作と、
動作をする当事者が
感じている主観的動作の間にはずれがあります。
このずれを「主観と客観のずれ」と言います。(p18)

トップアスリートと一般プレイヤーでは、
この両方の点で異なっているのだから、
同じようなことをしているようで、
中身も結果も全然違うのだ。

鎖骨の動きに制限をかける筋肉があります。
胸鎖乳突筋、大胸筋、僧帽筋…(p104)

前腕を内、外に回す動きの中心は、
指で言うと、 中指ではありません。
薬指が正解です。(p112)

膝を接地の瞬間にゆるめて、
からだをわずかに落下させ、
さっと支えるような感覚で
地面を効率よく押していきます。(p143)

着地へ向かう左脚が外旋しようとすれば、
右脚は内旋する。
これは、左脚と右脚が骨盤で
連結されているからです。(p166)

マニアックな運動好きを自認する人には、
かなりオススメ。
様々なトピックで、新しい発見があるはずです。