「★★★★」カテゴリーアーカイブ

感想メモ:レバレッジ・リーディング

レバレッジ・リーディング
レバレッジ・リーディング
  • 発売元: 東洋経済新報社
  • 価格: ¥ 1,523
  • 発売日: 2006/12/01

★★★★☆

 「レバレッジ」シリーズの本田直之氏が、「ビジネスに役立つ読書のやり方」について説明している本。

 彼が勧めるのは「多読」であり「速読とは違う」としながらも、フォトリーディングと重なる部分は多かった。結局のところ「全部精読しない」ということなのだ。してたら数は読めない。

 「カラーバス効果」は、テーマを持って読むことで内容が頭に残りやすくなるということで、フォトリーディングの予習にあたる。これは潜在意識への刷り込みなのだろう。

 「読んだままにしない」というアウトプット重視の姿勢も、記憶の強化という面からも納得できる。私がこういう形で書評を書いているのは、そういう意味である。

 他にも、別の読書本で読んだ内容が見られるが(トピックまとめ読み、多読、ためらわず買う、読書は格安の自己投資)、それだけ多くの人が認める確かなことなのだろう。オススメのビジネス書なども紹介されていて、読んで損はない良い本。★4つ。

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感想メモ:予想どおりに不合理

予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
  • 発売元: 早川書房
  • 価格: ¥ 1,890
  • 発売日: 2008/11/21

★★★★☆

 行動経済学の本

 一般の経済学が「人は全ての状況を考慮して理性的に最適な経済行動を取る」と仮定しているのに対し、行動経済学は「そんなわけない。人はそんなに理性的じゃない。もっとテキトー」という前提に立つ。

 タイトルの「予想通りに不合理」は、人間は理性的じゃない=不合理な行動を取ること、その不合理さはランダムなのではなく、心理にもとづきある傾向を持っている、という意味である。

 この本では以下のような内容が紹介されている。

  • アンカー効果
     比較できるおとり(とても高いもの)を置くと、次に高いものがよく売れる
     どんな数字でも値付けのアンカーになる(保険証番号でも!)
  • 無料の力
     1円と無料には大きな隔たり。人は無料のものに対して理性的な判断ができない
  • 社会規範と市場規範
     報酬が支払われると、途端にやる気が減る(市場規範)
     プレゼントでは市場規範にはならない。お金は意味が違う
     「100円のお菓子」だと市場規範になる
     お金のことを口にしたり考えたりするだけで市場規範に!
  • 予測の効果
       おいしそうだと予測すると、やはりおいしく感じる
       まずそうだと予測すると、やはりまずく感じる

 行動経済学の本を読んだことがあれば、似たような話を見たことがあると感じるだろう。例えば「セイラー教授の行動経済学入門」など。こういった本を読んだことがある人には★4つ。ない人には★5つ。

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感想メモ:操体法治療室―からだの感覚にゆだねる

操体法治療室―からだの感覚にゆだねる
  • 発売元: たにぐち書店
  • 価格: ¥ 2,100
  • 発売日: 2002/12

★★★★☆

 操体法の雰囲気がわかる本

 操体法の創始者である橋本敬三氏の治療室「温古堂」での治療風景を、物語風に記した本。

 操体法の特徴である「痛くない方へ」「気持ち良いように動く」「気持ちよさを味わう」「動きに抵抗を与える」ということの意味が、数多くのエピソードを通じて深く描写されている。

 例えば「気持ちよい状態で止まり、脱力する」ということにしても、「止まるのは人によって最適な長さは異なる」「脱力の仕方も、瞬間にするのが良い人も入れば、ゆっくりと抜いて行くのが良い人もいる」というように、それぞれの人毎に異なるはずだと説く。

 3秒止めて、瞬間で脱力、という画一的な操法は、入り口としては良いかもしれないが万人に向くものではないということなのだ。

 このように、操体法の本の中でも、かなり深いエッセンスが盛り込まれていることから、他の本をいくつか読んだ後で取り組むと良いと思う。

 ただし、イラストは非常に味があるため、参考にするのであれば他の本の方がわかりやすいかもしれない。この本は文章を味わう本。味わえる内容は非常に豊かである。★4つ。体や健康に興味がある人には★5つ。

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感想メモ:操体法―「ひずみ」を正せば体が治る

操体法―「ひずみ」を正せば体が治る (らくらくブックス)
操体法―「ひずみ」を正せば体が治る (らくらくブックス)
  • 発売元: 家の光協会
  • 発売日: 2000/07

★★★★☆

 操体法の考え方と動きがよくわかる入門書

 「万病の元は体の歪みである」これが操体法の考え方である。その歪みを正し「正体」に導くことで健康になるという「操体法」の考え方の基本、動きの中での診断方法、歪みを正す基本動作について説明されている。

 操体法の本の中では、考え方と動きの説明が共にしっかりなされている部類。イラストも豊富。「痛みのある部分ではなく、体全体のバランスを診る」「痛みのない方向へ動く」「気持ちよい方向へ動く」などの基本がわかりやすく語られている。

 ちなみに著者の一人池田氏は大学でスポーツ・身体科学を専門としているが、胃癌手術後の背中の痛みがどうしても取れなかったのだが、操体法に出会って驚くほど治ったという経験から、操体法の研究をしているとのこと。★4つ。

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感想メモ:考える力がつくフォトリーディング

考える力がつくフォトリーディング
考える力がつくフォトリーディング
  • 発売元: PHP研究所
  • 価格: ¥ 1,260
  • 発売日: 2008/12/18

★★★★☆

 子供もフォトリーディングを覚えるといいですよ!という本。

 フォトリーディングのやり方の説明自体は「あなたもいままでの10倍速く本が読める」と同じ。ただ子供が使うことを考えているので、読書感想文や教科書や新聞などが例に挙げて説明されている。

 私個人として、フォトリーディングはとても意味があると考えている。それは
「本は全部精読しなくてもいいのだ」という思い込みの解除にあったということを以前書いた。
フォトリーディング – 精読からの解放

 そういう意味では、子供のうちに「本は、全部始めから1行ずつ読まなくてもいいんだよ」ということを教えてもらえるのは良いことだと思う。私も、学生の頃にフォトリーディングやマインドマップを知っていたら、勉強の効率は大分違ったろうと思うので。ただ、お仕着せにならないように気をつけないと。

 著者の山口佐貴子さんは、実際に子供向けのフォトリーディングセミナーも開講されている。興味のある方は試してみると良いのでは。フォトリーディングの内容としては目新しい点はなかったが、理念は賛同できるので★4つ。

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感想メモ:第8の習慣 「効果」から「偉大」へ

第8の習慣  「効果」から「偉大」へ
第8の習慣 「効果」から「偉大」へ
  • 発売元: キングベアー出版
  • 価格: ¥ 2,494 (5% OFF)
  • 発売日: 2005/04/23

★★★★☆

 フランクリン・コヴィー博士による、名著「7つの習慣」の続編。

「7つの習慣」が「行動を行う際の指針」であるのに対し、
この「第8の習慣」は行動以前に「ボイス(内面の声)」に耳を傾け、
「自分が情熱を持って行い、才能を発揮できることを見つける」
という所から議論が始まる。

つまり、「第8の習慣」で何をするのかを定め、
「7つの習慣」に基づいて実行するという構造になる。

 詳しい内容は他に譲り、印象に残った点を書いていく。
本書には繰り返し現れるフレームワークとして、
「1.肉体(PQ)、2.知性(IQ)、3.情緒 (EQ)、4.精神(SQ)」
というものがある。

IQとEQの違いはわかるが、EQとSQの違いがピンと来なかった。
しかし、EQは感情、SQは信頼や夢(ビジョン)などが属するものと捉えると、
なんとなく違いが理解できる。

 内容の理解を深めるものとして、短編映像が入っているDVDが付属されている。
ページ数も500ページを超え、ボリュームたっぷり。
腰を据えて取り組むべき本。関連する本として「パワーの原則」を挙げる。
(→感想メモ:パワーの原則

第1部に関しては「大好きなことをしてお金持ちになる」も近い印象を持った。
内容はすばらしいと思うのだが、ちょっとヘビー過ぎたので★4つ。

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感想メモ:記憶力をのばしたい!

記憶力をのばしたい!
記憶力をのばしたい!
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2008/07/08

★★★★☆

 昔は覚えてられたことが覚えられなくなってきた・・・
よく知っている人の名前をど忘れする・・・
何をしにきたのか忘れてしまう・・・

 そんな悩みを感じ始めたジャーナリストである著者が、
薬品、サプリメント、トレーニングなどなど、
記憶力を取り戻せる可能性の数々に体当たりチャレンジした様子を描いた本。

 記憶が落ちてくるといっても、正常な範囲からアルツハイマー、
脳の外傷まで様々なパターンがある。
著者は、自身がアルツハイマーかも、とおびえながらも、MRIなど数々の検査を受けたり、
複数の医者による脳の機能テストを受けたりしている。

 幸いアルツハイマーではなかったものの、別の問題が生じていることが発見した。
そして、数々の体当たりチャレンジの結果、ある程度の効果を得ることはできたようだ。

 著者は脳科学の専門家ではなくジャーナリストであるため、一般の人にも楽しめる内容になっている。
この点は「脳は眠らない」と共通している。
また、「物忘れが増えてきて心配」という普遍性のあるトピックであるため、
多くの人が興味深く読めるだろう。
おもしろいだけでなく、実用的でもある。★4つ。

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感想メモ:できる子はノートがちがう!—親子ではじめるマインドマップ

できる子はノートがちがう!—親子ではじめるマインドマップ
できる子はノートがちがう!—親子ではじめるマインドマップ
  • 発売元: 小学館
  • 価格: ¥ 1,050
  • 発売日: 2008/12/06

★★★★☆

 子供がマインドマップを使うことで、勉強にやる気が出て成績も良くなるかも、という本。

 マインドマップを勉強に使うことは効果があると思うし、よいことだと思う。ノートを取るよりもマインドマップを描く方が子供も楽しいと思うので、どんどん広まるといいと思う。

 一方、本の後半で「子供がサッカー選手になりたいと言っています」とか「子供が言うことを聞きません」というようなことに対しても、マインドマップを描けばうまくいきますよ的な雰囲気になっているのはいかがなものかと感じた。

 うまくいくこともあるのかもしれないが、打ち出の小づち的に祭り上げてしまうのは良くない。あくまで発想を広げるためのツールとしての捉え方で良いのではないか。

 「子供の学習にマインドマップを使おう」という主旨自体には共感するので、★4つ。

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感想メモ:野村監督に教わったこと—僕が38歳で二冠王になれた秘密—

野村監督に教わったこと—僕が38歳で二冠王になれた秘密—
野村監督に教わったこと—僕が38歳で二冠王になれた秘密—
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2008/02/27

★★★★☆

 元中日の山崎武司が、楽天移籍後に野村監督に受けた教えについて書いている本。

 野村監督というと、ID野球で緻密な理論を優先する頭脳派監督という印象だが、楽天での教えは「野球選手以前に人間としてどうあるべきか」というものだったらしい。

 プロ野球選手というのは抜群に運動神経がよく、特に頭を使わずとも勝ってこれたという人も多い。従って、プロになっても頭を使わない人も多いという。しかし野村監督は、だからこそ頭を使えばまだまだチャンスがあると山崎に伝えた。その結果が38歳での2冠王である。

 野村監督には色々な見方があるだろうが、チームの再建の手腕は実績からも明らかだ。そしてこの本によれば、楽天に入ってからはかなり選手に気を使った采配を取っているようだ。個人的には日本の監督の中で最も優秀だと思う。

 野球好きな人には★4つ、普通の人には★2つだが、野球好きな人しか読まないだろうから★4つ。

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感想メモ:反対尋問の手法に学ぶ 嘘を見破る質問力

反対尋問の手法に学ぶ 嘘を見破る質問力
反対尋問の手法に学ぶ 嘘を見破る質問力
  • 発売元: 日本実業出版社
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2008/06/19

★★★★☆

 弁護士として数多く法廷で証言をする証人を見てきた著者による、嘘をつく人への対処法を説明する本。法廷という特別なシチュエーションで培われた考察だが、普通の状況でつく嘘にも当てはまるだろう。

 おもしろいと思ったのは以下の点。

  • 嘘には、記憶違いや思い込みによるものと、意図的に作られているものがあるが、記憶違いは結構多いこと。人の記憶は影響を受けやすく、かなりあやふや
  • 記憶違いの場合は「嘘つき」呼ばわりは危険。共同作業で一緒に思い出してもらう
  • 意図的に嘘をついている人は、聞かれてもいないことを話しがち
  • ストーリーは理路整然としていても、実体験ではないのでディテールを聞かれると詰まる
  • ・女性は男性よりも嘘がうまく、嘘をつくときでも目が泳がず目を見据えることができる

 実際に明日から書かれていたことを使うかと言われると難しいが、知っていておもしろい内容だった。サラッと読むとよいと思う。★4つ。

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