感想メモ:そうそう、これが欲しかった!

そうそう、これが欲しかった!―感性価値を創るマーケティング
そうそう、これが欲しかった!―感性価値を創るマーケティング
  • 発売元: 東洋経済新報社
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2007/07

★★★★☆

「感性のマーケティング」の小阪裕司氏。
「ワクワク系マーケティング」による感性価値創造を
提唱している小阪氏。
前半では、感性価値創造を行う方法について、
後半では、どのようにして感性価値創造を企業内で推進していくか、
という難しい問題に答えている。

前半の感性価値創造についてキーワードだけ書いておく。

感性価値の創造の3つのパターン

  • 伝達:良さを正しく伝える
  • 増幅:+αにより良さを強める
  • 転換:想定外の良さを引き出す

感性価値創造プロセスの3つのフレームワーク

  • 感性消費行動のデザイン
  • 関係性のマネジメント
  • 感性ナレッジのマネジメント

それぞれについて、内容の説明、実行ステップ、
実例がついているので、読めば理解できるはず。

後半の企業内での推進については、やや説明は少ない。
しかし、辛抱強く、わかりやすく、成果を見せる、など
組織を動かす上でキーとなるポイントが説明されている。

一人が本を読んでおもしろいと思っても、
組織を動かせなければ効果は限られたものになる。
辛抱強く活動していくことが必要なのだろう。

本書では感性価値創造について、どちらかというと理論的に書かれている。
他の本でわかりにくかった部分を、この本で補足することができるだろう。
また、実際に感性価値創造により売上や利益率が上がっている例が
複数示されているので、結果を出しているという説得力がある。
ビジネスをしている人は読んで損はない本。
オススメ度は★4つです。

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感想メモ:アイデアは考えるな。

アイデアは考えるな。
アイデアは考えるな。
  • 発売元: 日経BP社
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2009/11/19

★★★☆☆

面白法人カヤック
IT好きの人なら名前を知っているかもしれない、
変わったサービスをいろいろとリリースしているIT系の会社だ。

その社長の柳澤氏が、優れたアイデアを生み出すために
どのようにしているのか、そして仕事への取り組み方について
語っている。

基本的なスタンスは、まず「目の前の仕事を楽しむ」というもの。

つまり、自分が楽しいと宣言することによって、自己暗示がかかるのです。

その結果としてアイデアが出てきて、楽しくなってきて、評価もされる。
良いサイクルになっていくと。

アイデアに関しては「たくさん考えてたくさん出そう」という方針なようだ。

実は、アイデアをたくさん出そうとするからこそ、
すごいアイデアがでてくるのだともいえます。

そういうことで、タイトルはキャッチーにしたという印象が強い。

アイデアを出すツールもいくつか紹介されている。
マインドマップやマンダラアートなど。

参考書として、このサイトでも紹介しているアイデアのつくり方
アイデアのヒントなどの本も取り上げられている。

以下、雑感。

アイデアを出すこと自体は、一人でもできる。
こういった本で方法を学び、実践するのは本人のやる気次第だ。

個人で実行できる話であれば、そのまま頑張れば良い。
しかし、より大きな活動にしたいのであれば、
そうしたアイデアを組織の中で実行することになる。

カヤックという会社は、アイデアが命のIT業界で、
社長もこういうスタンスなので、アイデアを生み出し、
それを実行に移すのは何よりも善とみなされているだろう。

しかし組織として硬直化し、変わったアイデアにケチをつけるのが
趣味のような人が存在するような組織では、
アイデアを実行に移すフェーズに気を使う必要がある。

そういった組織文化を変えるには、一体どうすればいいのだろうか?
最近の個人的な関心はこの点にある。
が、この本の守備範囲ではない。

アイデアという言葉について興味があるのであれば、
目を通すと気づきがあるだろう。
オススメ度は★3つです。

ちなみにTHANKSというサービス、私は好きです。

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感想メモ:インナーゲーム

インナーゲーム
インナーゲーム
  • 発売元: 日刊スポーツ出版社
  • 発売日: 1976/07
新インナーゲーム―心で勝つ!集中の科学
新インナーゲーム―心で勝つ!集中の科学
  • 発売元: 日刊スポーツ出版社
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2000/06

