「本」カテゴリーアーカイブ

感想メモ:なぜ社員はやる気をなくしているのか

なぜ社員はやる気をなくしているのか(日経ビジネス人文庫)
なぜ社員はやる気をなくしているのか(日経ビジネス人文庫)
  • 著者: 柴田 昌治
  • 発売元: 日本経済新聞出版社
  • 価格: ¥ 680
  • 発売日: 2010/03/02

★★★★☆

人の力をフルに発揮して、組織としてのアウトプットを高める。

文字で書くのは簡単だが、現実にはとても難しい。
人が多くなればなるほど、
「自分がやらなくても誰かがやるだろう」
という意識が生まれるし、
人が少なすぎれば、目の前のことで手いっぱいになり、
一歩引いて考えることができなくなる。

本書のトピックは、まさにこの点で、
「組織としてのアウトプットを高めるために、
どうすれば人のやる気=内発的動機を
引き出すことができるのか」

ということ。

社員が仕事への誇りと働きがいを持ち、
内発的な動機を持ちながら仕事をすることで、
問題解決し、業績を上げ続けていくことが、
私たちのめざす「変革」なのである。
組織というものは、集団として安定していればいるほど、
大きな組織であったり歴史を持つ組織であればあるほど、
「人が前向きになる力」が働いてしまうものなのである。

やる気を喚び起こすには、
「経営と仲間に対する信頼」が前提であり、
そのためには「スポンサーシップ」を
形成しなくてはならない、
というのが本書の主張。

スポンサーシップという言葉が聞き慣れなかったが、
どうやら以下のようなものであるようだ。

言い換えれば、
「部下が主体的に考えざるを得なくなるような
場と条件を準備し、セーフティネットをつくり上げていく」
という黒子的・世話役的機能を果たしていくことだ。

こうした組織に変革を引き起こすためには、
多くの関係者を巻き込むことが必要。

「まーた何かめんどくさそうなこと言い出した」
と思われていては、うまくいくことはないだろう。
そのヒントが以下の部分。

「答えを最初から用意するという姿勢では、
内発的動機は引き出せない」
と考えている。内発的動機は、
「同じ目線で一緒に答えをつくっていく」
中でこそ引き出されるのである。
連動性を高めようと思えば、
「ほかの人に協力した人が結果として損をせず、
協力し合うことでお互いに利益を享受できる」
という条件を作る必要がある。
この条件を整えてはじめて多くの人は自発的に動きはじめるのだ。
では、「変わり続けるための因子」とは何か?
それは、「内発的動機を持ち、主体的に取り組むことで、
問題をみずから発見し、提起し、周囲の協力を得ながら、
問題解決していくことが、誰にとっても当たり前」
という「組織として共有している価値意識」の存在だ。
では、どのように言えばいいのか。
これしかないというような言い方はもちろんないし、
状況に応じて言い方を変える必要があるのだが、
基本は、「相手に手柄を」である。
空いてを責めるのではなく、相手のいいところを認めながら、
そこに言いたいことをうまく織り込んでいく姿勢を持つのである。

人の心を変えるというのは簡単ではない。
色々と経験知もあるようだから、本を読んだからといって
できるほど甘くもない。
が、知っていることは絶対に役に立つ。

モチベーションに興味がある人、
企業で働いている人は、
同じ著者の風土改革シリーズ、
報酬主義をこえてと合わせて
読んでみるとおもしろいでしょう。
(末尾の関連図書参照)

オススメ度は★4つです。

なぜ社員はやる気をなくしているのか(日経ビジネス人文庫)
なぜ社員はやる気をなくしているのか(日経ビジネス人文庫)
  • 著者: 柴田 昌治
  • 発売元: 日本経済新聞出版社
  • 価格: ¥ 680
  • 発売日: 2010/03/02

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:富を手にする「ただひとつ」の法則

富を手にする「ただひとつ」の法則
富を手にする「ただひとつ」の法則
  • 著者: ウォレス・D・ワトルズ
  • 発売元: フォレスト出版
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2005/07/22

★★★★★

望んでもいない幸運が舞い込んできて、
人生超うまく行った。

というようなケースは、残念ながら
宝くじの一等が当たる確率ぐらいに少ない。

一方、いわゆる「成功している人」というのは、
成功する前から、目指す姿を描き、
それを実現するための道のりを進んできた結果として、
その状態に到達してきたのだろう。

つまり、逆に言えば、
「望んでいないことは叶わない/叶いにくい」

奥ゆかしい日本人である我々は、自分が現状とは違った姿で
羽ばたいているのを想像することなど、
あまりないのではなかろうか?

