「社会」タグアーカイブ

感想メモ:成功する男はみな、非情である。

★★★☆☆

私ね、あんまり非情じゃないんですよ。
アリさんとか踏んじゃうと夜も眠れないくらい。

とまぁそれは冗談ですが、
成功者たちと数多く接してきた著者が語る、
「成功者たちの非情さ」について読み進めたところ、

私にはムリだな

と思って本を置きました。

成功したいなら、
「成功は自分の手柄、失敗は人のせい」
を通せ(p45)
ターゲットを決めたら、
邪魔になるものは即刻捨てよ。(p85)

オススメ度は★3つです。
成功者になるのは大変ですね。


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:体制維新

橋下 徹,堺屋 太一
文藝春秋 2011-11-01
¥ 893

★★★★☆

大阪府知事の橋下氏が、現在の政治家の中で
最重要人物の一人であるのは間違いないところ。
その彼の主張をじっくり聞いたり読んだりしたことが
なかったので、良い機会ということで読んでみた。

まず感じたのが、以下の点。
・非常に強力なリーダーシップ
・結果を出しているからこそ、説得力が増している
・ビジョンを示すことができる数少ない政治家

既得権益を切り崩すことを厭わない橋下氏は、
必ず抵抗勢力を作り出さざるを得ないだろう。

行政改革を徹底し、財政再建を進めた結果、
十年連続して赤字だった府の財政を
二年目に黒字に転換させたのです。(p66)

横浜市の田中元市長の例にもあったように、
ネタの捏造をも厭わない、マスコミによる
イメージ操作などが、今後行われていくだろう。

しかし、ぜひ改革を進めて行ってほしい。
応援したいと感じた。

以下、メモした点。

本当の改革とは、人事の交代や政策の変更ではなく、
体制(システム)を変えることなのです。(p22)
今の財務省も同じことをしているんです。
国家事業を効率化して財政赤字を減らそうというのではなく、
シーリング(予算要求の上限)を付けて要らんものも全部温存して
赤字を増やす、という仕掛けをしている。
その挙げ句に、この不況のさなかに増税する。(p57)
僕は、仕組みを変えるときは、
一点突破の全面展開を考えます。
ここがポイントだと思うところに
ドーンとエネルギーを集中して、
現行制度の欠点をあぶり出していく。(p76)

オススメ度は★4つ。
ここ数年が、大阪の政治の転換点となるはず。
注目しましょう。

橋下 徹,堺屋 太一
文藝春秋 2011-11-01
¥ 893


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

参考:
体制維新-大阪都: 本読みな暮らし
今年は総選挙がおもしろい!!・書評『体制維新-大阪都』 : バクヨミ!!part2

感想メモ:ゆるく考えよう

★★★★☆

Chikirinの日記のちきりんさんの本。

ちきりんさんがページビューを集める理由というのは、
独自性のある考え方を提示しているからだと思っている。

世の中色々なことを言っている人がいて、
自分の頭で考えたことを発信し続けている人もいれば、
人の言うことの揚げ足を取ることに
全精力を注いでいる人もいる。

ちきりんさんは前者の中でもすごい人。
本の内容は、ブログの内容を元に大幅加筆したものだが、
どれもいわゆる「よくある言説」とは違う切り口になっている。

書かれている意見全てに賛同するわけでもないし、
むしろ私とは異なる意見も多いが、そんなの当然であって、
それも意見が提示されているからこそ感じること。
オススメ度は★4つです。


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:君の笑顔に会いたくて

大沼 えり子
ロングセラーズ 2008-07-01
¥ 1,575

★★★★☆

熱いハートの持ち主

DJロージーこと大沼えり子さんの、
保護司としての活動を通じた
少年たちとの出会いの記録。
活動にかける熱意と夢。
大沼さん自身の生い立ちと半生。
どれもがその密度の濃さに驚かされる。

それらのストーリーを一貫しているのが、
大沼さんの生き様。
とにかくハートが熱い。
文中で「夢」として語られている、Rosy Bellのサイトはこちら。
Rosy-Bell~ロージーベル~ – Rosy-Bell
ぜひ実現して欲しい。

オススメ度は★4つです。
大沼さんはすばらしい。
読めば、あなたも応援したくなるはず。

大沼 えり子
ロングセラーズ 2008-07-01
¥ 1,575

参考:
「君の笑顔に会いたくて」大沼 えり子 – 【本ナビ】本のソムリエの一日一冊ビジネス書評


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:日本復興計画

★★★☆☆

震災から一年経ったが、その傷はいまだ深い。

震災直後から原発問題に関して
精力的に情報発信していた大前研一氏。
YouTubeの動画を観た人も多いだろう。
地震発生から1週間 福島原発事故の現状と今後(大前研一ライブ579) – YouTube
福島第一原発 現状と今後とるべき対応策 (大前研一ライブ580) – YouTube

この本は、その内容にその後の話を
プラスして書かれたもの。

印税は全て復興に充てるということで、
日本の復興のため、というすばらしい心意気で書かれている。

内容はというと、大前氏が実は原発の技術者だったということで、
原発についての話がわかりやすい。

原発については、色々な話が出過ぎていて、
素人には何が正しいのかわかりにくい状況に
なってしまっているので、
信頼できそうな情報というのはありがたい。

原発については、元内閣府参与の田坂氏の動画もオススメ。
田坂広志 前内閣官房参与 2011.10.14 – YouTube

オススメ度は★3つです。
今後の一刻も早い復興を祈ります。


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:日本一のクレーマー地帯で働く日本一の支配人

日本一のクレーマー地帯で働く日本一の支配人―怒鳴られたら、やさしさを一つでも多く返すんです!―
日本一のクレーマー地帯で働く日本一の支配人―怒鳴られたら、やさしさを一つでも多く返すんです!―
  • 著者: 三輪 康子
  • 発売元: ダイヤモンド社
  • 価格: ¥ 1,500
  • 発売日: 2011/07/15

★★★★☆

その筋の人たちがたむろする、
歌舞伎町のホテルの支配人に赴任した三輪さん。
その時点では、業界全くのシロウト。

そんな立地で、そんな人たちを相手に、
正しいと信じることを貫き通す。

当然ながら、身の危険を感じたことも
一度や二度ではないそうだ。

誰しもができることではない。
妥協しても、誰もが仕方ないと思うだろう。
そんな中、なぜ三輪さんは、
自分を貫き通すことができたのだろうか?

私のおもてなしやクレーム対応にマニュアルはありません。
私が、信条としているのはたった一つ。

怒鳴られたら、やさしさをたった一つでも多く返すこと。

サラッと書いてあるが、言うは易し、行うは相当難い。
特に相手はその道のプロ達。
そんな人が日本刀を振り上げている。
そんな状況でも自分を保てるのか。

まったくできる自信がないです。

クレームをつける人にしてみれば一番の気持ちは、
「謝って欲しい」なのです。
これは、どのお客様も同じです。
お客様から遠いところにいると、まず
「解決方法」に考えがいってしまいますが、
それは順番がちがうのです。
まず、「人の心」です。

三輪さんが持っているすばらしい点として、
・怒っている人がいても、つい一歩前に出てしまうという性格
・人の心を大切にした医師であった、お父さんの教え
があるようだ。

特に、前者は普通じゃない。
日本刀を振り上げられて、一歩前に出る、とか
この人だからこそできたことであるのは間違いない。

だからといって、
「自分にはできないや、おしまい」
では、読んだ意味がない。

とりあえず、
「やさしさを返す」
と心にインプットしてみた。
例え百回に一度、千回に一度しかできなかったとしても、
いいじゃないですか。

オススメ度は★4つです。
影響を受けました。

日本一のクレーマー地帯で働く日本一の支配人―怒鳴られたら、やさしさを一つでも多く返すんです!―
日本一のクレーマー地帯で働く日本一の支配人―怒鳴られたら、やさしさを一つでも多く返すんです!―
  • 著者: 三輪 康子
  • 発売元: ダイヤモンド社
  • 価格: ¥ 1,500
  • 発売日: 2011/07/15

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:アジアの子どもたちに学ぶ30のお話

アジアの子どもたちに学ぶ30のお話
アジアの子どもたちに学ぶ30のお話
  • 著者: 池間哲郎
  • 発売元: リサージュ出版
  • 価格: ¥ 1,260
  • 発売日: 2008/10/10

★★★★☆

フィリピンのゴミ捨て場に暮らす少女は、
「私の夢は大人になるまで生きることです」
と語りました。カンボジアの少年は
「一回で良いから、お腹いっぱいご飯を食べてみたい」
と言いました。モンゴルの少年は
「僕が一番ほしいのはお母さんてます。
一度でよいからお母さんに抱かれてみたい」
と泣いていました。

風邪であっけなく失われてまう命。
マイナス30度の寒さをしのぐため、
汚水だらけのマンホールの中で暮らす子供たち。
ゴミ捨て場で傷だらけになりながら働く3歳の子供。

明日命を失うという心配をすることもなく
生きていける環境にあるということは、
日頃意識に上ることもない。

そんなときこそ、この本を読むといい。
生きてるだけでありがたい。
そう思い出させてくれる。

私が最も訴えたいのは、
「真剣に生きよう!」
という事です。

「真剣に生きる」
というフレーズが強く心に残った本でした。
オススメ度は★4つです。

アジアの子どもたちに学ぶ30のお話
アジアの子どもたちに学ぶ30のお話
  • 著者: 池間哲郎
  • 発売元: リサージュ出版
  • 価格: ¥ 1,260
  • 発売日: 2008/10/10