★★★★★

スポーツがなかなか思い通りにいかないのは、
経験者なら誰しも感じていることだろう。

うまくいかない理由を分析し、「次は気をつけよう」と思うのだが、
気にすればするほど手が縮こまって、全体のバランスが崩れて
ミスを繰り返してしまう…

一方で、何をやってもうまくいくような無我の境地、
いわゆる「Zone」という状態も存在するらしい。
経験的にも、うまくいっているときの感覚というのは、
後で聞かれても覚えていなかったり、イメージが浮かんで
それに従っていたりするので、言葉では表現しづらいものだ。

すると、次の疑問は誰しもが興味のあるところだろう。

しかしながら、この”無我夢中”の境地は意識的に作り出せるのだろうか。
どうやったら意識的に”無意識”状態に達することができるのだろう。

この本にはテニスコーチである著者がたどり着いた方法が書かれている。
ポイントは、自分を2つに分けること。
セルフ1、つまり自分に命令し、ついでに自分をののしったりする自我。
セルフ2、つまり命令を受けて実行する自分。寡黙に命令を実行する。
色々理不尽な命令や罵倒を受け、しばしば混乱する。
詳細は、ぜひ実際に本を読んでみて欲しい。

もう一つ、興味深かった点がある。
最後にある、「スポーツに臨む姿勢」についての話だ。
何のためにスポーツをするのか、ということだ。
自分を高めるため?相手に勝つため?友達を作るため?健康のため?
この問いに対して、著者は一つの見解を出している。

「勝つために」プレーすることは、実にすばらしいことだ。
私は試合の勝負は気にしないが、常に勝とうとしている。

こちらも詳細は、実際に本を読んでみて欲しい。
読む価値がある。

実はこの本の初版の発刊は1976年。
登場するプロ選手の名前は当然ながら時代遅れなのだが、
議論の中身については、全くもって現在でも通用するものばかり。
それだけ、スポーツとは精神的な要素が大きく、
その精神面のコントロールこそが難しい、ということだろう。
新版(2000年)が出ているので、今読むならそちらの方がよいだろう。

スポーツをする全ての人にとって、読む価値がある本
オススメ度は★5つ!

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感想メモ:新版 もっとこだわりの家がつくりたい!

新版 もっとこだわりの家がつくりたい!
新版 もっとこだわりの家がつくりたい!
  • 発売元: ごま書房新社VM
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2010/02/01

★★★☆☆

建築家が、どのように自分の家をリフォームしたか、
考え方や実際の建て替えプロセスを書いた、体験談。
自分の家でビフォーアフターをしたという感じか。

リフォームはそんなに何回も何回もするものではないから、
初めての状態で臨む人の方が多いと予想する。
当然、事前に知識を仕入れておいた方が良いだろう。

例えば。

家を建て替えるには、どういう選択肢があるのだろうか?

  • 新築かリフォームか
  • ハウスメーカーか工務店か設計事務所か

どういうところに力を入れるべきなのか?
・間取り、収納など

他にも、コストの内訳も明らかにされていて参考になる。

リフォームをしようかと思っている人が
事前に読むと参考になるでしょう。
オススメ度は★3つです。

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感想メモ:ビジネス脳を磨く

ビジネス脳を磨く (日経プレミアシリーズ 6)
ビジネス脳を磨く (日経プレミアシリーズ 6)
  • 発売元: 日本経済新聞出版社
  • 価格: ¥ 893
  • 発売日: 2008/05/09

★★★★☆

モノを売るときに、安くする以外の可能性の一つとして、
「感性価値の創造」というものがある。
著者の小阪氏が提唱するものだ。

例えば、落として一部欠けてしまった人形。
通常のマーケティング理論では、損としかならないだろう。
しかしこれに「怪我をしてしまった人形」としてストーリー付けすることで
正価で売れてしまった事例が紹介されている。
何もなければ、ただの破損品である人形だが、
ストーリーによって、お客さんにとって「価値があるもの」になったのだ。

こういった方向性を、著者の小阪氏は
「感性価値の創造」「感性情報デザイン」と呼んでいる。
個人的に注目していて、関連の本を読んでみている。

感性情報とは、なんだろうか?

自分にとって「意味あるもの」として受け取れたもの、それが情報である。
そして、その情報が自分にとってぐっとくるかこないか、
それが情報の価値を左右する。
すると、ほとんどのビジネスにとっての課題は、
お客さんの感性に訴えて「意味あるもの」と
思ってもらえるかどうかにかかっている。

感性社会の特徴は三つあるそうだ。

  • 決まりきった解答がなく単一の解もない
  • 今日の解は明日の解ではない
  • A社の解はB社の解ではない

他の例の猿マネをしてもダメということだ。
自分たちの軸を変えてはいけないのだという。

それでは、どうすれは既存の延長線上にない発想が
できるようになるのだろうか。

それは、発想するためのリソース(資源)を増やすことである。
感性情報デザインの匠になる第一歩は、
まずフレームを知ることだ。
「知る」ということは尊いことで、そこからすべてが始まるのである。

あとは実践なのだろう。

情報化が進み、少しでも安く買えるところがあれば、
お客さんは離れて行ってしまう、というような関係ではなく、
この店から買いたい、この人のオススメなら買ってみよう、
と思ってもらえるような関係になること。
それが、皆が幸せになるビジネスにつながるのだろう。

おもしろかった。オススメ度は★4つです。

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感想メモ:最新スポーツビジネスの動向とカラクリがよーくわかる本

★★★☆☆

スポーツは自分でやって楽しんだり、健康を維持したり、
観て楽しんだりと色々だ。
ではその裏側は一体どうなってるんだろう?

と思ってざっと読んでみたが、あまりカラクリはわからなかった。
相撲と野球は年配の人が好きだが、
若い人になると人気が下がりサッカーは逆の傾向だとか、
プロ選手は一部の人以外引退後が厳しいとか、
マネジメント側の人が足りないとか、
スポーツ関連にも資格が色々あるとか。
結構残ってるか。

また、以下のような雑学的な知識が身についた。

・最もプロ選手が多いスポーツはゴルフ。約4600人。
 次が競輪で約3600人。次がボクシングで約3100人。
 野球は約700人、サッカーは約1000人。
 →結構意外

・運動の実施率は年々上がっている
 →健康が気になる人が増えているのかな

・アメリカのフィットネスクラブ参加率が15%を超えて世界一
 オランダが同じくらいの二位。日本は3%
 →15%って相当多いのでは。

スポーツが好きな人は、ざっと目を通してみると、
へぇ〜という発見があるのではないだろうか。
オススメ度は★3つです。

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感想メモ:梅干と日本刀

完本 梅干と日本刀―日本人の知恵と独創の歴史 (祥伝社黄金文庫)
完本 梅干と日本刀―日本人の知恵と独創の歴史 (祥伝社黄金文庫)
  • 発売元: 祥伝社
  • 価格: ¥ 900
  • 発売日: 2000/02

★★★☆☆

日本古来から伝わってきた知恵には、
もっと評価されるべきものが数多くある。
欧米カッコいい、だけではなくて日本の良いところも
きちんと見直しましょう、という本。

生活が西洋化して、廃れてきてしまっているものも多いが、
その中には良さがあるものも多い。
日本建築や土木工事の技術や、調理や保存食など、
教養として知っておくとよいと感じたことが多かった。

Amazonでなか見検索ができるので、
目次だけでもパラパラと見てみるとよいと思う。
Amazon.co.jp: 本: 完本 梅干と日本刀―日本人の知恵と独創の歴史 (祥伝社黄金文庫)

コロッケはスペインから伝わったもので、
がんもどきはコロッケをアレンジして作られたもの
というのは印象に残った小ネタだった。

オススメ度は★3つです。
時間があれば読んでおくとよいと思います。

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感想メモ:カップヌードルをぶっつぶせ!

カップヌードルをぶっつぶせ! - 創業者を激怒させた二代目社長のマーケティング流儀
カップヌードルをぶっつぶせ! – 創業者を激怒させた二代目社長のマーケティング流儀
  • 発売元: 中央公論新社
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2009/10/11

★★★★☆

日清食品創業者、安藤百福(あんどうももふく)氏の息子であり、
2代目社長安藤宏基氏。
副題は「創業者を激怒させた二代目社長のマーケティング流儀」。

日清といえば、カップヌードル。年間15億食というからすさまじい。
チキンラーメンも年間2億食弱というからこれまたすごい。
この世界の胃袋を支えるブランドを2つもこしらえた創業者というのは、
やはり普通の人ではないようだ。

私に言わせれば、創業者とは普通の人間ではない。
異能の人である。
一方、創業者の事業を引き継いだ後継者は、
私も含めて、だいたいが普通の人である。

本田宗一郎にしてもSteeve Jobsにしても、普通ではない。
それだけの偉大な創業者がいると、
後を託された経営者の苦労というのもひとしおだろう。
様々な苦労が伝わってくる本だった。

偉大なブランドを乗り越えるにはどうすればよいのか、
やはりその悩みが一番大きいようだった。

いま、日清食品内の”奇人変人比率”は一割くらいだろう。
私の理想は全社内で二割、研究スタッフに限れば三割は欲しい。
全社内で三割を超えると、逆に経営が成り立たなくなるかもしれない。

身近な商品だけに、裏側の話も面白く読めた。
オススメ度は★4つです。

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感想メモ:なぜ、「頑張っている人」ほど、うまくいかないのか?

なぜ、「頑張っている人」ほど、うまくいかないのか?
なぜ、「頑張っている人」ほど、うまくいかないのか?
  • 発売元: フォレスト出版
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2004/05/19

★★★☆☆

潜在意識が行動に与えている影響というのは、
思いの外大きいらしい。
自分をふり返ってみても、人は感情で決め、
理屈で自分を納得させる、という話は当たっていると思う。

潜在意識というのは、それまでの人生における選択、経験の
積み重ねの結果作り上げられたもの。
特に、子供の頃に刷り込まれたメッセージは、
意識はできないが自分に大きな影響を与えているものだ。

以下の部分は、読んでいてドキッとした。

子供の頃のプログラムの悲惨な点は、
自分が一番望んでいるものに対してしり込みするように
できているところです。

次の部分も、思い当たる部分はある。
いや、私は違いますよ?(目を泳がせながら)

このタイプの潜在意識のプログラマがあると、
追い込まれないとまともな仕事ができない人間に
なることがあります。ほとんど怠けて過ごし、
いよいよとなった時に猛烈に仕事をします。

それでは、長年の経験の積み重ねで形作られた潜在意識を
書き換えることはできるのだろうか?

手書き作業は直接潜在意識にうったえることができるので、
潜在意識をプログラムし直すのに最適です。
だから、人生を変えるために必要な考えを、
「書く」という作業を通して直接潜在意識に植え付けるのです。
過去にどういうプログラムをされたかは問題ではありません。
大事なことは、前へ進むためにプログラムし直したりする方法を
身につけることです。

その方法として「メンタル・バンク・コンセプト」というものが紹介されている。
変わった方法だが、行動を変える良い方法なのではないかと感じた。
が、それを習慣づけるハードルが高い。詳細は本を読んで欲しい。

潜在意識についての認識を新たにした。
オススメ度は★3つです。

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感想メモ:おとなの進路教室。

おとなの進路教室。
おとなの進路教室。
  • 発売元: 河出書房新社
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2007/03/16

★★★☆☆

著者は「おとなの小論文」の山田ズーニーさん。
ほぼ日連載のコラム+読者とのやりとり、という体裁。
テーマは、タイトルの通り「仕事」や「人生」といった深いもの。

コラムの集合体なので、すぐ読める。
語られている内容も、なるほどねぇと思わせる部分もあった。

しかし。

なぜだろうか。読み終えたときに残ったものが少なかった。
考えた結果、自分と根本的な考え方が違うからだろうという
結論に至った。語り口のベースに悲壮感を感じるのだ。
そのテイストが自分の信念と反するところだったのだと思う。
そしてそれは何が正しいというようなものではなく、好みの問題だろう。

そんな中で、参考になると感じたのは以下の部分。

「やりたいことが見つからない」というとき、問題は、
その答えをこばんだり、いつまでもそこにうずくまったり、
それでも「俺は何がやりたいんだろう?」といたずらに問いを握りしめ、
自分をもてあそんでしまうことではないだろうか?
はっきりと意味や成果が見える目標よりも、
「なんだかあけがわからないけれど面白い」
というものに自分をひらいておけ! いや、飛び込め!というのが
個人として仕事をし始めてから、自分の鉄則のようになっている。

語られているようなテーマに、今まさに直面している人は
参考になるところは多いだろう。
オススメ度は★3つです。
私にはちょっと合わなかったです。

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読んできた本の内容をまとめて紹介。