■望んでいるものを思い描く

想像できないということは、
いざチャンスがあったとしても、
自分にブレーキをかけてしまうだろう。
それはつまり、準備ができていないということだ。

想像するといっても、どうすればいいのだろうか?

実際に、望んだものにいつも囲まれている状況を想像してください。
それらを自分のものとして、自由に使っていると想像してください。
じっさいに手に入れたと考えて、それを利用してみてください。
イメージが明確で具体的になるまでじっくりと考え、
そこにあるすべてを所有しているという「精神的態度」をとってください。
望みどおりの環境と経済力が与えられたと想像し、
その状態が続いている、と思ってください。
ただし、たんなる夢想や空想で終わらせるのではなく、
それがまさに実現されようとしているという「確信」と、
みずからの手で実現させる「決意」を」強く持ちつづけることを、
忘れないでください。

自分が何を望んでいるのかを十分に考え、
それを映像化するなどして、鮮明に思い描く。
実現した状態の感覚を、リアルに想像してみる。

ポイントは、それが絵空事ではなく
「実現するのだ」という確信と、
「実現させるのだ」という決意
確かに、いつか宝くじが当たればいいなぁ、
ではイマイチだろう。

■「感謝すること大事」な理由

最良の形や性質を帯び、すぐれたものに注意を向けると、
すぐれたものが身の回りに集まってきて、
あなた自身とてもよい状態になるでしょう。
われわれは《思考する存在》ですが、
《思考する存在》とはみずからの思考した形をとるものなのです。
感謝の心は、常に善なるものに向けられているため、
善なるものになろうとします。

暗いことばかり考えていれば、暗くなる。
感謝は善い部分に意識を向けることなので、
習慣づければ心も善いものに近づく、と。

この話題については、心を鍛える言葉も参考になる。

■仕事について

希望する仕事についたあなた自身のイメージを脳裏に浮かべ、
決意と確信を持って今の仕事に「働きかけ」てみてください。
そうすれば、かならずや望む仕事が手に入れられることでしょう。
やりたいことをやってみるのが人生です。
気の進まないことばかりさせられて、
やりたいことができないならば、
心から生きる喜びを感じることはできません。
それに、やりたいことなら、かならずできるはずです。
やりたいという気持ちは、それができるという証なのです。

うーん、その通りですなぁ。

潜在意識。コンフォートゾーン宝地図思考の現実化
今まで読んだ本でも目にしたことがある
内容ではあるのだが、なぜかこの本はとても腑に落ちた。

この本がうまく書かれているのか、
今までの蓄積があったからなのかはわからないが、
人生について考えさせられる、良い本だった。

こういうことを考える時間も取らないといけませんな。
オススメ度は★5つです!

富を手にする「ただひとつ」の法則
富を手にする「ただひとつ」の法則
  • 著者: ウォレス・D・ワトルズ
  • 発売元: フォレスト出版
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2005/07/22

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:動きが心をつくる──身体心理学への招待

動きが心をつくる──身体心理学への招待 (講談社現代新書)
動きが心をつくる──身体心理学への招待 (講談社現代新書)
  • 著者: 春木 豊
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 798
  • 発売日: 2011/08/18

★★★★★

「動き」と「心」は、どんな関係?

多くの人が
「心が指令を出した結果、動きが起きる」
のだと考えているだろう。

しかし、心と身体はつながっているので、
そう簡単な一方通行の因果関係ではない。
むしろ、互いに影響を与え合うという関係だ。
このことは、心はなぜ腰痛を選ぶのかなど、
医療の分野でも言われていることだ。

このように、身体の動きが心の動きに影響を及ぼす、
という立場に立つのが「身体心理学」。

基本的に身体心理学は
身体の動きやそこから生ずる感覚や
気分・感情という心の根源に立ち戻り、
単なる観念ではなく、現実に密着したリアルな
心の働きを明らかにしようとするものである。
脳という中枢の存在は、
末梢である四肢の活動の経験の集積であって、
末梢である身体なしに存在しえない。