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:突破者―戦後史の陰を駆け抜けた五十年

突破者―戦後史の陰を駆け抜けた五十年
突破者―戦後史の陰を駆け抜けた五十年
  • 発売元: 南風社
  • 発売日: 1996/10

★★★☆☆

著者は宮崎学。
という名前を聞いて思い出すのは、グリコ森永事件。
犯人とされていたような気がする。

という程度の記憶しかなかったのだが、
この本に書かれた半生を読んで、
犯人ではなかったらしいと初めて知った。
記憶はいい加減ですな…

宮崎氏は裏社会を生きてきた人だ。
日頃足を踏み入れる事のない世界の話は、かなり衝撃的だ。
ヤクザ同士の抗争の現場に居合わせたことのある人など、
ほとんどいないだろう。

いえ、特に居合わせたくはないです。はい。

で、そういう世界に生きてきた人というのは、
普通の人とはタフさが違う気がする。
しかしそれは、本で語られているように、
差別や犯罪、命の危険をくぐり抜けた代償として、
身につけなければならなかったもの。

日本人は甘い、タフさが足りないという意見がある。
しかし裏社会に生きる人たちは、
途上国に住む人たち以上にタフに見える。

過酷な環境に育てば、確かにタフにはなるだろう。
しかし恵まれた環境に育てば必ずスポイルされるわけでもない。
ものすごいタフな人たちもいる。
それは、過酷な環境に育ったからといって、
タフに社会を生き抜く人ばかり育つ話ではないのと同じだろう。

なんか話が遠くへ来てしまった。要は、
「治安の良い環境に生きるメリットを失わずに、
タフさを身につけるにはどうしたらよかろうか」

ということについて考えさせられましたよということ。

オススメ度は★3つです。
かなりボリュームがある本なので、
時間があるときに取り組むと良いと思います。

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:イノセント・ゲリラの祝祭

イノセント・ゲリラの祝祭
イノセント・ゲリラの祝祭
    著者: 海堂 尊

  • 発売元: 宝島社
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2008/11/07

★★★☆☆

チーム・バチスタの栄光」などの海堂尊氏の作品。

フィクションでありながら、
現実の医療問題を取り上げているのが
「バチスタ」の特徴だった。
それこそが、死因の特定についての、
現行制度の問題提起と代替制度の提案だった。

海堂氏は、ブルーバックスの「死因不明社会」という本で、
科学ジャーナリスト賞を受賞している。
そこでは、同じ問題について、法制度などをより広い範囲で
カバーしたものとなっている。

本作は、その内容を「バチスタ」の舞台上で表現したもので、
日本での解剖率の低さ、地域による医療格差、
現状に即していない法制度の問題点などが、
読んでいくだけで理解できるようになっている。

だからこそ、主人公は「バチスタ」と同じく、
田口センセイと白鳥のコンビなのだろう。

海堂氏の作品が好きな人なら間違いなく楽しめるし、
現在の医療制度についての勉強にもなる、良い本でした。
オススメ度は★4つです。

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:環境問題はなぜウソがまかり通るのか2

環境問題はなぜウソがまかり通るのか2 (Yosensha Paperbacks)
環境問題はなぜウソがまかり通るのか2 (Yosensha Paperbacks)
  • 著者: 武田 邦彦
  • 発売元: 洋泉社
  • 価格: ¥ 1,000
  • 発売日: 2007/09/12

★★★★☆

京都議定書の二酸化炭素削減目標は、
本のソムリエさんの言う通り、
実は政治的な側面が強い。
【本ナビ】「環境問題はなぜウソがまかり通るのか2」武田 邦彦

そして、日本はこの駆け引きに、
無類の弱さを見せてしまった。

日本は1990年比で、CO2排出量を
6%マイナスするという約束をした。
しかし日本は既に省エネの優等生なので、
GDPあたりで見れば、CO2排出量は
他の先進国の半分以下だ。
(参考:世界のエネルギーCO2排出量(2008年)

従って、巨額の排出権を購入して
目標を達成したところで、
CO2排出に対する寄与はとても小さい。

何のために、何兆円という税金を使うのだろう?
もっと他に大事な使い道があるはずと思う。
震災後の今という時期なら、なおさらだ。

他の話題は、前作に引き続き
ペットボトルなどのリサイクル、
バイオ燃料などについて。

環境問題というと、かけがえのない地球だから、
反論は許されない、という風潮があるのは確か。
日本人はまじめなので、ついがんばってやってしまう。

しかし、そういったがんばりさえも、
懐に入れようとする人もいるのだ。
やはり、知識は必要。
オススメ度は★4つです。

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru