「★★★」カテゴリーアーカイブ

感想メモ:ダンサーなら知っておきたい「からだ」のこと

ダンサーなら知っておきたい「からだ」のこと
ダンサーなら知っておきたい「からだ」のこと
  • 発売元: 大修館書店
  • 価格: ¥ 1,785
  • 発売日: 2008/12

★★★☆☆

バレエにおける体の使い方の説明が主

 「知っておきたいからだのこと」シリーズのバレエ版。体の柔軟性が大事なダンサーなので、きっと体を柔らかくするコツが満載なはず!と手に取ったのだが、そうでもなかった。

 骨や筋肉や関節の構造や働きなどについての説明や、バレエの動きの解説などがメインで、一般の人向けではないかもしれない。ストレッチのコツ的な部分もあったが、2ページぐらいしかなかった。それも背中を丸めるのではなくお腹から、というような知っていることだった。残念。

 ということで★3つ。本の半分以上が体についての一般的な説明なので、そういうことに興味がある人にとっては★4つくらいか。

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感想メモ:「心のブレーキ」の外し方

「心のブレーキ」の外し方〜仕事とプライベートに効く7つの心理セラピー〜
「心のブレーキ」の外し方〜仕事とプライベートに効く7つの心理セラピー〜
  • 発売元: フォレスト出版
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2006/11/21

★★★☆☆

潜在意識のクセを知って自分をコントロールしよう

 潜在意識、無意識、そのような言葉で語られる、
脳の表層意識に上らない部分。
その部分が習慣や意思決定にも大きな影響を与えている。

 コールドリーディングで有名な石井裕氏が、
潜在意識の特徴やクセについて説明している。
自分をコントロールする術を身につけよう、という本。

 メモしたのは以下の部分。
はしょっているので、意味が通らないのは気にしない。

・現状維持メカニズム・・・潜在意識は変化を嫌がる
→スタートの一歩を丁寧に、徐々に慣らしていく

・感情を長続きさせる・・・感情は冷めるもの
→気分が高揚したら感情を行動に変える。受動的な体験を能動的な行動に

・潜在意識はつながっている
→一つの成果だけを求めず、人生全般での成長に心を配る

・潜在意識は答えを見つけるまで探し続ける
→やらずに後悔を続けるよりも、やってみる

・潜在意識には時間というものがない
→過去も未来も解釈で意味付けを変えられる

・潜在意識には「ないもの」が理解できない
→今、できること、に集中する

・知識や経験が意識レベルでフィルターをかけ潜在意識に落ちない
→実績や経験に頼らず、根拠がなくても自信を持つ

・目標を実現した自分を演じる

 他で目にしたことがあることがあることが度々出てくる印象。
「現状維持メカニズム」は、「1つの習慣」で述べられていることだし、
「目標を実現した自分を演じる」というのも、数々の本で述べられている。
そういった知識を確認することができた。
逆に、あまり新しい知識を得られなかった印象。

 付録のCDで通信講座「ダイナマイトモチベーション」の第1回分が聞ける。★3つ。

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感想メモ:イチロー思考

イチロー思考―孤高を貫き、成功をつかむ77の工夫
イチロー思考―孤高を貫き、成功をつかむ77の工夫
  • 発売元: 東邦出版
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2004/12

★★★★☆

イチローの成功の基準は自分の中にある

 イチローの言葉を元に、成功の秘訣を演繹しようとしている本。
しかし私の印象に残ったのは、イチローの言葉の方だった。

自分の中に立てた目標を成し遂げた。
そのことを成功というのならわかります。
でも他人が言う成功を追いかけ始めたら
何が成功かわからなくなってしまいます。

第三者の評価を意識した生き方はしたくない。
自分が納得した生き方をしたい。

 これらの言葉から伝わってくるのは、
・努力をしてきたという強力な自負
・努力を必要なものと考え、し続けられること
(「継続は力なり」「一歩ずつ進むしかありません」)
であった。

 イチローや北島康介のように、自分の才能と努力に対する
強烈な自負がないと、世界一のレベルには立てないのだと思う。
一方井上康生にはそこまでの自負がなかった、というのは私見。

 オススメ度は、野球やイチローが好きなら★4つ。
まぁ、好きじゃない人はわざわざ読まないでしょう。

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感想メモ:人間この信じやすきもの

人間この信じやすきもの―迷信・誤信はどうして生まれるか (認知科学選書)
人間この信じやすきもの―迷信・誤信はどうして生まれるか (認知科学選書)
  • 発売元: 新曜社
  • 価格: ¥ 3,045
  • 発売日: 1993/06

★★★☆☆

人間の「誤信」の例とメカニズム

 勝間和代女史推薦。

 誤診とは?
例えばランダムなデータに規則性を見出してしまったり、
統計的に予想できることに別の法則を見出してしまったり、
自分が考えていることはみんなも考えていると思ったり、
自分の信念を補強する情報を過大評価したりしてしまったり。

 つまり、人間の頭は確率を正しく計算できなかったり、
信じたいものを信じたりしてしまう傾向にある。

 ただ、これらのまちがい方には傾向がある。
例えば、不快の方が快よりも印象が強い(マーフィーの法則)。
このいった間違いの傾向を知っていると、罠にはまりにくくなれるのでうれしい。
脳はそういう風にできているのだろう。

 ただ、本書はちょっと読みにくかった。
「考えることの科学」などの認知心理学の本や、
「セイラー教授の行動経済学入門」などの行動経済学の本の方が、
同じような内容で読みやすかった印象がある。
読むなら、これらの方を勧める。★3つ。

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感想メモ:考えることの科学

考えることの科学―推論の認知心理学への招待 (中公新書)
考えることの科学―推論の認知心理学への招待 (中公新書)
  • 発売元: 中央公論社
  • 価格: ¥ 693
  • 発売日: 1997/02

★★★☆☆

 人間はどのように考えて判断するか、その考え方にはどのようなクセがあって、どのように間違うことが多いかを、認知心理学の観点から紹介している。

 人間が確率を正確に把握できないのは有名な話だ。自動車が恐くなくても飛行機が恐いし、宝くじは当たると思って買ってしまう。40人のクラスで誕生日が同じ生徒が一組でもいる確率は実は9割を超えるし、サイコロで1が続けて出たら、次は違う目が出やすいと思ってしまう。そしてこういう考え方のクセは、万国共通である。きっと脳の仕組みなのだろう。行動経済学の本でも出てくる。

 他にもベイズ理論というものが紹介されているが、これは相当直感的に理解しづらい。例えばこんなものだ。
「1000人に1人の割合で感染する病気の検査薬は、感染している場合98%の確率で陽性となる。しかし感染していない場合も1%の確率で陽性となる。この薬で陽性反応が出た場合、感染している確率はどれだけか」
思わず98%と言ってしまいそうだが、答えは約9%。このベイズの理論を直感的に理解する方法も載っている。

 という感じの内容なので、マメ知識として読んでおくと役に立つかも。★3つ。

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感想メモ:ふわ、くにゃ、すとん!操体法

ふわ、くにゃ、すとん!操体法―痛い・つらいを自力で解消
ふわ、くにゃ、すとん!操体法―痛い・つらいを自力で解消
  • 発売元: モダン出版
  • 発売日: 1999/12

★★★☆☆

 操体法の入門書

 橋本敬三氏が創設した操体法の、入門書として書かれた読みやすい本。

 操体法の説明自体は数十ページで、あとはイラストによる説明が多く、
紙面の半分以上を占めるという印象。
パラパラとめくっていくだけでも、こういう感じなのか、
というイメージがつかめる。

  • 痛い方ではなく心地よい方に動く
  • 心地よいところでタメ、脱力する
  • 3〜4秒、3〜5回

などの記述があるが、これはあくまで入り口として捉えるべきで
(特にタメ、脱力の部分)、現在の操体法は変わってきているらしい。
他にも「楽」と「快適」の区別も必要とのこと。
自著を斬る!
操体法について

 お試しには良さそうだが、本式の操体法は難いもの?★3つ。

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感想メモ:生きるための経済学—“選択の自由”からの脱却

生きるための経済学—“選択の自由”からの脱却 (NHKブックス)
生きるための経済学—“選択の自由”からの脱却 (NHKブックス)
  • 発売元: 日本放送出版協会
  • 価格: ¥ 1,019
  • 発売日: 2008/03

★★★★☆

 トピックはおもしろいのだが、残念ながら議論が拡散しすぎている印象。

 経済学の前提である「最適化原理」(人は皆あらゆる選択肢の中から最適なものを選ぶ)と「均衡原理」(価格は需要と供給の均衡する点になり、そこに至るまでの時間は考えない)が非現実的というのは理解できる。そして、可能なあらゆる選択肢を考慮することは非現実的なので、「選択の自由」が現実的でないという点も同意する。そしてその後「選択」に代わる「創発」という概念、それに基づく議論が続くのだが、議論がどこに向かっているのかわからずついていけなくなった。

 そんな中で私が興味を持った点は、ワーカホリックとアルコール依存の話題だった。著者はワーカホリックであるようだが、その背後にあるプライベートな問題についても赤裸々に語っていて興味深かった。アルコール依存とワーカホリックは、かたや病気方や社会的にはOKと扱われ方が異なるが、対象が異なるだけで基本的には同じ構造だというのはその通りだと気付いた。

 というようにおもしろい点もあったのだが、今一つ自分の中で整合が取れなかったので★3つ。時間が取りにくい場合は、経済学のおかしさについて、第一章だけ読むのもよいと思う。

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感想メモ:財務を制するものは企業を制す

財務を制するものは企業を制す (PHP文庫 イ 6-1)
財務を制するものは企業を制す (PHP文庫 イ 6-1)
  • 発売元: PHP研究所
  • 発売日: 1986/06

★★★☆☆

 元銀行マンの著者が、数々の起業の財務改善に携わった経験と、財務改善に必要とされる心構えを説いている。

 財務改善では、支出を抑えることが必要不可欠である。支出を抑えるというと、どうも「守り」のイメージが強いが、ここで語られる支出の抑制は、知恵を出し尽くすことによる「攻め」のコストの削減であり、それは「意欲型」の財務管理者であると著者は説く。

 1986年の本ではあるが、サブプライム以降の金融危機で破綻する企業が多い今であるからこそ、目を通して損はないと思われる。ただし最も本書を必要とするのは、経営や財務に直接携わる人間だろう。そういう人には★4つ、普通の人には★3つ。


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感想メモ:データでわかるモノの原価

データでわかるモノの原価
データでわかるモノの原価
  • 発売元: ソフトバンク クリエイティブ
  • 発売日: 2005/12/22

★★★☆☆

 いわゆる原価本(←そういう言葉があるのかは知らない)。

 ユニクロ、宝石、iPod、お茶、ハンバーガー、中古車、100円ショップ、大人のおもちゃ、カツラ、コンタクトレンズ、棺桶、牛乳、納豆、卵、ラーメン、チョコレート、パン、りんご、うなぎ、ビール、ケーキ、アイス、ふぐ、ワクチン。色々なものの原価が出ている。

 全部読んでもどうせ覚えちゃいられないので、興味があるところを拾い読みしていくとよいだろう。個人的にはユニクロの原価率が意外と低いこと、牛乳、納豆、卵、チョコレート、ハンバーガーの薄利多売ぶり、コンタクトレンズ、お茶、棺桶などの間接費用の高さが印象に残った。他にも、流通が複雑すぎる業界もある。もっとシンプルになるのではないか。逆に、シンプルにしてコストを下げているところこそが生き残っているとも言える。

 似たような本も色々出ているので、どれか読んでおけば良いだろう。教養ですな。★3つ。

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感想メモ:計画の科学—どこでも使えるPERT・CPM

計画の科学—どこでも使えるPERT・CPM (ブルーバックス 35)
計画の科学—どこでも使えるPERT・CPM (ブルーバックス 35)
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 861
  • 発売日: 1965/04

★★★☆☆

 プロジェクトなどの計画を行うための手法である、PERT(Program Evaluation and Review Technique)、CPM(Critical Path Method)などの紹介。1967年の本。

 事業の大規模化が進み、計画の重要性は増しているが、日本人は全体を見渡した計画を作るのが苦手であるところを、オペレーションの勤勉さカバーしている。そこで「PERTなどを使ってきちんと計画を行うといいですよ」というのが主旨。PERT+CPMは、一番時間のかかる工程やボトルネックを把握するのに便利な手法。詳しくはこの辺りを参照されたい。
http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/pert.html

 現在どの程度PERTが使われているのかは知らないが、実際に工程を動かす実務には役立っているのではないかと思われる。日常的にはガンチャートくらいしか見ないが、製造業とかだときちんとやってるのだろうか。よく知らない。

 読んだのは「計画の科学II」の方なのだが、Amazonにないのでこちらをリンクしておく。IIの方が実際のプロジェクトの計画の説明が多い実務寄り、Iの方はPERT/CPMの紹介に近いようだ。

 やや専門的なので、興味がある人には★4つ。関係ない人には★3つ。


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