特に、次に挙げるウィリアム・ジェームスの説は、
とても興味深い。

身体的変化は
刺激を与える事実の知覚の直後に起こり、
この変化の起こっているときの
これに対する感じがすなわち
情動であるというものである。

「悲しいから泣く」のではなく、
反射的に泣くという身体の変化が起こり、
情動はその結果ついてくる、つまり
「泣くから悲しい」のだというのだ。

呼吸、筋反応、表情、発声、姿勢、
歩行、対人距離、対人接触、
これらは自動的に行われるものでもあるし、
意識的に行うこともできるものでもある。

これらを意識的にコントロールすることで、
心にも影響を与えることができる、
という様々な研究結果が紹介されている。

例えば、呼吸はゆっくりと腹式で、
吐き切った後、吸う前ににしばらくそのままでいる、
というポーズのある呼吸が、
生理的な安定をもたらす
とのこと。

他にも、以下のような実験結果が紹介されている。

  • 姿勢を変化させて音楽を聞くと、
    背筋を丸め、顔は下を向けたときに
    ネガティブな感じに聞こえる
  • 「イー」と発音する場合(口が横に広がる)と
    「ムー」と発音する場合(唇がとんがる)では、
    前者の方が快を感じ、落ち着くと感じる
  • 歩くときに歩幅を大きくし、テンポを上げると、
    自信があり、開放された気分に変化した
    (指でリズムを刻むだけではならない)

また、筋肉を緩める訓練をしておくと、
恐怖への耐性も強くなるそうだ。
精神的な緊張は、身体的な緊張と
一体のもの
なのだ。

筋肉を緩めると、ストレスを下げ、
免疫活動を高めるという結果もある。
つまり、筋肉を緩める技術を身に付ければ、
筋肉だけではなく、精神面や健康面にも
その効果は及ぶ
ということなのだ。
おもしろい!

本の最後には、身体を動かすことで、
心も健やかに保つためのエクササイズが
紹介されている。

心も身体も健やかに保ちたい。

これは万人の願いだろう。
そのための貴重な気づきが多く得られる本だった。
オススメ度は★5つです!
心と身体の健康に興味がある人は、ぜひ。

動きが心をつくる──身体心理学への招待 (講談社現代新書)
動きが心をつくる──身体心理学への招待 (講談社現代新書)
  • 著者: 春木 豊
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 798
  • 発売日: 2011/08/18

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:月収1850万円を稼いだ勉強法

月収1850万円を稼いだ勉強法
月収1850万円を稼いだ勉強法
  • 著者: 大坪勇二
  • 発売元: 祥伝社
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2010/12/01

★★★★☆

手取り1655円が1850万円になった営業マンが明かす月収1万倍仕事術
の続編。今度は著者大坪氏の勉強法の紹介。

気付いてみればそんな自己投資に累計1500万円以上投入し、
この10年間で2800冊の本を読み、
300件以上のセミナーに参加しました。

という経験のエッセンスを知ることができるとは、
ありがたいことです。

ベースは、以下の3つのステップから成っている。

まず、「ひとりで学ぶ」
次が「師匠につく」
最後が「勉強会を活用する」

特に興味を持ったのが「ひとりで学ぶ」だった。
自分がまだその段階だということかしら?
ともあれ、そこにフォーカスして紹介していく。

まずは、他の本でも出てくることだが、
「ひとり会議」の重要性。

1週間のうち、ほんの数時間、
携帯電話の電源を切り、完璧に一人になって
考えることに没頭するのです。

この「ほんの数時間」を取ることは、
強く決意しないとなかなかできない。
だからこそ、この習慣は本当に大事だと実感する。
それは、「重要だが緊急ではない」、「7つの習慣」で言う
いわゆる「第2領域」のタスクの実行に関わるからだ。

この「考える時間」をきちんと取って、強く「やる」と決意しないと、
重要なことであっても、緊急ではないが故に
ズルズルと先延ばしされなかなか進まない。
このことは、誰しも心当たりがあるのではなかろうか。

そのひとり会議でやることは以下の通り。

  1. 普段思いついたアイディアを書きためたメモやアイディア帳を読み返し、
    それを整理して別の大学ノートに転記する「ダブルノート発想法」
  2. スケジュール帳を読み返しながら、過去一週間の行動を反芻し、
    目標を達成する上で必要な行動を書き出す「イベント復習法」
  3. 自分が抱えている課題に関連した本を読んで実行するための
    「お題」を抜き出す「お題リーディング」

どれも完全にマネする必要はないが、
・アイデアを書きため、見返す
・過去の出来事を振り返る
・課題解決のヒントを探す
というエッセンスはぜひ取り入れたい。

「師匠につく」「勉強会を活用する」の部分も
おもしろかったのだが、長くなるのであとは読んでのお楽しみ。

それでは「あなたを成功に導くための出会い」をどうやって引き寄せるか。
そのカギは、「勉強」だったのです。正確に言えば、
「情報を吸収して編集加工し、それを言語化して発信する」
という一連の流れ全体を指しますので、「勉強」という一言では表現できません。

私、結構長いことやってるなぁ。
出会い、そろそろあるのかしら?

ここに書かなかったことを含め、色々と参考になった。
オススメ度は★4つです。ためになる良い本でした。
ありがとうございます!

月収1850万円を稼いだ勉強法
月収1850万円を稼いだ勉強法
  • 著者: 大坪勇二
  • 発売元: 祥伝社
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2010/12/01

関連:

感想メモ:今すぐできる「戦略思考」の教科書

今すぐできる「戦略思考」の教科書 ビジネス本を何冊読んでも身につかない人のための
今すぐできる「戦略思考」の教科書 ビジネス本を何冊読んでも身につかない人のための
  • 著者: 筏井 哲治
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2010/11/19

★★★☆☆

著者は、元マイクロソフトで、
トップスピーカーという経歴を持つ筏井氏。
これは賢い人だ、というのがパラパラ読んでみた第一印象。

これだけ戦略的な考えをして日々仕事をしていれば、
確かに結果もついてくるだろう、と思わさせられる。

本書は「戦略思考の教科書」なので、
紹介されていたものをいくつかピックアップしてみる。

リデル・ハートによる「関節アプローチ」という戦略
・目的を手段に適合させよ
 →ムチャな目的を立てない
・目的を常に念頭に置け
・最小予期線を選択せよ
 →相手が予期していないところ(最小予期線)から攻める
・最小抵抗線を活用せよ
 →弱点、手薄なところを攻める
・代替目標の選択が可能な作戦線を取れ
 →複数の目標を立て、相手の戦力を分散させる
・計画および配置が状況に適応するよう柔軟性を確保せよ
 →いかに素早く計画を修正し、再配分するか
・敵が油断していない時は、味方の兵力を打撃に投入するな
 →消耗戦はしない
・作戦が失敗した場合、同一の作戦線に沿った打撃を再開するな

サイレントブレインストーミング
そもそも全員の「声」を封印することにしました。
そして意見があるならアイデアにしてホワイトボードに書く、
あるいはパソコンに打ち込む、という
ルールにしてしまったのです。

アイデアが通常のブレストの数倍出るそうだ。
これはやってみようと思う。

代わりに考えたのは自分たちが属している数名のチームで
Experiment(実験)-Adapt(適応)を繰り返すことでした。

このEAチェーンの方が、PDCAよりもずっと早く回るだろう。
しかしきちんとPを立てないとEをやれない、というのが
硬直した組織の罠。スピード感が大事ですな。

商談の時間が1時間であれば、製品説明に充てられる時間は20分。
そこで20分を測りながら鏡の前で練習する、それだけです。

「それだけです」といわれても、その「それだけ」を
やっている人がどれだけいるだろうか。

これまでの標準やルールを変革しようとするマイノリティは、
最初は必ず批判や反発に晒されます。
でも誰かが変革を起こさなければ硬直した組織は変わらないし、
状況を打破することはできないのです。

結局の所、分析のツールをいくつ知っている、
ということが問題なのではなく、
結果を出すために、できることは全てやる、
というような強い信念の元に動いていることこそが
ポイントであるのだろう。

オススメ度は★3つです。
手元に置いて、何度も参照するような本です。

今すぐできる「戦略思考」の教科書 ビジネス本を何冊読んでも身につかない人のための
今すぐできる「戦略思考」の教科書 ビジネス本を何冊読んでも身につかない人のための
  • 著者: 筏井 哲治
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2010/11/19

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:ワクワク系で10倍幸せに仕事をする

ワクワク系で10倍幸せに仕事をする
ワクワク系で10倍幸せに仕事をする
  • 著者: 小阪 裕司
  • 発売元: ヴォイス
  • 発売日: 2001/11

★★★★☆

ビジネスはなぜか戦争になぞらえた用語が多く使われる。
戦略だったり、戦術だったり。
しかし著者は、ビジネスは、誰かと戦ったりするものではなく、
「自分を表現する」舞台なのだと説く。

ビジネスとは、
自分の内から湧きあがってくる何かを
表現したものであることが大切なのだ。

人々はワクワクすることを求めている。
そしてそれを目に見えるものとして気付かせてあげる、
というスタンス。これがワクワク系の目指す所。

彼らはただ「毎日をワクワク生きよう」としているのだ。
「昨日より今日、今日より明日を、少し素敵な日にしよう」としているのだ。
「普通の人たち」だが、「人生をポジティブに生きよう」としているのだ。

自分が何かを表現したいと思うためには、
表現するもの、そして表現したいという動機を
持っていることが前提となる。
そしてそれを、きちんとビジネスとして成立するような
しくみにしていくのだ。

ミッション→コンセプト→しくみ→かたち
というプロセスだ。
この一連の流れは市場創造のステップでもある。

自分はこれを世に伝えるんだ、
という思いを持っているからこそ、
苦労を苦労とも思わず進んで行ける。
だからこそ、人より秀でることができる。

そういった仕事のやり方を、この本では提唱している。
オススメ度は★4つです。共感しました。
小阪裕司氏による、近いテーマを扱った本として、
天職の作法「ありがとう」と言われる商いもオススメです。

ワクワク系で10倍幸せに仕事をする
ワクワク系で10倍幸せに仕事をする
  • 著者: 小阪 裕司
  • 発売元: ヴォイス
  • 発売日: 2001/11

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:リアル仕事力

リアル仕事力 (PHP文庫)
リアル仕事力 (PHP文庫)
  • 著者: 小阪 裕司
  • 発売元: PHP研究所
  • 価格: ¥ 500
  • 発売日: 2009/04/01

★★★☆☆

仕事の目的とはなんだろうか。
お金の対価として労働を提供することだろうか。

著者の小阪氏の答えは、否、である。

しかし金儲けは、自分のやるべきことをやるための
「手段」として必要なのであって、
「目的」ではないだろう。
もしあなたが来年のいまごろ、立つことや、
歩くことや、しゃべることや、食べることが
てまきなくなるとしたら、
今日これから何をするだろうか。

スティーブ・ジョブスも毎日自身に問うていた質問に近いが、
この質問、あなたは何と答えるだろうか?

ビジネスの本質とは、その
「人に何か与えることができるもの」に、
人が交換と尊敬をもって対価を支払うということなのである。

その、ビジネスに真に役立つ自分自身の力を
身につけよう、というのがこの本だ。

紹介されている21の力については
目次で紹介するとして、
ここでは印象に残ったものをピックアップする。

・やりはじめる力
有名だからやれたのではない、
資本があるから、地位があるから
やれたのではない。
やりはじめたからやれたのだ。
・目の前のことをやる力
自分の目の前のことにきちんと目を向け、
それを克服できる人間、目の前のことに打ち込める人間が、
自分の人生をものにするのだ。
・積み重ねる力
覚悟があり、好きなら、やめない。
それが積み重ねることの源泉なのだ。

200ページ弱の文庫本ながら、
様々な気付きが得られる本でした。
ありがとうございます。
オススメ度は★3つです。

目次
かぶく力

なりきる力

巻き込む力

掘り下げる力

やりはじめる力

断わる力

描く力

期待させる力

ズレに気づく力

目の前のことをやる力

自分の物語を知る力

揺らがない力

常識を破る力

愉しく苦しむ力

積み重ねる力

アイデアを生む力

見えないものを見る力

立ち上がる力

他人を思う力

生まれと育ちの力

生きる力
リアル仕事力 (PHP文庫)
リアル仕事力 (PHP文庫)
  • 著者: 小阪 裕司
  • 発売元: PHP研究所
  • 価格: ¥ 500
  • 発売日: 2009/04/01

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:シュガーマンのマーケティング30の法則

シュガーマンのマーケティング30の法則  お客がモノを買ってしまう心理的トリガーとは
シュガーマンのマーケティング30の法則 お客がモノを買ってしまう心理的トリガーとは
  • 著者: ジョセフ・シュガーマン , 佐藤 昌弘
  • 発売元: フォレスト出版
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2006/03/08

★★★★★

広告の文言を一言変えただけで、
売上が何十%も上がり、時には何倍にもなる。
言葉の持つ力というのはそれほど大きい。

著書は、通販やインフォマーシャルなどの
マーケティングの現場で、
広告のやり方が売上に与える影響を試し続けて来た。
そのノウハウの集大成がこの本だ。

似たジャンルの本として「影響力の武器」がある。
人の行動に強く影響を与える要素を
6つにまとめて紹介した名著。

一方本書は、「影響力の武器」の内容も含みながら、
マーケティングのノウハウやエピソードが
30項目紹介されている。

1 一貫性の原理
見込み客を顧客に転じさせるためにできる最も重要なこと、
それはどれほど小さな買い物であっても、
購買決定をこれ以上ないほど簡単なものにしてあげることだ。
6 巻き込みとオーナーシップ
お客に話し掛けるときは、
あたかも相手があなたの商品を所有しているかのように話す。
お客の想像力をかき立て、
購買プロセスへの参加意欲をそそる。
8 物語(ストーリー)
子供の頃から慣れ親しんできたために、
人は皆物語かま大好きである。
物語はセールスに人間味を与え、
あなたとお客をつなぐ役割をはたす。
お客の頭には、常に一つの疑問がある。
「私はこの商品を一番いい値段で買っているのだろうか?」
何を販売するにしても、自分が本当のお値打ち品を、
誰よりもお買い得な商品を提供している証拠を
お客に見せるのだ。
12 理屈による正当化
第1に、人は感覚で買い、理屈で納得すること。
第2に、理屈は「なぜこれを買ったほうがいいの?」という
無言の疑問に対する答えだということだ。
13 強欲
お客が期待する以上のお買い得感を与えれば、
この価値ある「強欲」という心理的トリガーの力を
最大限活用できるのだ。
15 満足の確約
満足の確約とは、お客に
「私はあなたが満足することを確信しているので、
たとえ自分のお金を使ってでも、
そんなにしてもらったら損をするのではと、
逆にあなたが心配するくらいのことをして差し上げます」
という意味をメッセージなどで伝える。
16 リンキング
あなたの売ろうとしている商品やサービスと、
消費者がすでに良く知っているものとを
関連づければ、お客はあなたの商品を理解しやすくなり、
自分との接点を見つけやすくなる。
17 帰属欲求
人が特定の商品やブランドを買うのには、
ブランドをすでに所有している人たちの
仲間入りをしたいという強い心理的理由がある。
商品の所有者グループを見て
そのブランドに共感する人々がいる。
18 収集欲求
あなたの商品を一番買いそうなお客が、
同じような商品を買う可能性の高い
見込み客でもあることを認識しよう。
19 切迫感
どんな最高のセールストークも時間と共に風化し、
遠い記憶と化してしまう。
購買を促すには切迫感を使い、先送りさせないこと。
20 限定
収集品や限定版、短期生産、超高級品などは
少数の人しか所有できないため、どれもお客に
買いたいと思わせる強い動機付けとなる。

→「影響力の武器」の「希少性」に同じ

21 単純明快さ
単純明快さはきわめて重要で、
提案が持つ複雑さの分だけ販売効率は下がる。
提案をシンプルにするということは、一言で言えば、
お客に代わって選択をしてあげること。
22 罪悪感
子のトリガーは「ギブ・アンド・テイク」と
呼ばれることもある。つまり、
まず私が何かあげるから義理堅くお返しして
という発送だ。

→「影響力の武器」の「返報性」に同じ

23 親近感
お客があなたの商品ブランドや会社に
なじみがあればあるほど、あなたの言うことを
受け入れて買おうという気になる。
29 考えさせる力
セールストークをわかりやすくし過ぎず、
お客に頭を使わせることにより、結果的に
あなたのメッセージに対する好印象を残すことができる。
30 正直さ
すべての心理的トリガーの中で最も強力なものの1つ。
いつでも本当のことを話すこと、
無防備なまでに正直であることで、
お客を味方にすることができる。

引用ばっかりになってしまうのは、いい本の証拠。
マーケティングに携わる人は、
本書からいくつものヒントが得られるだろうし、
それ以外の人も、人がどんなことに強く影響を受けるのか
知ることができる。

何度も読み返したい、良い本でした。
オススメ度は★5つ、オススメです。

シュガーマンのマーケティング30の法則  お客がモノを買ってしまう心理的トリガーとは
シュガーマンのマーケティング30の法則 お客がモノを買ってしまう心理的トリガーとは
  • 著者: ジョセフ・シュガーマン , 佐藤 昌弘
  • 発売元: フォレスト出版
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2006/03/08

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:自分らしく稼ぐ。

自分らしく稼ぐ。
自分らしく稼ぐ。
  • 著者: 小阪 裕司
  • 発売元: フォレスト出版
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2006/03/14

★★★★☆

私たちのビジネススタイルにおける「成功」の定義、それは、
「仕事を通じてよりよく生き、価値ある人生を刻むこと」である…
このビジネススタイルにおける「価値」、それは、
「自分ができることをすることで、それが誰かの役に立つ」
ということです。

こういうビジネススタイルもあるんだよ、
ということが紹介されている本。

小阪氏の他の本でも紹介されている
ワクワク系マーケティングと重なるわけだが、
メッセージとして非常に共感できるものがある。

このスタイルで経営する人の八つの習慣
  1. 満足主義でビジネスをする
  2. 無駄に見えることをする
  3. テクニックは追わない
  4. 長期的視野でビジネスを見る
  5. 「カッコいい」か「カッコよくない」か、で考える
  6. 競争しない
  7. 十分に稼ぐ
  8. マスターである

四つの原則

  • 第一原則 絆をつくる
  • 第二原則 世界を売る
  • 第三原則 伝道する
  • 第四原則 コミュニティを育む

このあたりが何を言っているかについては、
この本や、他のワクワク系マーケティングの本を
参照するとよいでしょう。

このスタイルの目指す所は、
以下のような顧客との関係性なのだ。

あなたの絆のあるもの、
あなたが信念を持ってお客さんに
「こんな素敵な世界がある」と
教えてあげたいものを見つけたら、
それを自分のところに集めて、
うまく編集して、お客さんの目に見えたり、
五感で感じられるように表現する

確かに、自分にも人に教えてあげたい世界がある。
少しずつやっていこうかな。

最近なぜか生き方についての本を読むことが多く、
この本もまた、考えさせられる本だった。

一度しかない人生なのだから、
Steve Jobsも言っているように、
毎日「自分はこれをやるんだ」と迷い無く
確信を持った状態でいたいものだ。
オススメ度は★4つです。

自分らしく稼ぐ。
自分らしく稼ぐ。
  • 著者: 小阪 裕司
  • 発売元: フォレスト出版
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2006/03/14

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:毎日お客が来たくなるマーケティング実践術

毎日お客が来たくなるマーケティング実践術―ワクワク系の店づくり
毎日お客が来たくなるマーケティング実践術―ワクワク系の店づくり
  • 著者: 小阪 裕司
  • 発売元: かんき出版
  • 発売日: 2000/01

★★★★☆

ワクワク系マーケティング実践会の、
小阪裕司氏の初期の著作。

しかしこの本は、ワクワク系とは?というところから
概要がまとめられているので、全体像をつかみやすい。
最近は、この本の一部分について詳しく述べているものが多い。

最近では、表現が変わっている部分もあるが、
根本的な部分はそれほど大きく変わっていない。
なので、小阪氏の著作の中では、はじめに読むと良い本。

「ワクワクしたいという人の根源的な欲求をカギとした
商売繁盛のしくみを築くことができますよ」
ということだ。
3つのゴールデンルール
1.顧客がそうとは気づかなかった必要や願望を満たせ!
2.顧客を信者化せよ!
3.顧客の生涯消費シェアを高めよ!
心理と行動のプロセス
入店→滞留・回遊→注目→発見→決意→体験→満足→来店→(戻る)

顧客自身が自覚していない、
ワクワクするものごとを提供する。
それによって、値引きに頼らない、
それでいて集客力のあるビジネスの可能性。
とてもおもしろいと思うんですよね。


ワクワク系って?と興味を持った人は、
まず読んでみるとよいでしょう。
オススメ度は★4つです。

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru