感想メモ:ブラックペアン1988

ブラックペアン1988
ブラックペアン1988
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2007/09/21

★★★☆☆

「チーム・バチスタ」の海堂尊さんの作品。

他の作品同様、どんどん先に進みたくなる安定した力量。
同じ世界の時系列や場面をずらして描く手法もいつも通りで、
タイトル通り1988年時の登場人物の姿をかいま見ることができる。

過去が舞台なので、医学問題というよりも、
登場人物の内面にフォーカスが当てられている。
海堂作品を読んだことがある人なら、問題なく楽しめるでしょう。

オススメ度は★3つです。

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感想メモ:運動神経をよくする 親が教える体操ドリル

運動神経をよくする 親が教える体操ドリル
運動神経をよくする 親が教える体操ドリル
  • 発売元: MCプレス
  • 発売日: 2005/12

★★★☆☆

運動神経というのは、小さいうちに様々な動きやスポーツに
触れることで作られていくらしい。
そこで、親子で体を使ってできる、様々なドリルを紹介している。
特に書かれていないが、対象年齢は4,5歳以上という感じだろうか。

著者は、1983年から全国中学校体操競技選抜大会20連覇を成し遂げた、
清風中学の体操指導者の城間氏。ホームページはこちら。
シロマスポーツホームページ
教え子にはオリンピック選手の西川、冨田、米田らがいるそうだ。

スパルタでやってもきっと楽しくないので、
親子で楽しんでやれるものを選んでやると良いのではないか。
また、書かれていることだが、安全の確保を第一に考えよう。

実際に試したわけではないので効果の程はわからないが、
色々やるのはいいことなのだろう。
オススメ度は★3つです。

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感想メモ:医薬品クライシス

医薬品クライシス―78兆円市場の激震 (新潮新書)
医薬品クライシス―78兆円市場の激震 (新潮新書)
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 735
  • 発売日: 2010/01

★★★☆☆

製薬業界が大きな市場を持つことはなんとなく知っている。
しかし、どんな問題があるのかなどは、あまり知らないものだ。
そんなあなたに一歩進んだ知識を与えてくれる本。

ペニシリンの例は行きすぎだが、昔の新薬開発に比べて
現在の新薬開発は、精度も効率もかなり上がっている。
その一方、重要な分野での薬はかなりの部分が開発済みであり、
残っているのは重要だけれども開発が難しい分野に
限られてしまっているそうだ。

このことが、一発当たると年に数兆円という規模の売上が
可能となる一方で、一生研究しても一度も新薬を創り出せずに
終わる研究者の方が多いという現状につながっている。

盛んに進められている製薬会社の合併も、
莫大な開発コストを支えるだけの体力を持つため、
という側面が大きいようだ。

行政による対応も、医薬品に対する大きなファクターとなる。
例えば南アフリカでエイズが蔓延してしまったのは、
効果が証明されているエイズ治療薬の使用を認めようとしなかった
過去の大統領によるところも大きいようだ。

彼は「西洋の会社が作った医薬などは、
全てアフリカを害するための策略である」と公言し、
ドイツのメーカーによる抗HIV約の無償供与さえ拒絶した。

他にも、タミフルの副作用に関する一連の報道と規制の話は記憶に新しい。
これも、果たして本当に薬の副作用によるものなのか、怪しいようだ。

仮にすべての異常行動がすべてタミフルのせいで起こっていたとして、
異常行動による死の危険は四千万分の二十、すなわち約二百万分の一
ということになる。これは交通事故による死亡率二万分の一、
航空機事故による死亡率五十万分の一より遥かに低い値だ。

初期にタミフルを投与することで重篤化を防ぐという方針が、
日本における新型インフルエンザの死者が少ないという結果に
つながっている、と著者はいう。

業界の概要が理解できる本でした。
オススメ度は★3つです。

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感想メモ:医学のたまご

医学のたまご (ミステリーYA!)
医学のたまご (ミステリーYA!)
  • 著者: 海堂 尊
  • 発売元: 理論社
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2008/01/17

★★★★☆

中高生向けの医学を題材にした小説。
と言いつつも、日経メディカルに連載されていた作品で、
その道の大人が読んでも楽しめるし、
一般の大人が読んでも楽しめるようになっている。
さすが、「チーム・バチスタの栄光」の海堂尊氏、腕が良い。

彼の著作と同じで、同一の世界の話として描かれている。
特にこの作品は「ジーン・ワルツ」との関わりが強いので、
「ジーン・ワルツ」を読んだ人はこちらも楽しめるはず。

私は普段小説はあまり読まないのだが、
海堂氏の作品は安定して読める。
この本は、中高生も読めるようになっているので
時間もあまりかからないし、かつ楽しく読めた。
オススメ度は★4つです。

医学のたまご (ミステリーYA!)
医学のたまご (ミステリーYA!)
  • 著者: 海堂 尊
  • 発売元: 理論社
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2008/01/17

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感想メモ:凍

凍
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2005/09/29

★★★★☆

山登りも、8000m級ともなるとまさに死と隣り合わせで、
いくらでも命を落とす危険がある。
しかしそんなことに挑戦を続ける人たちがいる。

本書は、山野井泰史、妙子夫妻がギャチュンカン北壁への登攀を描いた
ノンフィクション長編。

山登りのことなど全くわからないのだが、
とても臨場感を持って表現されていて、
一気に読んでしまった。

一体、なぜこんな危険に挑むのだろうか。
どうやら、二人とも山が好きで好きで仕方がないみたいだ。
二人の生い立ちや生活を読んでいると、
まさに山に登ることにすべてを捧げているようだ。
そしてそれを、当たり前のように自然にやっている。

世の中いろんな人がいるものだ。
いやー、すごい。

おもしろく読めた。
オススメ度は★4つです。

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感想メモ:人はなぜ治るのか

人はなぜ治るのか―現代医学と代替医学にみる治癒と健康のメカニズム
人はなぜ治るのか―現代医学と代替医学にみる治癒と健康のメカニズム
  • 発売元: 日本教文社
  • 価格: ¥ 2,450
  • 発売日: 1993/11

★★★★☆

いわゆる西洋医学を「アロパシー」とし、
明確に弱点と限界があるものとして、
他の医療も敬遠せずに併用するべし、
としている。

アロパシーでは体の器官の異常を
心と結びつけるのは得意ではない。
従って、治療法としては症状が出た
その器官に対するアプローチとなる。
これは「心はなぜ腰痛を選ぶのか」でも触れられている。

一方、患者の生まれてからの背景を重視し、
体全体のバランスの崩れや
エネルギーの滞りを解消することを
主眼に置いた治療法もある。
それが、ホメオパシー、オステオパシーなどである。
整体もこちらに属する気がする。

しかしこれらはアロパシー全盛の現在は主流ではない。
そういう意味で「三大異端医学」として
「ホメオパシー」「オステオパシー」
「カイロプラクティック」
を取り上げ、他にも
「ナチュロパシー」「東洋医学」
「シャーマニズム」「マインドキュアー」
「信仰療法」「心霊治療」
「ホリスティック医学」「ニセ医療」
など、様々な治療法について説明されている。
東洋医学がシャーマニズムと並んでいるのは
東洋人としては違和感があるが、
そういうものなのだろうか。
もちろん扱いは異なるが。

また、紹介されている
「健康と病気の十大原理」は
ぜひ知っておくべき。

  1. 完璧な健康は達成できない
  2. 病気になってもだいじょうぶ
  3. からだには自然治癒力がある
  4. 病気の作因は病気の原因ではない
  5. あらゆる病気は心身相関病である
  6. 病気には必ず軽微な初期症状がある
  7. からだは人によって異なる
  8. どんな人にも弱点がある
  9. 血液は治癒エネルギーの主要媒体である
  10. 正しい呼吸は健康への鍵である

効果という点だけで考えれば、
宗教的な治療法であっても
多くの患者が治ったという実例がある。
それでは、人が治るというのは
どういうことなのだろう?
それらすべて治療法に共通するものとして、
以下のように述べている。

統一変数は治療に対する信仰心である

なるほどなぁ。
これを日本的に言うと、
「病は気から」
となるのだろう。

いろいろと興味深かった。
健康は誰しも関係のあるところ。一読すると良いでしょう。
オススメ度は★4つです。

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感想メモ:ひかりの剣

ひかりの剣
ひかりの剣
  • 発売元: 文藝春秋
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2008/08/07

★★★☆☆

「チーム・バチスタの栄光」「ジェネラル・ルージュの凱旋」などの海堂尊氏。
今回は医療ではなく、剣道を題材にした小説。
彼の作品のルールを踏襲し、同じ世界の登場人物が活躍するため、
他の作品を読んだことがある人はとっつきやすいだろう。

さすが、医療から題材が変わっても読ませる力がある。
元々作者自身が剣道に身を捧げていたというだけあって、
その描写はリアリティに溢れている。
とはいえ、格闘技なら夢枕獏だろうし、
彼を彼たらしめるホームグラウンドは医療なのだなと再確認もした。

背景の話が「ジェネラル・ルージュの伝説」に書かれているので、
興味がある方はそちらも読むとよいだろう。
ということで、オススメ度は★3つです。おもしろかったです。

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感想メモ:赤ちゃんの運動能力をどう優秀にするか

赤ちゃんの運動能力をどう優秀にするか―誕生から6歳まで (More gentle revolution)
赤ちゃんの運動能力をどう優秀にするか―誕生から6歳まで (More gentle revolution)
  • 発売元: ドーマン研究所
  • レーベル: ドーマン研究所
  • 発売日: 2000/03

★★★☆☆

子供が0歳から6歳までの各段階で、どんな能力を獲得していくのか。
その際にどんな運動をするとその助けになるのか、プログラムとしてまとめて紹介している。

日常ではあまりやらない動きが多いが、これらを行うことで、
より早く運動能力を得られるようになるとのこと。

何ヶ月で何ができるようになった、
という数字自体には意味があるわけではないだろう。
しかし、周りの子供たちと比べて、
早く物事ができるようになるということは、
自信がつくという点では意味があるように思う。

例えば、プロスポーツ選手には4月生まれが多い。
これは、成長が早いということもあるだろうが、
それによって与えられる機会が増えるということもまた、
大きな要因であるようなのだ。
(参考:「天才! 成功する人々の法則」)

洋書なので、対象は日本人の子供ではない。
まぁ、外人の子供と日本人の子供がどの程度作りが違うのかは
今ひとつわからないが、結構違う気はする。
おもしろかった。オススメ度は★3つです。

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感想メモ:ジェネラル・ルージュの伝説

ジェネラル・ルージュの伝説 海堂尊ワールドのすべて
ジェネラル・ルージュの伝説 海堂尊ワールドのすべて
  • 発売元: 宝島社
  • 価格: ¥ 1,260
  • 発売日: 2009/02/20

★★★★☆

「海堂尊ワールドのすべて」というサブタイトル通り、
チーム・バチスタの栄光」などのヒット作を飛ばしている海堂尊氏の作品をまとめた本。
ジェネラル・ルージュの凱旋のエピソードとして、「ジェネラル・ルージュの伝説」も収録されている。

一般的な話として「○○の世界」的な本というのは、ファンの人には
超うれしいが、普通の人にはそうでもない、というギャップが生じがちだが、
この本はそれほどファンではない私にも楽しめた。

理由はいくつかある。

一つは、海堂氏の本は医療問題を取り上げているが、
これがかなり現実とリンクしていること。
例えば、チームバチスタで取り上げられたのA.Iは、
まだ制度として認められていないもので、
海堂氏はこれを現実に用いられるように活動しているその一環として、
「チームバチスタ」書いたそうなのだ。
こういった流れをフォローできるのは、本編を読むのとは違った面白さがある。

もう一つは、作者の考えの裏側がわかること。
例えば、海堂氏の書く小説の世界は実は一つの世界であること。
あるいは、どういった執筆ペースで作品が作られているのかなど、
トリビア的におもしろい。

ということで、ただのまとめ本という以上におもしろかった。
医療問題は身近なだけに、興味をひくなぁ。
オススメ度は★4つです。

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感想メモ:いのちの輝き

いのちの輝き―フルフォード博士が語る自然治癒力
いのちの輝き―フルフォード博士が語る自然治癒力
  • 発売元: 翔泳社
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 1997/02

★★★☆☆

西洋医学は科学なので、心や気など、定義のあいまいなものは対象となりにくい。
しかし心と体が影響し合っているという理解は、東洋医学では珍しくない。
そして西洋医学にも、主流ではないものの心の影響を重視する流派もあることは、
心はなぜ腰痛を選ぶのかでも紹介した通り。

からだとこころは確実にひとつのものであり、
どちらかがよくなれば、もうひとつのほうが自然に楽になっている。

科学的アプローチとは異なる西洋医学の例が、
この本で説明されているオステオパシーというもの。
考え方としては、体に流れるエネルギーがブロックされていることが、
からだやこころの異常につながるので、それを取り除く手助けをする、
というもの。

そのブロックや圧迫が長くつづくか、
または短時間でも深刻なものであれば、
不快や痛み、病気の症状となってあらわれることになる。

体の自然治癒力を助けるというのが基本スタンスなので、
抗生物質に頼るのは、耐性菌も出てきてしまうし
よろしくないというスタンス。

抗生物質はできるかぎり避けるにこしたことはない。
熱が三九・五度以下なら、どんなくすりものまないほうがいい。

子供の頃のケガやトラウマが大人になってからの体の歪みに
影響を及ぼしている、というところまではわかるが、
出産時の影響が強いとまで言われると、
データを見てみないとなんとも、と思ってしまう。

ただ、いわゆる西洋医学では対処できない症状に対しても、
効果を上げているという実績は確か。
例えば中耳炎に対しても、
このあたり、心はなぜ腰痛を選ぶのかで書かれていたTMSと共通点は多い。

悲嘆にくれることがなぜそれほど有害なのか?
なぜなら、そうした心理パターンが神経系のなかに
特定の想念の回路をつくりあげ、
それが全身の複雑な生理作用に影響するからだ。
わたしの経験では、運動のなかで一番いいのはストレッチである。
からだのバランスを左右する三大要因は、
気圧・感情の高ぶり・食生活である。

なんとなく整体に近い印象を持った。
(バキバキやるもののではなく、
体全体のバランスを重視する野口整体的な意味合い)

日本人の私はさほど違和感なく読めたのだが、
西洋の人には異端なのかもしれない。
オススメ度は★3つです。

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読んできた本の内容をまとめて紹介。